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音と夢と・・・

 やっと僕の息が整って落ち着いた頃。彼女と挨拶しました。


 彼女は小林命音こばやしめいねといって、高校一年生らしい。訊けば彼女、平均身長より高いらしいです・・・。そりゃ僕より一回りも大きいハズだ・・・。


「アタシ可愛い物大好きだからサ。アユミンはバッチシアタシの好み!」


 ・・・喜んでいいものだろうか。ってか早速あだ名つけられてますヨ。


 口元を引くつかせていると、上村が溜息交じりに追加補足。


「彼女がもう一人の超能力者だよ。能力は『音』。遠くまで声を届ける事が出来るし、相手に不快な音を出して動きを止めたりできる」


 ああ、サポート役みたいなものかな? と思っていたら。


「他にも振動させる事で相手の脳を揺さぶって気絶させたりも出来る。音は振動が伝わって起きるものだろう?」


 ・・・バリバリ戦闘要員ッスね・・・。


 今さらだケド、後悔という文字が頭の隅で点滅してマス。この二人についていけるのか、マジ不安です・・・。


「それでアユミンはどんな能力なの?」


 ・・・それを上村が説明しようとしてたんだろ・・・。


 ここで僕と上村の溜息が重なった。気が合うのう、同志(?)よ・・・。なんて目で見合わせました。


「歩夢君の能力は、たぶん『夢の現実化』だと思う」

「夢の現実化・・・?」

「話を聞いてると、どうもそんな気がするんだよね。試しに今ここで飛んで見せてくれないか?」

「ええ!?」


 いきなりそんな事言われても! 使い方分かんないよ!?


「昨日の事や、違和感があった時の事をよく思い出してよ。どうすれば力が使えていた?」


 どうすれば・・・? あの時は夢中だったからなぁ・・・。夢の中なら思うだけで出来たんだけど。


 ってなワケで、夢の時のような感覚で思い描いてみた。


「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」


 ・・・何も起こらん。


 思わず深い溜息。


「もっとよく思い出してみて。昨日は凄かったじゃないか」


 だ~! 昨日の事はあまり思い出したくないって何度も言ってんだろうが!!(心の中で)


 でもそれだとずっとこのまま・・・それも勘弁してほしい。


 昨日昨日・・・ほぼ無意識に封印していた記憶をさらってみると。


 心に百のダメージ・・・じゃなくて! あの時迫る兄友を止めようとした変人が突き飛ばされて。それで怒り狂ったんだよな(いや~、腐れ縁とは言え、あんなんでも一応は友達だしな)。んでアイツの胸倉掴んで~・・・あ。


 一つ思い出した。早速確かめてみるか。


 俺は空を飛ぶイメージを思い浮かべながら、息をゆっくりと吐き出した。すると・・・


「うわっ!」


 浮いた~!! マジで宙を浮いてる~!?


 飛んだよ飛んでるよ飛びましたよ奥さん!(誰だ)


 夢の中で散々飛んでたから慣れている。ハズだが、今はあまりの衝撃に驚き過ぎてバランスを崩してしまった。


 結果、落ちましたよ、え~落ちましたよ、上村の上に。ってか僕を助けようとして一緒に倒れちゃった、ってのが正解ね。


 まあおかげでどこも痛くないし、ありがたいこってっす。


 礼を言って起き上がろうとしたケド、出来なかった。見ると上村の腕がガッチリと僕をホールドしてます。ちなみに今の体勢は仰向けの上村の上にうつ伏せで倒れている僕。背に回った腕を退けてほしいんだが・・・。


「え~と・・・上村・・・?」


 恐る恐る顔を見上げると、そこにはやはりこれでもかっていうほどの素晴らしい笑顔の彼が。


「歩夢君って軽いね。とても可愛いし、天使みたいだね」


 ピキーン、と固まりました。


 え? 何? ケンカ売ってんの? それともお前の目は節穴か?


 などと半眼で睨んでやったら、クスクスと笑いやがりました。ハイ、ケンカ売ってんですね。


「ずるい! アタシも~!」


 そのケンカ、買ってやろう! と思ってたのに、後ろから小林さんがドーンと・・・。あ、上村潰れた。


 サンドイッチは好きだケド、中の具を実際に体験するのは苦しいのだと身をもって実感いたしました。




 能力が分かったので村田氏に報告。何故か僕から離れない小林さんを子なき爺の如く背負いながら(足は地についてますが)。


「ふむ・・・夢の現実化か・・・。略して『夢現むげん』だな。とても珍しい能力だ。こりゃ色々期待できそうだな~」


 何を期待してんだ・・・。訊くのがコワイので、黙。


「さて、ここに所属するにあたって何だが・・・」


 ん? 警察手帳貰えるのか?


「君のご両親と話がしたい」

「・・・え」

「当り前だろう。君を危険な目に遭わせるかもしれないんだ。きちんと了承を得ないと」


 確かに。そういう事すっかり忘れてたよ。でも・・・


「僕、両親に力の事話してないんです」


 そう言うと、村田氏は困ったように頭をかいた。


「だよなぁ。普通は隠すもんなんだよなぁ。だったら・・・他に理由をつけて説明するって方法もあるが・・・どうする?」


 どうする? って言われてもな。ウチの両親、僕に激甘だから話しても嫌いになったりはしないと思う。でも心配をかけそうで嫌なんだよな・・・。


「上村と小林はどう説明してるの?」


 傍らの二人に訊いてみた。すると二人は苦笑。何故に?


「稔で良いよ。俺は村田さんが親代わりだからね。その点は大丈夫」

「アタシも命音でいいよ。アタシは孤児だからサ」


 ・・・何と。明るく悪戯好きな二人に暗い過去が!?


「ご、ごめん。嫌な事訊いちゃった・・・」


 しょんぼり項垂れると、二人は気にしてない、と頭を撫でてくれた。これは子供扱いじゃないから許せる。


「・・・僕、全部話します。隠し事したら余計に心配されそうだし。何より両親を信じてるから」


 キッパリ口にすると、村田氏は満足そうに頷いた。上村が苦しそうに顔を歪めていたけど、どうしたんだろう?


「それなら善は急げだ。今日ご両親は?」

「仕事が休みなので家にいると思いますが・・・」

「よし、今から君の家へ行こう」

「・・・ええ!?」


 というワケで、村田氏にほぼ引きずられながら帰宅する僕達でした。

そろそろストックが・・・。毎日更新が目標でしたが、もしかしたらできなくなる可能性がぁぁぁ~\(゜ロ\)(/ロ゜)/オロオロ

ってなわけで、書いている間は違う話(完結済み)を載せるか? と思案中。

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