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違和感と撃沈と・・・

ちょっとご都合主義っぽく・・・\(゜ロ\)(/ロ゜)/


今日はあまり時間がなくて少なめです・・・(泣)

 夢の中で、僕は体育館に立っていた。


 昼休みに告白してきた兄友が柔道部員だと後から聞いたので、じゃあ柔道を習おう、と思ったからだ(そこ、単純だとか言わない!)。


 習おうって言っても誰かに師事するワケではない。夢の中なら僕はオリンピックに出られるほどの腕前になっているので(何故かは僕にも謎。ご都合主義? 何それ)、身体に覚えさせるかのようにひたすら身体を動かすのである。


 変だよね、柔道習った事もないのに夢の中では型も身体の捌き方も全部知ってるなんて。


 起きた時には知らない状態になるのだが、夢の中で努力した分はちゃんと身についている。だから前に練習した剣の扱い方も、確認がてら竹刀を握ってみたらちゃんと経験者のごとく振るう事が出来た。これが夢の凄いところである。


 男に襲われて力づく、なんて事があった時の為に練習してみたは良いが、今のところは披露する機会がないのが幸いだ(さすがに竹刀を持ち運ぶのはちょっと怪しいので、鞄の中にこっそり警棒を潜ませてたり)。


 身体中が汗だくになるまで練習して(現実では汗はかいていない)、そろそろ目が覚める時間だろうと動きを止めた。後は覚醒するのを待つばかりである。


「・・・?」


 ふと違和感を感じて、体育館内を見回した。別段おかしいところはない。記憶の中にある体育館と全く同じだ。・・・気のせいかな?


 頭をガリガリとかきながら首を傾げていると、目の前の景色が揺らぎ始めた。これは目が覚める前兆なので、慌てる事もない。


「今日はラブレターなんてない事を祈ろう・・・」


 本来ならラブレターがあったら喜ぶんじゃないだろうか・・・。それが僕の場合、夢の中に逃げ出したくなるほど悲しい出来事になっちゃうんだもんなぁ。


 あ~あ、女の子からラブレター来ないかな。


 徐々に覚醒していく意識の中で、僕はそんな事を考えていた。




 さて今日も学校、気持ちの良い天気が憎らしく思えるほどにどんよりした面持ちで、僕は学校へ向かう。


 母さんは相変わらずのほほんとした様子で僕にサンドイッチ(今日はハム)を出し、父さんは相変わらず永遠の別れかよ! って突っ込みたくなるほど悲しげに出ていったのが、まあ多少はストレスを緩和してくれたのだが(ってか朝からストレスって・・・)。


 これまた相も変わらず視線(男)が集まってくる中を靴箱目指して突き進む(今日は徒歩)。


 勿論男なんかに見られるのは気持ち悪いけどね。もうスルーしないとやってらんねーのよ。気にしちゃ負け的な? ああ・・・目から心の汗が・・・。


「おはよう」


 その時後ろから聞こえてきたのは男のひっくい声ではなく、可憐な高い声。こ、この声は!


 振り向くと案の定いとしの麗華ちゃんが!


「おはよう!」


 暗闇の中の光明を見出した思いで嬉しさのあまり満面の笑顔で挨拶だ。


 すると麗華ちゃん、何故か苦笑。なんで?


「みんな歩夢君が美人だって言ってるの、分かる気がする。あたしより綺麗に笑うんだもん」


 ・・・何ですと?


 思わず目を点にすると、彼女はクスクスと笑って続ける。


「男の子にこんな事言うの、ちょっと変かなとも思うんだけど・・・一応本心だし」


 撃沈。心の中では滂沱ぼうだの涙デス。


 だって彼女の言葉って、僕は恋人には一生なり得ないって事じゃないかい!? コンチクショウ!!


「あたし先に行くね。今日日直なの」


 そう言って駆けていく彼女。


 ・・・この心、涙の海で、溺れそう。


 思わず俳句になってしまうほど落ち込んでいる僕です。髪が真っ白なんでねーかと思うほどに燃え尽きております。


 これはあれか、もう僕はモーホーに突っ走れという神のお告げデスカ。この世に神も仏もないってのは本当なんでショウカ。


 靴を履き替えようとしていた状態で固まっていた僕は、ポンと肩を叩かれてギギギ・・・と油の切れたロボットよろしくぎこちなく振り向く。そこにいたのは。


「元気出せ。彼女は天然だから、悪気があったワケじゃない。泣くなら俺の胸を貸してやるよ」


 慰めてくれる変人だった(今思い出したケド、彼には渡部篤郎っていう名前があるからね)。


「変人・・・」

「ってこんな時でもその呼び方!?」


 勿論つい先程まで綺麗にスッパリ名前を忘れていた僕がその名を呼ぶはずもなく。でも今の僕は彼の存在がありがたかった。


「変人~!!」


 先程の変人の言葉に甘えて胸に飛び込んだ。思いっきり泣きながら。


「ええ!? お前がマジで泣くなんて、そんなにショックだったのか!? ってかここでそれはシャレにならんて!!」


 そうなのだ。ここは人が通りまくる玄関口なのだ。


 学校一の美女(男だって)との噂である僕が号泣していれば周りは変人を変な目で見るだろう。勿論変人が「胸を貸してやる」と言ったのは冗談だと知った上で、だ。


 フフフ、僕だけ傷つくなんて嫌だからな。変人も道連れだ!


 ・・・後に僕と変人が付き合ってる、なんて噂がたっても、僕は気にしない! 被害に遭うのはどうせ変人だからな! フハハハハ!


 ・・・今日は厄日ですね・・・。

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