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あばれ廃嫡

作者: 歌川 詩季
掲載日:2026/06/15

 追放されても改心はせず。

 血筋(ちすじ) 家柄を盾にして 笠に着て

 さんざん好き勝手やってきたものだから

 とうとうそのツケがやってきたのだ

 跡目の継承権を剥奪されて

 勘当も同然にほおり出された

 だけどこのていどで(くじ)かれてちゃ

 悪童 悪女と呼ばれたその名が

 (すた)るってもんでしょ

 スタンダップ アゲイン


 むしろこれまでは

 実家の威光を背にして

 利用してきたこと自体は否めないけれど

 逆に 家名を(けが)して

 凋落をもたらすような事態にまでは

 至らないようずいぶんと遠慮をしてきた

 いわば

 虎の威を借る狐は猫を被っていたのだ


 だけどここからは

 もう遠慮はいらないってこと

 自分を追放した実家に

 どんな悪影響が及ぼうと知ったことじゃない

 思うまま 気の向くままにやらせてもらう


 この身ひとつで振る舞うわがままなのだから

 これまでのようにいかずに

 辛酸(しんさん)をすすり

 泥水を()めるようなこともあるだろう

 それでも変にまるくなることはなく

 逆に実家という檻から解き放たれた獣のように

 死ぬまで暴れてみせようぞ



 それこそがあばれ廃嫡

 真の悪童 悪女の生きざまなのだから

 自業自得だから、「ざまぁ」もしません。

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― 新着の感想 ―
タイトルで、まんまと釣られたよ。 (世代バレの副作用付き) でも、後悔することはなかった。 さすがは、まるだし歌人だ。 自由詩は門外漢だけど、 「謝るくらいなら最初からするな」ってのが、 なかなか達…
『虎の威を借る狐は猫を被っていたのだ』、上手い言い回しで、思わず笑ってしまいました。 その前向きさと一貫性、むしろ敬意を払いたくなるほどですね。 良い方向に活用できないものかと思ってしまいます←
周囲の人間からは廃嫡が当然となるほどに「さんざん好き勝手やってきた」という放蕩無頼でも、当人からしてみればそれでも遠慮して抑えていたのですか。 廃嫡という形で軛を逃れてからは、果たして何をやるのやら……
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