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第五話 初めての女子の部屋

委員決めから3日が経った日の放課後、俺、恭介、相楽さん、小島さんの実行委員4人はクラスに残っていた。最初の話し合いである。


昨日、クラスのみんなにアンケート用紙を配って、やりたい企画を書いてもらった。


「じゃあ、早速結果を見てみようか。」


恭介が一枚一枚アンケート用紙の回答を読み上げていく。射的、お化け屋敷など多種多様な企画が書かれていたが、一番多かったのは。


「メイド喫茶。これで21票目ってことで過半数を超えたね。」


そう。メイド喫茶。うちのクラスは男子が30人、女子が10人というアンバランスなクラスなので、男子っぽい企画になることは大方予想していたのだが。もちろん男子のお目当ては、クラスのアイドル相楽さんのメイド姿だ。


「もう、男子ってば変態しかいないんだから」


小島さんが明らかな敵意の目線をこちらに向けてくるが、俺はそれを受け流した。


「過半数を超えちゃったから、メイド喫茶ってことになると思うけど、一回クラスのみんなに投げてみた方がいいだろうね」


「北原君の言う通りだと思う。女子の中には利奈みたいに嫌がる人もいるだろうし」


結局、明日の朝のホームルームでみんなに最終確認をしようということで解散になった。



女子二人と別れて、恭介と俺はダラダラと帰り道を歩き始めた。


「圭、お前もメイド喫茶って書いたよな?」


「はぁ?俺は書いてないけど」


恭介がキョトンとした顔でこちらをみてくる。


「ていうか、『お前も』ってことは………」


「うん、俺はメイド喫茶って書いたよ」


当たり前だろと言わんばかりの表情を浮かべている彼の顔を今度は俺がキョトンとした顔で見つめる。コイツも変態の一員であったようだ。


「だって、メイド服着てみたかったし。」


あれ?変態のベクトルが違ったかもしれない。


「圭も着てみたくないのか?」


「着たい訳ないだろ!」


「ああ、そうか。圭は相楽さんのメイド姿が見たい側だったもんな。」


恭介が口角を上げながら茶化してくる。まぁ、コイツはこういう奴だもんな。諦めよう。


ちなみに、相良さんのメイド姿が見たいのは事実である。俺の方が変態なのかもしれない。



翌朝のホームルームの話し合いも、男子たちによるもの凄い圧力に女子が押し切られる形でメイド喫茶案が固まりそうであった。


案が決まれば、次は必要な物資の確保である。肝心のメイド服は何故か自分の家にあるのを提供してくれるという男子が二人もいたので(深い理由は聞かないでおいたが……)買う分は少なくて済みそうだ。残りのものは有るもので済まそう。


「じゃあ、メイド服の残りは中古のやつを探すってことで。」


予算を考えたら中古が現実的だろう。


「ねぇ、ていうか、男子もメイドになるんだよね」


「うん、シフト的にもそのつもりだったけど」


「女子はやってくれる人いるだろうけど、男子はやる人いるの?」


小島さんの指摘に、明らかに恭介の目が輝いた。コイツ……。


「とりあえず、俺はやろうかなって思ってたけど。あんまりやりたがる奴いないだろうし。」


恭介は、本心を知られたくない時は早口になる癖がある。もちろん、女子二人はそんな癖を知る由もないので、みんなのことを考えて行動してくれる優しい男子に写っているのだろう。


「じゃあ、男子は北原君中心に決めてもらって。女子は頼めばみんなやってくれるだろうから、3人ぐらいでシフト作っちゃおうか。」


1シフトあたりの時間と負担を考慮した結果、メイドは女子3人、男子1人の4人1グループで1時間交代で回すことになった。


女子は小島さんが裏方に回るということで、それ以外の9人で、男子は恭介を含めて3人が順繰り交代することになった。



1週間後、ネットで頼んでいた中古のメイド服が届いたということで、俺と恭介は相楽さんに放課後、呼び出されていた。


「ごめん、今日利奈は用事があるみたいで。二人にお願いなんだけど、やっぱり中古ってことで補修しなきゃいけないところがたくさんあって。手伝ってもらえないかなって」


「別に良いけど、なあ、圭」


「ああ、実行委員だし、それくらいは。」


「ありがとう。じゃあ家まで案内するね」


「「えっ?」」


俺と恭介は同時に声を出したが、相楽さんはもう歩き出していた。


「相楽さんの家……」


「お前、いやらしいこと考えてただろ」


恭介が俺の呟きを逃すことなくつついてくる。


「いや、別に家に行くだけだろ」


口ではそう言いつつも俺は緊張していた。女子の家に行くなんて初めてである。恭介は、まあ、慣れているかもしれないが。



20分ほど歩いただろうか。相楽さんが足を止めて、手招きをする。


「ごめん、ちょっと汚いんだけど入って。」


「「お邪魔しまーす」」


汚いと相楽さんは言っていたが、少なくても俺の家よりは綺麗である。


階段を登ると、突き当たりの部屋が相楽さんの部屋らしい。


「じゃあ、入って」


「失礼しまーす」


職員室に入る時よりも何倍も緊張しながら、相楽さんの部屋に足を踏み入れた。

最後までお読みいただきありがとうございました!

本日は2本投稿を予定しています。

21時に第六話投稿予定です。

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