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消える死体  作者: ツヨシ
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あれは俺が十歳の時のことだ。

家のすぐ近所に空き地があった。

雑草だらけの小さな空き地だ。

ある日、その空き地の前を通った時、空き地から誰かに呼ばれたような気がした。

実際に声が聞こえたわけでもないのに、強くそう感じたのだ。

俺は雑草をかき分け、空き地の中に入った。

するとそこにいた。

そこだけ草が生えておらず、土むき出しになっているところに女の子がいた。

白いワンピースを着て頭に大きな赤いリボンをつけた女の子が、口を大きく開け、目を見開いて倒れていたのだ。

そして、どう見ても死んでいる。

俺は慌てて家に帰り母に言った。

「女の子が死んでいる」

母は驚き、俺と一緒に空き地に向かった。

しかしそれほど広くない空き地をどれだけ探しても、死んでいる女の子なんて見つからない。

俺は母にひどく怒られたが、それ以上に女の子がいなくなったことが不思議だった。


俺が高校生の時だ。

高校の近くに空き地があった。

雑草まみれの。

ある日その空き地の前を通った時、空き地から誰かに呼ばれたような気がした。

声は聞こえなかったが、なぜかそう感じたのだ。

雑草をかき分けて中に入ると、またいた。

白いワンピースを着て頭に大きなリボンを付けた十歳くらいの女の子が、口を大きく開けて目を見開いて、土がむき出しになっているところに倒れていたのだ。

俺は慌てて高校に引き返し、先生を呼んだ。

「空き地で女の子が死んでいる」

先生は驚き、俺と一緒に空き地に向かった。

しかしいくら探しても、死んだ女の子はいなかった。

「おまえは」

先生に怒られ、もう少しで親を呼ばれるところだった。

でもそんなことより俺は、女の子がまた消えたことが不可解だった。

おまけにその女の子は、小学校の時に見たのと、同じ女の子なのだから。

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