魔王の妹
・・・ムカデなのか?
そうだよね。
節目のある細長い胴体、そしてその胴体から生える数多の足。
ムカデだね。うんムカデだ。
きしょい。大分きしょい。生理的に無理。
『セントピード ♀
固有スキル【雷蹴り】
ステータス
攻撃 1275
防御 681
スキル 1562』
ざっこ。
いや、実際中の上なんだけど魔王と龍の『測定不能』とエレキマウスの防御限界突破ステータス見た後じゃ雑魚としか言いようがないわ!かかってこいやムカデ!
「ぎしゃぁぁぁぁぁ!」
鳴き声もきしょいのぅ。
「【大地の加護】」
ふっ。ナターシャよ。必要ないぞよ。
俺一人で仕留めて見せようではないか!
「【文房具[サイズ指定S]】!」
はい!胴あり一本!
『【殺戮Lv10】が【殺戮Lv13】になりました!』
ちゅどーん!
ムカデの死体をぶち抜いて落ちてきた何か。
『個体名 アヒュ―ラ・アヴァンタレス』
マジすか。
「よし、逃げるぞ」
逃げないと絶対ぶち殺されるからな。逃げるが勝ち!
「ナターシャ?ナターシャじゃない」
魔王はナターシャのこと知ってんのか?
「姉さん・・・」
は?姉さん?
ってことは?
?=?
|
ナターシャ―魔王
マジすか!ここに来て裏切り?
・・・そういえばナターシャのステータスは?
『個体名 ナターシャ・アヴァンタレス 種族 人蜘蛛
固有スキル【大地の加護】【構造理解】
ステータス
攻撃 測定不能
防御 測定不能
スキル 測定不能
【殺戮Lv79】【虐殺Lv58】【破壊Lv100(C)】【残虐Lv93】【物理耐性Lv100(C)】etc.
総合評価S+』
強すぎ?
数え切れない程の尖った糸がナターシャの手から発射される。
ミコトさんは動揺して動けていない。
ミコトさんを抱えて転がり、よける。
【身体能力強化Lv6】のお陰様でよけきれた。
『【忍者Lv1】が【忍者Lv5】になりました。[火遁の術]が解放されました』
「[火遁の術]!」
蜘蛛の弱点は炎ってラノベで読んだからな!
俺が召喚した炎はナターシャを囲う謎の壁に阻まれて消えた。
あ、【物理耐性】って、これ?
んじゃあ蜘蛛の弱点の炎を物理耐性でカバー・・・
いや最強かよ!?
『スピリット・バグが【管理者権限】を使用しました。対象二名に【転移】を施行します』
スピリット・バグ。魔王アヒューラのペットの名。
そして俺たちはライケン・ラビリンスの外にいた。
てか何で魔物が俺たちを転移できるんだよ!
【管理者権限】のおかげなのか?
もしかして、管理者=スピリット・バグ?
まずい。俺冴えてる。
「ミコトさん、何か知ってる?」
「・・・やっぱりバレてましたか」
いや、ナターシャが攻撃して来た時動揺してたからもしそうだったらっていう軽い気持ちで聞いたんすけど?
マジだったですか?
「もうこれ以上隠しても仕方ありませんね。教えましょう。私の過去と、ナターシャの正体を」