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[4000PV感謝]【文房具】で充実最高異世界ライフ!  作者: 鴨鷹カトラ
第一章第一節 初期環境からの這い上がり
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ヘロー管理者、ヘローゴミステータス。

「これが今日泊まる宿です」

「・・・これが?」


目の前に立つツタまみれで庭に雑草が生えまくって、窓に手形らしきものがある、この宿に?


巨大市場。

開店前から客の集まる、『アマガキ』と書かれた提灯を置く屋台。

「よっしゃー!2日目オープン!」

開店を俺が告げると、ミコトさんの元へ沢山の客が競うように並びに行く。

ミコトさんが美人だから・・・ってのもあるからな。

「はいは~い。皆落ち着いて~。商品なら無限にありますので!」

ナイスミコトさん。


ん?あのお爺さんこの前の・・・

お爺さんは列の一番前割り込んだ。

「あの、列の最後尾に・・・」

「儂は帝国宮廷スキル使いのファラエン」

周囲の雰囲気が固まる。

え、帝国宮廷・・・何て?


「……お貴族様がこの屋台に何か、法には違反していないはずですが」

「大臣はこの店が気に入ったと仰せだ。よって、この店に国から多額の資金を授ける」


沈黙。

つまり、国から支援金が出て、それこそ会社経営できるって事?


経済学部に通っていたこともあり、実際に経営者になるのは非常に興味がある。

というか、なる計画。

だがしかし・・・


「お断りします」

俺の発言に並んでいた客、帝国宮廷なんたらの爺さんも目を見開き、信じられない様子だ。


「確かに大臣に気に入られたという事実は嬉しいです。ですが、この事業は自分とミコトさんで大きくしたい」

気付けばこの屋台の周りに沢山の客が集まっている。


「絶対にこの事業は大きくしてみせます。その時に是非、見てもらいたい」

沈黙の後、ファラエンが口を開いた。

「了解した」


客たちは何が起きたのか分からないような顔をしていた。

だが、リピーターであり最初の客の若い男の拍手をきっかけに、市場の一角が拍手で包まれた。


その日の宮廷大臣執務室。


「ほう・・・断られたか」

大臣は蓄えた顎髭をいじり、窓の外に広がる帝都リーテルの景色を眺めながら言った。

「はい、申し訳な・・・」

「良い良い」

ファラエンの言葉を遮る大臣。

「立派な心掛けじゃ・・・我が都市にはそんな人材はなかなかおらぬ。感心じゃ」



その夜。

Wi-Fiは文房具、Wi-Fiは文房具・・・

ボムン。


凄い。出た。

次はパソコンを出して、え~と・・・


翌日早朝。あのぼろっぼろの宿にて。


今日はパソコンの取り扱いも始めるつもりだ。

「見て!この朝刊!」

ミコトさんが新聞を抱えて俺の部屋にやってきた。


「ん?どれどれ?『市場のある屋台。事業の心得で一躍時の者』・・・これってもしかして、俺たちの事か?」

「そうですよ!この勢いで会社を・・・」


『ピンポ~ン!【知名度Lv1】を獲得しました!』


「へ?」

ミコトさんの言葉を遮った俺の疑問符は狭い部屋に響く。


「いや、今天の声が・・・」

「それは、管理者です」

管理者?


「管理者は称号を与えてくれる謎の何かですね」

すごい漠然としてるな。

存在というよりかは概念って感じか。


あとピンポ~ン!って、ネタなんだろうか?


『ピンポ~ン!【遅刻魔Lv1】を獲得しました!』


「遅刻魔・・・?」

「あ!もう開店時間ですよ!」

「マジすか!急げ!」


『ピンポ~ン!【爆速Lv1】を獲得しました!』


屋台の出店時間に遅れたのにも関わらず、多くの客が待ってくれていた。

屋台にパソコンとWi-Fiを並べる。

「それは?」

リピーターのナイスガイが尋ねる。

いい質問だ。

「これは、メッセージのやり取りが手紙を使わずにこの者同士でできるものです。いずれ、ゲームなどの機能を追加しようと思っているので、是非ともお買い上げ頂きたい!機種名はamagaki1です!今なら大特価!たった10000G!」


ミコトさんから聞いたのだが、馬を買うのにかかる金は40000Gらしい。

つまり、馬の四分の一でこんな便利なものが買えるというのだ!!!!


どう?お得じゃない?

お得だと思ったよね!


案の定売り上げは凄かった。


◇  ◇  ◇


そしてその夜。

俺はミコトさんの部屋に呼ばれた。


「ステータスを見てください」

開口一番、知らない言葉。

「ステータス?」

あ、あれか、主人公の攻撃力とかだろ?

俺が読んでたWEB小説の主人公の攻撃力最終的に1000桁行ってたからな。

ステータスよ!開け!


出てきた数字に絶望。

何?攻撃0って。

防御だけ2で草。


「ちなみに、ミコトさんのは・・・」

ミコトさんの頭上に展開されるステータス画面。

オゥ。すげぇ。


「えっと、HP198、MP109、STR328・・・まぁ、平均ですね」


これが平均だったら俺は何なんだよ。


「えっと、それで今後の経営について・・・」

待って待ってツッコませて。


「これで合計100000G以上の売り上げとなりました。会社設立の資本金としては充分ですね」

「と、言う事は・・・?」

「はい!帝国国民事業部に申請して会社を立ち上げることができます!」


帝国・・・何て?


「帝国国民部の内の一部署ですね。帝国国民部は、事業部、福祉部、労働管理部に分類されます。事業部は国民の事業の手助けをしたりします」


「おい!労働管理部!不法労働場はどうした!」

「・・・労働管理部の部長、ナマケダイスキ・グウタラサイコウは、殆ど仕事をしません。だから、不法労働場が生まれるのです」


その部長の名前は、ネタなんだろうか・・・


「とにかく、申請しましょう!」

アマガキ・クロシ 年齢 21才

固有スキル【文房具】

獲得拡張スキル【     】


ステータス


HP 4/4

MP 0 

STR 0

INT 2


獲得称号


【知名度Lv1】

【遅刻魔Lv1】

【爆速Lv1】


全体評価





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