あなたのお話、聞かせて!
「ん……あ、あれ?」
「ここ、どこだろう……」
気がつくと、知らない場所にいた。
小さなテレビ、たくさんのぬいぐるみ、色とりどりの風船……なんだか楽しげな場所。
「あれ、きみ どうしたの?」
突然、同じ年齢くらいの女の子に話しかけられた。
明るい髪色で、透き通った水色の瞳。
まるでおとぎ話のお姫様みたい。
「……え、あなたは……?」
「あたし?あたしはミア、きみのおともだちだよ!」
「おともだち……?」
初めて会うはずだけど……
「ねえねえ、一緒に遊ぼう!」
手を引かれ、部屋の奥へ進んでいく。
……楽しそうだし、少しくらいなら付き合ってみようかな。
・ ・ ・ ・
「つ、つかれた〜〜!」
「結構遊んだね……」
遊び疲れてへとへとになり、ふたりで寝転がる。
でも、こんなにはしゃいだのは久しぶりだな。
「ねえねえ、楽しかった?」
目を輝かせて言うミアちゃん。
「うん。とっても楽しかったよ!」
「ほんと!?やったー!」
この子、なんだか小さな子どもみたい。
たくさん遊んで、たくさんはしゃいで、たくさん遊んで……
「……いいな」
無意識に、口からこぼれ落ちた。
「え?なにが?」
「あ……き、聞かれてた?」
さっきとは打って変わって、落ち着いた様子のミア。
「ねえねえ、なにが羨ましいの?」
「……えっと……ミアが、なのかな」
「あたしが?」
ミアは「どういうこと?」と、首を傾げる。
「じ、自分らしく振る舞えてて……いいな、ってことなの」
「自分らしく……」
「リコは、そうじゃないの?」
「え……」
どくん と心臓が飛び跳ねる。
ミアの澄んだ瞳から 目を離せなくなった。
「リコは、自分らしくできてないの?」
「いや、私は……」
「ねえ、あたしにおはなししてよ!」
ミアが私の手を握る。
「あたし、リコのこと 知りたい。なんでも相談して!」
「ミア…………」
「……ありがとう、じゃあ……聞いてもらおうかな」
読んでいただきありがとうございます!
会話シーンを書くと、「」ばっかりになっちゃって難しいですね……