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シトさまのいうことにゃ ~今日もキツネさんはのんびりまったり勇者育ててます~  作者: ともはっと
第一章:異世界人は異世界召還でピンチにならない。んなわけないっ!

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037.冒険者ギルドにて 6(ソラ視点)



 私は久しぶりにスキル欄で見かけた、葉崩しと三瞬突きを使ってみようかなとか何となく思って使ってみた。キッカちゃんがこれと同じスキルが使えるのよね。なんだったら現物見てもらって少しは参考にしてもらおうかしら、なんて。


 使うと同時にそのスキルと自身の能力に沿って脳内に浮かぶ最適な動きに導かれて動いたその体の滑らかな動きと、使ったそのスキルに派手に吹き飛ばされて蛙のような声で鳴いたヤットコに、まるで武道家のようなポーズで残心姿のまま倒れたヤットコを見ていた。

 いやいや、単純に驚いて三瞬突きした後のポーズで固まってただけなんだけどね。


 いやぁ、派手に宙に飛んでは地面に叩きつけられて「ぐへっ」とか。びっくりしたわ。まさか吹っ飛んじゃうとは思わなかったから。

 まさかあんなに吹っ飛ぶとは。うん。びっくりしたから思わず二回思っちゃったわ。

 C級とか自慢してたからもうちょっと骨があるのかと思ったんだけど。私の何も持たずに打つ三瞬突きなんてそこらへんの町娘の一撃と変わらないのに。


「ねえ、そう思わない? メリィちゃん」

「へ? な、何がですかね!?」

「いやぁ……私ってほら、町娘じゃない?」

「……なんか変なこと言い出さないでくださいきつねさん。あなたが町娘だったらこの世界はきっと平和です!」


 失礼な。見せてやろうかしら、私のこの細くて今にも折れそうな腕を。

 ぐいっと袖捲って力こぶでも見せてやろうかと思ったけど、袖捲るの面倒。だって、この巫女装束、妙に袖長いし。

 なんでこんな長いのかしら。……あ、私が選んだのかっ!


「ぐ……うぅ……」

「や、ヤットコさん! 大丈夫ですか!」

「だ、大丈夫に見えるか、これがよぅ……」


 げほっと、喉を傷めつけてやったから血痰を吐き出してのろのろと上半身を起こすヤットコ。


「てめぇ……準男爵の俺に手出して……ただで済むと思うなよ……」

「思うわよ」

「貴族の俺に手を出し……え? 思う?」

「いやあんたさ。さっきから貴族貴族っていってるけど。そもそもあんた準男爵なのよね?」

「あ?……ああ、そうだけど……はっ、なんだお前、自分が貴族じゃないから気になってんだろ。ああ、そうかそうか。お前、さては貴族になりたいのになれないからって羨ましいんだろ」

「ん? 全然?」

「へっ、うらやま……え?」


 なんか貴族を羨ましいと思う人なんて初めて見た気がするけど、平民ってそういうものなのかしら。


「んー。貴族様には分からない話なのかねー」

「だろうなぁ! へへっ。貴族様にしか分からない世界があるんだよっ!」


 んー。私一応貴族だけど、こいつの言ってることはわかんないわ。このヤットコっての、多分貴族至上主義寄りの思想の持ち主なのね。……厄介ね。こんなのと関わるのってとにかく面倒なのよね。人を人と思ってないから。


「さて。まあ、どうでもいいわ」

「ど……貴族様に逆らってどうなるか分かってるのかっ! 平民は人生を終わりにされるんだぞ! 俺も貴族の一員だ! そんな俺に下手な声かけて――」

「そうねぇ。メリィちゃん、貴族様って、確かその気になれば冒険者証の剥奪とかもできるんじゃなかったっけ?」

「おま……人の話を聞きやがれこの狐野郎! 俺は貴族様だぞっ!」


 とまあ、わーわー騒いでるヤットコは置いといて。

 メリィちゃんを見てみると、聖女の称号持ちに回復してもらったからか肌つやっつやなのが気になるところだけど、傷が残ったりしなくてよかったわほんと。


「はい。そうです。貴族は領地を持っていることが多いので、領地持ちまたは男爵以上の爵位持ちの場合、他領地などで起きたトラブル等も自身の判断で処置することが可能です。ただ、通常はその場で処置することはほぼなくて。どちらかと言うと、捕らえた後に各領地の領主に裁断を委ねることが多いですね」

「多分、そこが勘違いされてこんなバカげた思想もったりしたんでしょうね。」


 爵位持ちなら何しても許さる。平民に対して何をしても許されるみたいな人を人と思わない思想。

 そんな思想、貴族だろうがあり得ないクソみたいな思想よね。ほんと、なに考えたらこうなるのかしら。平民から爵位をもらえたから、憧れとかもあって勘違いしちゃったのかしらね。



 ……ていうか、ヤットコ。

 あんた、もしかして……。あんだけわーわー騒いで迷惑かけて、私に殴られたそれだけで意気消沈してんじゃないでしょうね。

 冒険者ギルド内で騒いでギルドの受付嬢を傷つけたとか、ほんとまずいってこと気づいてないのかしら。


「その、なんだっけ。とっとこ?」

「ヤットコだ! ヤットコ・デ・ヒラ準男爵だ!」

「あんた、自分が何したかとか、わかってないわよね?」

「あぁ!? 俺が何したって問題ねぇだろ。さっきの話から、俺はどうやら自分で処分してもいいみたいだからなっ」

「いや、領地持ちの場合よそれ……」


 貴族云々の話じゃないわよこれ。

 下手すると問題の起きた領地と冒険者ギルド全体の問題に発展するから、最悪、領地から冒険者ギルドの撤退とかされて、その領地滅びるわよ。

 領地内の魔物とか倒したり、その素材による生産と物量の経済効果が冒険者ギルドが賄ってることが多いんだから、なくなればすぐに廃れるだろうし。自領で騎士団とか兵力持ってる領地でも冒険者ギルドとは仲良く持ちつ持たれつでやってんだから。


「……まさかね……ま、どうでもいっか」

「領地持ってなかろうが俺は偉い!」

「偉くないわよ」


 私は、もうこの男を説得しようとするのはやめようと思う。何言っても自分のいいようにしかとらえないし、それに、いくら傷が治ったといっても……


「メリィちゃん。ギルド長代理権限を使用するわ」

「え。きつねさん……?」

「え? ぎ、ギルド長代理……?」


 メリィちゃんを傷付けちゃったんだし、このギルドで暴れちゃって、わけの分からないこと言ってる時点で、アウトよね。


「ヤットコ・デ・ヒラ準男爵。ならびに、冒険者C級パーティ『トット・ト・イケ』に所属する冒険者達に告げる」


 私は、自身の持つ、一つの権限を行使することにした。

 こういうの、ほんと嫌いなのよね。


「わたし、本領地『ヴィラン』ならびに辺境都市ヴィラン近郊の冒険者ギルド、ギルド長代理権限を持つS級冒険者『ソラ』が、貴方達を本領地の冒険者ギルドから追放、並びに冒険者証を剥奪します。あ、ちなみに、ギルド長は辺境伯のヴィラン王爵だから、そこんとこ間違えないよーに」

「は……はぁぁ!?」

「あーあ、きつねさん……やっちゃった……」


 こうして。

 この意味の分からないいちゃもんをつけてきたチームヤットコは、私の可愛いメリィちゃんに手を出して王爵領地全域から、追い出されるのでした。っとさ。


 あーもう。

 こういう人より権限もってそれを行使するのって、ほんと大っ嫌いなのよ。ほんと。


 ほんと……とっとと消えてほしいもんよね。私の周りに迷惑かけずに……。

全然お話進んでいませんが、ここらへんで10万文字超えてます。読んで頂いた方々も、10万文字も付き合っていただきありがとうございます。まだ何も始まってない感が凄いのですが、これからもぜひ本作品をよろしくお願いいたします。

お星様も大歓迎でございます^^

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