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[ 087 ] 怪盗ノワールの秘密

「フリーレン商会の者です。ブーデさんはご在宅でしょうか?」


 結局ルヴィドとミルトを連れてアルベルタ商会を訪れた。怪盗ノワールの正体がわからないのであれば、もうここ以外に手掛かりはない……。


「少々お待ちください……」


 夕食の最中だったようで、相当不機嫌な顔をしていたが警護兵を引き連れてブーデは顔を出してくれた。


「なんじゃ、フリーレン商会のガキか……。フリーレン商会というからロゼ様が夜這いに来てくれたのかと思って期待したじゃないか、まったく!」

「あの! ロゼさんが行方不明なんです! 何か知りませんか? 怪盗ノワールからのその後何か要求はありました?!」

「な、なんでそれを知っておる! どこからその情報を……」

「やっぱり! ノワールから予告状が来てたんですね!」

「む、むぅ。来ていたが、どうやらイタズラだったようだ。わしの女達は全員無事だった。あのチビ……今度見つけたらタダじゃ済まさんぞ」

「違うんです! 勘違いされてロゼさんが拐われたんです!」

「なんと……ロゼ様が、しかしどうすることも……」


 その時、わずかな揺れを感じた後、本格的な地震が大地を揺らした。


『ゴゴゴゴゴォォォオオオ』


 昼に発生したばかりなのに! ミルトの話が本当ならこの後モンスターの群れがやってくる! この場にいた全員に動揺を隠せない。


「ブーデ様をお守りしろ!」


 執事の声で警備兵がブーデを取り囲う。


「な、なんだ! また地震か! お前ら頼んだぞ!」

「ご安心ください! ブーデ様には小石一つさえ触れさせません! 建物の中に!」


 ブーデが警備兵に守られながら商会に戻ろうとした時、Cエリアから小さな花火が上がった。


「ルヴィド! やっぱりあっちだ!」

「うーん、こういう感は当てになりませんね」


 花火をみて、ミルトとルヴィドが花火の方へと走り出した。


「ルヴィドさん?! やはり何か隠してるんですか?! どこにいくんですか!」

「すみません。その説明はまた今度で」


 何が起きている?! ブーデはさっき怪盗ノワールの事をあのチビと言った。ルヴィドは、ロゼさんを連れ去ったのは、ガタイの良い男性だと言った。同じ怪盗ノワールの目撃情報とは思えない……。


「ロイエ! ここにいても進展はなさそうだ! モンスター共もやってくる可能性がある! 一度グートの宿でリュカさんと合流しよう!」

「そうだね! わかった!」


 ジオグランツで体を軽くしたいが、どこからモンスターが襲ってくるかわからないので、魔法の無駄撃ちはできない。


 ジオグランツは使わずに、走って宿を目指すが、そういえばルヴィドとミルトの走って行った先はギルドだ。あの花火が上がった位置もギルドの方向だ。ギルドで何かが起きているのか?!


 BエリアとCエリアの中を避難誘導しながら突き進むと、宿は向かう途中でギルドの陰にルヴィドが立ち止まっているのが見えた。その横には……ガンツさん?


 初めてギルドに入った時に、ずっと酒を飲んで僕に絡んでくれた荒くれ者の冒険者ガンツが、人目を気にしながらギルドの陰で話している。


「……というわけで、やはりあいつが犯人でした」

「ガンツ君、よくぞ知らせてくれたありがとう。君の教団ポイントを追加しておこう」

「ありがとうございます!」


 なんの話だ……? ガンツも封印教団の信者だったのか?!

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