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[ 243 ] 連合会議

 騒動の後、僕らはヘクセライ魔法研究所の大会議室に集まった。メンバーは以下の通り。


 フォレスト市長 アルノマール

 騎士団調査班

    団長、アウス

    調査班23名

 魔法研究所 カノーネ

       リュカ

       リーラ

       マローネ

 封印教団 ルヴィド

      ミルト

 冒険者 ハリルベル

     ロイエ

     テトラ

     レーヴェ

     ロゼ

     シルフィ

 おまけ ピヨ


 調査班の騎士たちは研究所の周りで待機となり、代表としてアウスが会議室には来ている。全員が大テーブルに着席するとアルノマール市長が立ち上がった。


「良くぞ、私のために集まってくれた。私が指揮を取る」


 さも当然かの様に、自信満々で語るアルノマールに対しカノーネも立ち上がると、ちょっと待ったと指を刺した。


「アルノマール。勝手に始めるな。ここはヘクセライだぞ。ボクの指示に従ってもらおう」

「ならばそのお手並み、拝見しようか」


 どちらも強引な性格だから話が長引くかと思ったけど、意外とアルノマール市長が引いてくれた。さすがにヘクセライだという事を考慮してくれたらしいが、僕には何か企みがあるとしか思えない。


「時間もない手短に話す。王が回復魔法の練度★9を習得したらしい。これはアウスからの情報だ」


 王が練度★9を? 部屋の中がざわざわといろめき立つ。誰か王都の実験室で練度★9になりそれを王に移植されたと言うことだろうか。視線は自然とアウスに集まった。


「王都に潜入している副団長のリューゲンからの情報だ。まず街がいいだろう。それとゼクト含め護衛班がここまで出張って来ているのが、良い証拠だ」

「どういうことですか?」

「それは私から説明しよう」


 アルノマールが、ガタッと立ち上がって説明を始めた。その視線は明らかに僕を見ている。


「回復魔法の練度★9は、他人と自分の生命力を行き来させる魔法だ」

「行き来?」

「ああ、他人の生命力を吸って自分が回復。自分の生命力を他人に与えて回復させる。そんな事が可能な魔法だ」


 他人から生命力を吸い取り続ければ、永遠の命が手に入るというわけか……。


「それと、ゼクト達が攻めてきた事にどんな意味が?」

「今言ったばかりだぞ」

「ごめんなさい、意味が……」

「ロイエさん、王が誰かの生命力を吸うとして、誰だと思いますか?」

「そりゃあ。そうか、国民か……」

「そうです。恐らく今頃王は王都の住民から生命力を吸い取っているのかと……」


 自分の国の民を自分のために使うなんて……。王として1番やってはいけないことだろう。そんなこともわからなくなっているのか。


「早く助けに行きましょう! まだ間に合うかもしれません!」

「その我々を止めるために、ゼクトと護衛班がここまで来ているのだろうが」


 そういうことか……。

 ゼクトが殺す気なら既に何人か死んでいてもおかしくない。彼らの狙いは時間稼ぎか……。


「しかし、ゼクト先輩は何のためにあっちについたんだ? メリットねぇだろ。別に王に対する忠誠心もないだろうし」


 レーヴェからしたら、Sランクのゼクトは先輩なのか。

 でも確かにレーヴェの言う通りだ。それにゼクトはナッシュで僕を助けてくれた。本気であいつらの仲間になったとは考えにくい……。


「あの、王を止めないと……どうなりますか?」


 ロゼの質問にカノーネが即座に答えたが、その答えは突拍子もないものだった。


「最悪、この星が無くなる」

「え?」


 話が飛躍しすぎてわけがわからない。星が無くなる?


「人間から命を吸った王がそれで満足すると思うか?」

「まさかフィクスブルートから星の生命力を?」

「たぶんな」


 カノーネもそれに関しては自信はないみたいだが、本当にこの星の命を吸えるなら、どうなるか分からない。爆発とかしないよね?


「止めないと……」

「そのためには、やはりゼクトや護衛班を何とかしないとですね」

「ああ、そこでだ。いくつかの班に分けて王都を目指す」


 班を分ける。確かに、全員で対処すると混戦もあるし、相手は広範囲魔法を使うんだ。大勢だから勝てると言うわけでもない。


「王都には人が大勢いる。もし王の毒牙にかかっていなければ、大勢の人数を避難させる場合に、俺たち騎士団がいた方が話が早いだろう。よって我々は陸路で王都を目指す」


 その提案には納得だ。騎士団が避難誘導をするなら混乱も少なそうだ。


「そのためゼクト達の誘導を冒険者に任せたい」


 さっき歯が立たなかった彼らに、また僕らだけで挑むのか……。正直勝てるイメージが湧かない。


「心配するなロイエ。私が来たからにはいい作戦を授けてやろう」

「ピヨもいるからね?」


 僕の肩でピヨがニコリと笑った。

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