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[ 151 ] 帰還

「ジオグランツ! ピヨ頼む!」

「おっけーピヨ! フリューネル!」


 レプティルクックを撃破して、リュックに詰めるだけバスター鉱石を積めると、僕らは行きと同じく空を飛んで撤退することにした。


 既に日は落ちて来ていて、空は赤く染まっている。


「ピヨ、魔力は平気?」

「大丈夫ピヨ。来た時より力がみなぎるピヨ」


 元々大きかったミネラさんのリュックに、バスター鉱石を詰めた二つのリュック。来た時より重くなったが重力魔法はこういう時に便利だ。


「ねぇねぇミネラ。どれくらいで装備は出来るの?」

「そうですね。初めて扱うので一つに付き一ヶ月くらいでしょうか。効果の検証など色々やりたいので……」

「一ヶ月か……。あのレオラ、先に僕の装備でも良い? 一ヶ月後にアクアリウムへ移動しなきゃいけないんだ」

「そうなの? そっかー残念だなーせっかく仲良くなれたのに、それならいいよ」

「ありがとう」

「じゃあロイエさんの装備から先に着手しますね」

「はい」


 一ヶ月だとギリギリくらいか……。


「ちなみにどんな防具になるんですか? 戦闘スタイル的には素早さ重視なので、あまりゴテゴテしていると使いにくくて……」

「ふむふむ、軽量重視ですね。どうしてもバスター鉱石をたくさん入れるから重くなっちゃうかな……」

「ある程度なら仕方ないです。お任せします」

「わかりました」


 こうして空の上で帰宅しなが、あれこれ装備について話し、僕の体のサイズを測りながら、僕らはデザントの街に戻ってきた。


「なんとか無事に帰ってきましたね」

「そうだね! 楽しかった!」

「報酬はギルドを通して貰ってくださいませ! 早く工房で作業を始めたいので、私はこれで失礼します!」


 店先に荷物を下ろすと、ミネラさんは目を輝かせながら店の中に飛び込んでいった。あの分だと出来上がる防具も期待できそうだ。


「じゃあ、ギルドに報告に行きますか」

「うんうん」

「お腹空いたピヨォ」


 火口でたくさん魔石を食べたからか、ピヨの魔力はまだ余裕があるようだ。魔石を食べることで一時的に増えた魔力がどれくらいで自然消滅するのか見たいし、このままにするか……。


「ギルドに報告したらご飯にしようか」

「やったピヨー」

「あ、私ね! 良い店知ってるよー!」

「噴水の近くの古い喫茶店じゃないですよね?」

「店長のところ? 違う違う。もっと新しい店だよ」


 よかった。この疲れた体で店長の店には行きたくない……。東側をレオラと歩いているとファブロの店に灯りが灯っているのが目についた。


 幽霊屋敷の報酬の金貨五枚、今回の希少鉱石がたぶん金貨四枚、まとめて渡すにはまだ足りないな、最低でも十枚単位で渡したい……。


「あの店、何かあるの?」

「ええ、今武器を頼んでて……そのためにお金が必要なんです」

「なーるほどね、いくら必要なの?」

「あと金貨六十枚を、一ヶ月以内です」

「え、ぼったくりじゃないの? 私ですら毎月二十枚なのに」


 金貨二千枚の借金してるレオラには言われたくない……。


「大丈夫です。ちゃんと適正価格ですから、ただ一ヶ月後にフォレストへ行くのであまり時間もなくて」

「え? この街でちゃうの?」

「はい、フォレストで仲間と待ち合わせしてるので」

「そのあとは?」

「うーん、フォレストにいる仲間と、いまアクアリウム経由でフォレストを目指している仲間、全員で合流した後決める予定ですが、たぶんヘクセライを目指すと思います」

「ヘクセライかー」


 レオラの顔が少し暗くなってしまった。そういえばレオラはヘクセライの出身だと言っていたな……。


「ヘクセライに何か嫌なことでも?」

「あ、ううん! なんでもない! さ! ギルドに急ごう! お店満席になっちゃうから!」


 話を逸らすなら聞かれたくないんだろうと、それ以上深掘りはしなかった。助けが必要ならレオラから話してくれるだろう。僕らはギルドへと急いだ。

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