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[ 131 ] 決断と別れ

 ファブロさんを回収して洞窟を出ると、既に辺りは真っ暗になっており、ルヴィドさんとミルトへ軽く説明すると、行きと同じ方法で街まで戻ってきた。


「おおー、懐かしいな……わしの店」

「とりあえず今日は解散して明日決めましょうか。シュテルンさん船の出航は何時ですか?」

「船は昼過ぎには出ちゃうから、午前中に決めるしかないね」

「わかりました」


 ギルドへの報告はシュテルンさんとラッセさんに任せて、僕らは軽く夕食を済ますと昨日泊まった宿へと戻った。


「それでロイエ君は、どうしたいんですか?」


 宿に着くなりミルトは速攻で寝てしまい、身支度を終えたルヴィドさんから質問が飛んできた。


「剣の依頼だけして船に乗る予定ですが、また戻ってこないといけないんですよね……」

「向こうで何が起きるかわかりませんからね。最悪戻れない可能性も考慮しておいた方が良いでしょう」


 戻れない可能性か……そうだよな。そうなると、やっぱり武器がないとこの先の戦いは不安だ……。でもアクアリウムには父さんの目撃情報もあるし行きたい……。


「それと、あと二ヶ月ほどでフォレストを出てから一年になりますよね。ハリルベルとの約束もあるので、理想的なのはアクアリウムへ行きアウスさんと会って、陸路でフォレストですが……」

「現在アクアリウムからフォレストは通行止めになってますね。かといって、再度デザントに船で戻ってから陸路でフォレストだと、船便の関係で二ヶ月後にフォレストは厳しいかもしれないね」

「そうですよね。明日アクアリウムへ渡っても次の船が来るまでは一ヶ月かかるので」

「その間に橋が直るのに掛けて、陸路でフォレストを目指すか、ここで武器を受け取ってから陸路でフォレストを目指すかのどちらかですね」


 ルヴィドさんの言う通りだ。ハリルベルとの合流を優先するなら、僕が武器を受け取ってから陸路でフォレストを目指すのが理想的だ。その場合アウスとの密会にはルヴィドさんに行ってもらうしか無い。またはその逆か……。


「ロイエ君、私とミルトがアクアリウムへ渡りますよ。ロイエ君はここでファブロさんから武器を受け取ってから、陸路でフォレストを目指してください」

「やはりそうなりますかね……」

「大丈夫です。アクアリウムでのご両親の捜索もしてきます」

「ありがとうございます。わかりました」


 実際に父さんに会ったという船長にも会ってみたかった。しかし、やはり優先度的にはルヴィドさんの言う通りだ。


「わかりました。ではアクアリウムはお任せします」

「はい。我々はアクアリウムで用事を済ませたら、またこのデザントに戻ってきますので、ギルドで落ち合いましょう」


 今後の方針が固まると、これまでの旅路の感謝と再会を願ってルヴィドと硬く握手をした。


――翌朝


 早朝にファブロさんのお店に集まると、今後の方針について報告を行なった。


「わかった。ロイエは残ってルヴィドとミルトがアクアリウム行きだな。すぐに船の手続きをしよう。二人は俺と港まで来てくれ。そのまま船に乗ろう」

「修行やらなんやら長い間に一緒だったけど、楽しかったわよ! またね!」

「ロイエ君、見送りは良いので剣の発注を進めてください」

「はい!」


 昨日から決まっていたことだが、改めて言われると寂しさが込み上げてくる。二人といた時間は長かったからな……。


「時間があまりないのだろう? 君はわしと剣の仕様について話をしようか」

「はい!」

「俺も手伝うぜ!」


 ルヴィドとミルトが手を振って港に向かうのを見送ると、僕はファブロさん達と剣の仕様について話し合うことにした。


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