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第一話 始動開始

俺は自分のことを天才だと思う。全国模試では全国一位、スポーツの大会にでれば大会新記録、文武両道、素晴らしいなどと考えていると、

「新太郎おっはよう。」

といかにもバカそうな声が聞こえる。はぁ憂鬱だ。

「勝手に人の家に上がり込むな。日奈。」

「べぷにびびゃん。(別にいいじゃん。)」

「良くない。って、お前何勝手に俺ん家で朝食摂ってんだよ。」

今、勝手に人の家で朝食を摂っている朝森日奈は生まれた頃の関係で俺の家の隣に住んでいる。

ちなみに俺は国分寺新太郎だ。俺の家は明治から続く名家でじいちゃんの代までは探偵をしていた。中々の腕で「探偵の巨匠」と呼ばれていた。

そして、じいちゃんは俺に探偵術を教えてくれた。何に使えるか分からないが。

「新太郎。何ぼぉっとしてんの。遅刻するよ。」

「えっ、今何時だ。」

「8時16分だよ。」

「もう遅刻してんじゃねえかよ。よし、急ぐぞ。」

そして俺らは大遅刻をして学校についた。」

「おはよう、国分寺。今日は珍しく遅刻だな。」

と東岸に話しかけられた。

「あぁ、ちょっとな。」

思い出にふけって遅刻したなどと言えるはずもなく言葉を濁した。

「ところで、お前知ってるか。昨日、学校の金庫から2000万円の現金が盗まれたんだってよ。」

「ほう、それはおもしろそうだな。」

俺はその話を聞きながらじいちゃんから習った探偵術が使えるかもしれないとワクワクしていた。

「で、どうやって盗まれたんだ。」

「それが分からないんだよ。痕跡も全く残ってないらしんだ。」

「それだと犯人が絞られるな。校長か、副校長か。いや金庫の鍵を盗んだ教師の線も考えられるな。」

「なんで、そうなるんだ。絶対部外者だろう。」

「いや、よく考えろ。うちの学校にどれだけ防犯カメラがあると思ってんだよ。あれだとほぼ死角はないぞ。それに金庫室にもカメラはあるだろうし。」

「なんでそんなこと知ってんだ。でもだとしたら、犯人は三人の中か。」

「ああ。」

俺は確信したように言う。

「面白くなってきたね。」

そして、俺はある作戦を実行させることにした。

「おい日奈、職員室にこれを仕掛けろ。」

「りょーかーい。」と一言

俺が考えたある作戦とは盗聴器を仕掛けることだ。

                   


次の日の朝俺は録音データを聞いてみることにした。

「教頭先生、あなたがやったんじゃないんですか。」

これは副校長の声か。

「あの日校長先生以外に金庫室に入ったのはあなただけですよね。」

「ち、違いますよ。私は金庫室にある資料を取りにいっただけです。」

と教頭が焦ったように言う。

「では、校長先生がやったというのですか。」

「そうとは言ってませんよ。でも、あの部屋に入ったのは13時ごろでしたから他の先生もいたかと思いますし…。」


「なるほど。」

俺は録音データを聞き終わったいくつかの可能性を考えついた。

「後はあいつに聞き込み結果を報告してもらうだけだな。」


時間が少し経ち7時50分となった。

「新太郎、おっはよう。」

といかにもバカそうな声が聞こえる。

「人の家に勝手に入るな(これ前にも言ったような…。)で、結果報告は。」

「学校から先生達がいなくなってから別に出入りした人を見かけてないって。」

「そうだろうな。」

と俺は最初から分かっていたかのように言う。

「でね、13時頃に学校の火災探知機を取りかえる業者がきたんだって、そして、その業者の人がまだ学校で取りかえ作業してたから、話をきいたんだけどね。金庫室には学校に入ってすぐ案内されたんだって、その時に顔は分からないけど、先生らしき人が何回か入ってきたって言ってたよ。」

「火災探知機か。あの位置だとその先生は防犯カメラに映ってないはずだな。やはり、その時に盗んだか。」

「えっ、でもお金はどうやって運ぶの2000万円だよ。」

「そう、そこだよ。犯人はどうにかして大量の袋を用意する必要があった。それが出来たのは、教頭だ。資料を持ち出すことを口実に袋を使いお金を盗み、隠した。まぁ、このやり方は無理やりで馬鹿丸出しだがな。その後は車にでものせたんだろう。駐車場に防犯カメラはないからな。」

「じゃあ事件は解決って感じかな。」

「まぁそんなところ。真犯人はKだ。」

「あ、そういえば今何時。」

「8時40分だよ。」

「今日も遅刻してんじゃねえかよ。よし行くぞ。」

そして今回も俺は大遅刻をした。

いろんな人に家庭環境を心配されたが問題ないだろう。


その日の放課後、俺は校長室に向かった。

「失礼します。一年の国分寺新太郎です。校長先生に少しようがありまして。」

「入りなさい。」

校長の面倒くさそうな声が聞こえる。

「で、なんだね。私は早く帰りたいのだよ。さっさとしてくれ。」

「分かりました。では早速例の金庫室について提案があります。」

「もう、君たちにまで広まったか。だが生徒に言うことは何もない。さっさと帰りなさい」

と焦ったように言う。

まぁ当然こうなるか…。なら少し圧をかけよう。

「校長先生。では僕が警察に連絡します。こんな大事件で警察が動かないなんておかしいですからね。」

「くっ、分かった、分かった。調べればいいんだろう。」

「宜しくお願いします。今からの方が良いので急ぎましょう。」

その後先生達は嫌々だったが車の鍵を開けてくれた。中には大人なものを隠し持っている先生もいた。そして、残り2、3台くらいの時事件は終焉を迎える。

「次は教頭先生の車の中身を拝見させてもらいます。」

「どうぞ。」

と余裕の笑みを浮かべる。その時だった。

「なんだこれは。」

と校長の声が聞こえる。

「どうかされましたか。」

「教頭先生、あなたにはこの学校から出て行ってもらう。」

と言う校長の手には金庫の鍵と100万円の札束があった。

その後、教頭は罪を認めなかったが、首になった。しかし、逮捕されなかった。これで事件を解決した。

本当にそうだろうか。よく考えて欲しい。だって真犯人はKまたの名を国分寺新太郎というのだから。

真実はこうだ。そもそも、この学校には出所が分からない金があった。それが2000万円だ。恐らく脱税だろう。それに気づいた俺は日奈の協力のもと盗んだ。

防犯カメラに映っていないのは俺がハッキングして同じ映像を流し続けたからだ。俺が防犯カメラの位置を把握しているのはこういうことからだ。指紋もつかないよう細心の注意を払った。事はうまく進み、警察も介入してこなかった。つまり、教頭先生の車に鍵と100万円を入れたのも俺たちだ。そして、もうわかっていると思うが、俺も俺の先祖も探偵またの名を怪盗だ

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