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エルフ娘のぶらり旅    作者: 車・轍
1/11

1話

        

何も変わらない日々に退屈していた。

このエルフ里は、何も変わらない、何百年もかわらない、エルフ里の外の下界では、いくつもの国家興し滅びを繰り返している。


エルフの里は大きな森に囲まれ、外の世界から隔絶しており人もエルフも長い間、交流が無かった。


里の大人に話を聞くたび、下界の世界、人間の生活に興味があった。里から出たことがない私にとって真新しい話でなによりの楽しみであった。


人間の何世代にも渡る時を生きるエルフにとって80歳になると体がほとんど完成されるため成人だとされている。


そんなエルフの里のラミーアは、今年で80歳になり成人になってこの里を出る。


「ラミーア、80歳の誕生日おめでとう父親として、とてもうれしい、娘のお前が生まれてきたときは・・・」


「お父さん泣きすぎよ。」


泣いているお父さんをお母さんが慰めている。


「お父さん、恥ずかしいからやめてよ。」


長々と小さい頃の話をされるのは、恥ずかしいからやめてほしい。


「ラミーア、成人を迎えたら里を出ると話していたがやめるつもりはないのか?なにもわざわざ下界に下りなくても、里の老人達からの話や人間の本を読むだけじゃだめか?」


「お父さん。わたしは自分の目で外を確認したいんです!本だけの話はもう嫌!」


そう私は自分の目で耳で手でその風土を感じたい。


「お父さん前からその話はしてきたじゃないの。いつまでもそうやって引き留めていると娘に嫌われるわよ?」


お父さんはそうお母さんに窘められていた。


何度も同じことを言われるとさすがにうんざりするのでお母さんのいうことに頷きつつお父さんに目線を向けると視線がうつむきがちになっていた。


お父さんにとって今日が最後の私を説得するチャンスだと考えたからだと思う。


お母さんは私が旅に出ることで見識を広めることに賛成してくれた。


少しの間会話をした後私は明日の自分の旅たちに備えて床に就いた。

朝になると私は旅の道具を持って叔父さんの荷馬車に乗せてもらって里の外に出る準備ができ、里の出口では両親が見送りしてくれてお母さんがお守りを持たせてくれた。


お守りは若葉の色をした明るい緑の石で出来ている首飾りでその首飾りや荷馬車からの景色を眺めながら揺られていると荷馬車が止まり、叔父さんが私に声をかけてきて野営する準備を始めることにした。


「ラミーアちゃん枝を集めてきてくれてありがとうね。」


「大丈夫よ!おじさん。荷馬車に乗せてもらっているのだからそれに毎日枝を集めるのも私の仕事でしたから。」


荷馬車の入り口の前に野生の動物が寄ってこないように火を焚きそれぞれ入れ替わりに起きては火が尽きないように火の当番をしながら荷馬車の空いている空間に寝ることになった。


エルフの里がある森を抜けるには2,3日かかるため何度か森の中で寝泊まりすることになるため森を抜けるのに時間がかかったが無事抜けることが出来た。


叔父さんはそのまま里に帰るので私は見送った。


このまま太陽が沈む方向に歩いていけば村が見えてくるはず!




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