【初編】第3部~慣れはじめたお見合いパーティー 第1章~お見合いパーティーのサクラを見分けろ
お見合いパーティーというビジネスが徐々に浸透していったのは、1987年~1994年迄の約7年間にわたってフジテレビで放映していた“ねるとん紅鯨団”という恋愛バラエティー番組が流行っていたからでした。
その番組で、見事にお相手を射止める事は、若い男女にとっては夢と憧れでもありました。
なので、次は我こそはと思う若者で多くの出演希望がありました。
ただ、番組に出る為には、当時原宿と軽井沢にあった“ねるとんショップ”に応募葉書を郵送するか、お店の入り口付近に設置されていた応募箱の中に申込書を入れに行かなければなりませんでした。
その中から、抽選で出演者が決められるのですが、申し込みが殺到していたので滅多に当たる事はありませんでした。
うちら3人も、出会いを求めて何度かねるとんに応募したのですが、全て落選に終わりました。
抽選から漏れると、その中の何十人かが番組の観覧席に招待されるのですが、それには3人共当たったのでラッキーでした。
ねるとん紅鯨団の放送自体は30分番組なのですが、1回の収録は3時間前後で1日に2本~3本録りでした。
収録に時間が掛かるのは、けっこう長めの前説があるのと、ゲストから面白い話を引き出すのに司会者があれこれと話題を変えて視聴者が笑えそうな事柄を探っているからです。
笑いが取れると、所々で出演者のVTRが流されるのですが、視聴者向けのものよりは若干長い構成になっていました。
番組では、司会者とゲストで盛り上がった話や、出演者のご対面から告白タイム迄の経緯を面白おかしく編集して放送していました。
ねるとんがブームだった頃に、あるテレビのコメンテーターがこんな事を言ってました。
それは、ねるとんに出られない人の為にも、気軽に参加出来る出会いの場はないものか?
という意見があったのです。
それには、多くの若者達が共感しました。
それにヒントを得たイベント会社が、それならばとお見合いパーティーの開催を始めたのだと思います。
当時は、そのような商売を“ねるとん商法”と呼んでいました。
ただ、男女の出会いについては、テレビ番組では大人気だったものの、実際にお見合いパーティーに参加していたのは男性ばかりでした。
女性の反応が薄かった理由は、恋愛バラエティーとして見るのは好きだけど、自らが参加するのには抵抗があったようです。
それと、当時の若者の親世代の多くは、上司や大家さんからの紹介でお見合い結婚をしていたからだと思われます。
お見合い結婚が盛んだった当時は、とにかく真面目で正直者の若者であれば、お世話焼きの年配者が縁談を取り纏めてくれたものでした。
しかし、時代は変わって、お見合い結婚から自由恋愛に変わると弱肉強食(恋愛強者)の時代に突入してしまいます。
それを、望む望まないに関わらず、男女の恋愛は“表面上だけ”欧米の文化に取って代わったのです。
欧米では、毎週のようにパーティーに行ったりバーベキューをしたりして、人と触れ合う機会が多いので、自然とコミュニケーション能力が磨かれていきます。
あとは、特定のお相手が出来る迄は複数の異性と付き合うのが一般的です。
それと、意外と知られていないのが、欧米では告白するという文化がなかったりします。
ただ、日本の恋愛文化においては、現在でも交際するには告白するのが大多数だし、真面目で正直者であれば報われると考える若者も一定数おられると思います。
前述のねるとん商法は、いつの間にか“出会い系”という言葉に取って代わり、それで儲ける業者も多くなりました。
いつの時代も、出会い系がある事は喜ばしいと思いますが、結果が出ないと意味がありません。
とはいえ、結婚相談所においても“成功を保証するものではなくサービスを提供するもの”とあるので、結局は自分の足で歩いていかなければならないのです。
それでも、個人の能力では限界があるので、各種サポートは必要だと思います。
そのためには、日本人には定着していない欧米の恋愛文化を受け入れ、地域ぐるみで毎週のように出会いの場を設けていけばいいと思います。
それと、若者が集まりやすい環境を整えて、複数の異性と同時に(同時期に)交際するのが主流にならないと、本当の意味での自由恋愛ではないのかも知れません。
何故なら、欧米の恋愛文化では、その中で気が合う異性と結婚するのが定番だからです。(事実婚も多いですが)
しかし、日本人特有の告白する(告白される)という文化を受け入れると、複数の異性と同時に交際するという事は“悪い事”になってしまいます。
それと、告白をした以上(告白を受け入れた以上)は、その人を好きでいなければならないという感覚に包まれる事でしょう。
そんな訳で、日本における恋愛文化は、日本人に合っているか否かよりも流行りによるもの、または前例主義による承継だったと思われます。
自由恋愛が主流になると、かつての真面目で正直者の若者であっても、縁談が持ち上がる事が極端に少なくなっていきました。
それで、適齢期になった時に思い知るのです。
結婚がしたいのならば自分で動くしかない!
それを、頭では分かっていても、すぐに行動に移せない人にとっては、自己嫌悪に陥ってしまう事もあるでしょう。
誰だって、棚ぼた式で結婚が出来たら苦労しません。(それも理想のお相手と)
面倒な事は親世代の人達がレールを敷いてくれればこんな苦労はしなかったのに!
と、嘆くかも知れません。
しかし、日本人特有の自由恋愛が何世代も前から続いている以上、誰であろうとその枠からはみ出す事は出来ないのです。
前置きが長くなりましたが、そろそろ本題に戻ります。
うちら3人は、結婚までは考えていなかったものの、“そろそろ彼女を見つけないとヤバい”という思いは少なからず感じていました。
お見合いパーティーの宣伝は、ある旅行雑誌に掲載されていたのですが、それを見始めた時は1~2ページといった感じでした。
一部の新聞にも広告が出ていましたが、あまり目立たないものでした。
転機になったのは、ねるとん紅鯨団という恋愛バラエティー番組が終わった頃でした。
恋愛バラエティー番組ロスになると、その穴を埋めるようにテレビや雑誌でお見合いパーティーを取り上げるようになりました。(ロス→失う事)
若手の雑誌記者がお見合いパーティーの実態を掴む為、参加者として潜入して体験記を掲載すると、世間での反応は上々でした。
ただ、職務上カップルになれないという縛りがあった為、真剣に交際を申し込まれた時には葛藤したという記載もありました。
男女比の関係で、潜入する雑誌記者は若い女性が多かったようです。
その時に、女性記者が受けた生々しいアプローチやドタバタ劇が興味深かったので、読者の心を掴んで大きく部数が伸びた事がありました。(個人的には男性記者に潜入させて記事を書いて欲しいと思っていました)
“これは視聴率か取れる”と思って、調子に乗ったテレビクルーが、アポなしでお見合いパーティー会場に乱入した時は手酷く追い返された事もありましたが、世間では嘲笑されるだけでそれ程問題にはなりませんでした。(アポなし→事前に訪問する約束がない事)
この時の体当たり取材の甲斐もあって、マスコミではお見合いパーティーでの華々しい出来事や裏話について特集が組まれるようになりました。
すると、新規参入のパーティー会社も徐々に増えてきて、宣伝のページも倍以上になりました。
それに伴い、お見合いパーティーが開催される地域もどんどんと広がってきたので、山手線沿線迄出向かなくても参加出来るようになりました。
ある若者向けの週刊誌では、お見合いパーティーの裏話を頻繁に掲載していました。
世間では、“どうせこんな記事はガセだろう”と鼻で笑われていましたが、実君はその雑誌を好んで読んでいました。
次に3人で行ったお見合いパーティーは、渋谷駅から徒歩5分位の所にあるビルの3階でした。
会場に入るなり、奥の方から賑やかな声が聞こえてきました。
不安げに会場内を見渡すと、週末の渋谷だけあってかなりの人数でした。
男性は1人参加が多くて、女性は2~3人のグループが多い感じでした。
その中で、男性の3人組はうちらだけでした。
最初は緊張したお見合いパーティーも、6回目を迎えるとそこそこ慣れてきました。
お見合いパーティーの難しいところは、流れが読めない事だと思います。
結局のところ、好意を持つ者同士が思うようにくっつけないというのがあると思います。
意中のお相手が他の男性と話し中、または、時間を繋ぐために他の女性と話していると、なかなかベストなタイミングが巡って来ないのです。
なので、皆さんの話が早めに終わりがちなフリータイム終了間際に、最後の望みを賭けて話し掛けてくる方がいるのです。
しかし、その頃には大概意中のお相手が決まっていて、せっかくの機会が無駄足になる事もあります。
やはり、フリータイムを制すには、好意を持ってくれたお相手を離さない事がセオリーです。(時間制限は守りますが)
その為には、仲間との連携は欠かせませんが、フォロー役に回ってしまうと自分の縁は二の次になってしまうのは否めませんでした。
ぼくと誠司君は、待合い席に座っている何人もの女性を、番号札を見ながら入念にチェックしていきました。
誠司「今日は4番と5番がいいと思うよ」
剛史「ぼくは10番がいいな」
誠司「ところでさ、実君は何番が好みなん?」
実「それよりさ、前以て聞いて欲しい事があるんだけどさ」
誠司「何だよ、勿体つけるなよ」
そこで、実君が冷静な口調でこう言ったのです。
実「どうせ、女性の中にはサクラが含まれているんだろ」
それを聞いた時、ぼくは“ドキッ”っとしました。
そういえば、お見合いパーティーの特集をしていた週刊誌にもそんな事が書いてあったよな…。
忘れていた訳ではないのですが、サクラとして雇われている人がどれ位いるのかは見当もつきませんでした。
誠司「サクラか…、男女比を考えると居てもおかしくないよな」
剛史「確かにね、男の参加料が5000円位だから、サクラを1人3000円で雇っても儲けは出るからね」
実「いやいや、実際はもっと高いと思うけどな」
誠司「そうなると、サクラ対策もしなきゃダメだよな…」
剛史「でもさ、怪しいと思えば皆が怪しく見えるよね」
実「それを見分けんのが今この時なんじゃないかよ!」
誠司「確かにな…」
その時、ぼくはこう思っていました。
お見合いパーティーに紛れ込んだサクラさえ見抜ければ、かなり優位な立場になれると…。
そう思った瞬間、ぼくの前頭部から後頭部にかけて強めの霊感が“ズ-ン”と入ってきました。
“パーティー会場にギリギリに来た5人のケバい女はサクラだ!”(ケバい→化粧が濃い)
………と。
そういえば、受付けの右側にいた色黒の男性が、気を揉みながら電話をしていたな…。
「なあ、おい、今日はそっちに何人スタンバってんの?」(スタンバる→用意している)
「あっ、そう、それじゃ女の子5人追加で!」
「ふ~ん、そんでどんくらいで来られんの?」
「マジかよ!まあ、15分位なら開始を遅らせれば何とかなるか…」
「けど、なるべく早くこっちによこして」(電話口の会話は想像してお読み下さい)
こんな感じで、イライラしながら早口で話していたような…。
その会話に、他の参加者は気にも留めていなかったけど、明らかに怪しい様子だったんだよな…。
確か、あの電話の15分後に5人の女性がドカドカっと入って来たんだよな…。
てことは、この会場から比較的近くに待機してたって事かな?
それにしても、こんなにも一気に女性が来るのは明らかに怪しい…。
よし!あの5人は恋愛対象から外そう!
その事を誠司君と実君にも急いで報告だ!
そうは思ったものの、2人がぼくの話を真面に聞いてくれるかどうかは未知数でした。
しかし、“3分後にパーティーを開始する”という司会者からの案内があったので、迷っている暇はありませんでした。
そこで、さっきまで受付けの男性が怪しげな電話をしていた事を2人に伝えました。
すると、2人はすんなりとぼくの話に耳を傾けてくれました。
先程、実君からサクラの話を聞かされていたので、日頃から疑り深い誠司君も至って冷静に判断してくれました。
誠司「そう言われてみると何かおかしいよな…」
実「確かにな…、今までのパターンだと遅れて来るのは男だったよな」
誠司「それに、妙に服装が派手だしな」
実「あの化粧も素人じゃないよ」
剛史「それと、受付けの男性が言っていた到着時間と寸分違わず来たのがあの5人だよ」
実「それじゃあ、遅れて来た5人はサクラで確定だな!」
誠司「そうと決まれば、あの女達とは関わらないだけだな!」
2人共、遅れて来た5人の女性が不自然なのには納得した感じでした。
それが、証拠に彼女らが加わったお陰で、ちょうど男女のバランスとれたところでした。
ぼくは、あの5人の他にも、サクラらしき女性が潜んでいないか霊感を使って探してみました。
しかし、会場内を隅々まで見回してみたものの、これ以上の事は分かりませんでした。
さて、これから先に見分けるサクラは、所謂“仕込みのサクラ”ってやつか…、
そんなの、どうやって見分けたらいいのやら…。
あれから、ぼくの霊感が働かないのは、もういないって事なのかな…?
それならそれでいいんだけど…。
とりあえずは、まもなく始まるお見合いパーティーに備える事にしました。
パーティーの開始前は、緊迫した空気に包まれているので、ほとんどの方が押し黙っていました。
待機時間に緊張状態がずっと続くと、額と鼻の頭に脂汗が滲み出てきます。
脂汗による顔のテカリを、多くの男性はそのままにいましたが、ほとんどの女性はハンドタオルやあぶらとり紙でマメに拭き取っていました。
そんな中、ぼくの向こう正面で、何やら楽しそうにお喋りしている2人組の女性がいました。
ぼくとは、距離にして5mは離れていたと思います。
その距離から見ても、2人はモデルの様に美しい女性でした。
彼女らの魅力的なスタイルと、愛らしい笑顔を見せ付けられた男性陣は、すぐにでも胸がグッと熱くなった事でしょう。
男性陣の多くは、遠くから覗き込むとうにして彼女らをチェックしていました。
そして、2人の番号札に書かれている数字を見定めると、プロフィールシートの余白に取り急ぎメモを取っていました。
この直後、待ちに待ったお見合い回転寿司がスタートしました。
うちら3人は、遅れて来た5人の女性の話を極力聞かないようにしていました。
それは、サクラである事が分かっていたのと、無駄な時間を使いたくなかったからでした。
お見合い回転寿司では、5人の女性は連番で並んでいました。
うちら3人は、“どうせこの5人はやる気がないんだろう”と思っていました。
しかし、見た目とは違って、話してみると意外にも普通な感じでした。
ただ、どう考えてもサクラだと連想させる事柄もありました。
それは、名字を語らず名前だけを言うのです。
芸能人やホステスでもない限り、お見合いパーティーに来て名前だけしか教えてくれないのには違和感しかありませんでした。
それを、可愛いと言う男性もいましたが、ただ単に自分の正体がバレたくなかったからでしょう。
因みに、5人の女性は、らん、るな、じゅり、ゆず、しおん、と名乗っていました。
彼女らに、“漢字では何て書くの?”と尋ねても返答は全て同じでした。
「私の名前は平仮名なの~」(若しくはカタカナ)
と、言って強引に話を切り上げようとしてくるのです。
それはそうとして、うちら3人は当初からあの5人をサクラだと思っていたので、プロフィールシートには名前と番号しか書き込みませんでした。
それよりも、ぼくが気になっていたのは、モデルのように美しい女性2人組の事でした。
彼女らは、お見合い回転寿司の時に5人の女性とは反対側にいたので、なかなかぼくの番にはなりませんでした。
ぼく以外の男性も、反対側にいる彼女らに気を取られていて、目の前にいる女性とは上の空で話していました。
そこで、ぼくはこう思い直す事にしました。
今は目の前にいる女性との話に集中しよう!
その為には、なるべく後ろ側を振り返らないようにしていました。
ただ、他の男性達は美女2人から目を離せずにいました。
そうこうしていると、やっと彼女らと話せる番が回ってきました。
モデルの様に美しい女性の1人は、田辺麗子さんという方でした。(以下、麗子さん)
ぼくは、彼女の美しさを大袈裟に表現しました。
本当に、彼氏がいないのかどうか確認したくなるくらいでした。
ただ、彼女の雰囲気に呑まれてしまって、うまくお話しが出来ませんでした。
もう1人の美しい女性は、沢田彩歌さんという方でした。(以下、彩歌さん)
ぼくは、さっきより落ち着きを取り戻したので、今度ばかりはいろいろと聞く事にしました。
彼女らは、高校時代からの親友で、実際に某飲料メーカーのモデルとして活動していた時期があったそうです。
しかし、モデル業は23歳迄という年齢制限があった為、それ以降は細々と一般事務のアルバイトをしているとの事でした。
彩歌さんは、24歳以上でモデル業を続けている女性は雲の上の存在だと力説していました。
彼女らの美貌は、女性陣の中でもあまりにも抜きに出ていた為、フリータイムの時には男性陣の6割が殺到しました。
その為、麗子さんと彩歌さんの近くだけは渋滞が発生していました。
そこで、会場係の方はより多くの男性が話せるように、1人(1グループ)につき3分間の時間制限を設けました。
それでも、2人の美女と話せた男性は数人しかいなかったと思います。
ちなみに当日の会費は、男性5000円、女性1000円でした。
男性にとっては、5000円も払ったからにはタダでは帰れない!という気負いがあったのでしょう。
この時、会場内にいた多くの男性は、最高レベルの女性しか狙っていませんでした。
例え、フリータイムで3分しか話せなくても、少ない可能性に賭けてやる!
という、熱い思いを秘めた男性達で彼女らの前は長蛇の列になっていました。
その列の中には誠司君もいました。
麗子さんと彩歌さんのモデルの様な体型はもとより、時折り見せる可愛らしい笑顔とハイトーンボイスが男性達を虜にしていました。
ぼくは、そんな2人を目を細くして見ていました。
すると、ぼくの霊感が数秒間だけ働いて会場内が無音になったのです。
それを何て表現したらいいのだろう…。
ぼくからは、美女2人の周辺が紫色とピンク色が混ざったような怪しい色に見えてきました。
それが、妖艶にも禍々しいオーラを放っているようにも見えたのです。
ぼくは、麗子さんと彩歌さんの存在に、段々と違和感を覚えるようになりました。
この気持ちは何なんだろう…?
そう思いながらも、誠司君の後ろの列に並んでみました。
そこで、彼女らの動きを冷静に細部にわたって見る事にしました。
そして、暫くしてから、
この2人の女性はサクラだ!
と、気付いたのです。
それと、会場にいるほとんどの参加者は、お互いの印象等を熱心にプロフィールシートに書き込んでいるのに対して、彼女らは聞き上手で会話の返しが絶妙なのですが、話しているだけで全くメモを取らないのです。
そこで、多くの男性は話が終わる直前に、自分の番号を伝えてから去っていくのです。
彼女らは、多くの男性から盛んに話し掛けられていたので、その事に嫌悪感を抱いている人はいませんでしたが、ここにもやる気のなさが見え隠れしていました。
極めつきは、受付けに座っていた男性と同じ物を持っていたからです…。
それを見た瞬間、ぼくはこの2人がサクラだと確信したのです。