第7部、第5章~夢の最後とその後~ ~続編終了~
ジジッ、ザザザザー
ここでまた場面が変わりましたが、ここからは日付が近いからなのか鮮明に見えました。
靖子さんが、意気消沈した絵美佳さんに、気を取り直すように何度も慰めていました。
「このままじゃダメだって!私だって辛いんだから」
「そうね…、でも何かいい出会いってある訳?」
そこで、靖子さんは閃きました。
読んでいた旅行雑誌の後ろの方に、お見合いパーティーの広告が載っていたのを思い出し、そこで新たな出会いがあるんじゃないかと考え始めました。
広告を食い入るように見ると、女性の参加費が1000円で若者向けのお見合いパーティーの開催がありました。
そのお見合いパーティーに絵美佳さんを誘うと、最初は行くのを渋っていました。
ですが、絵美佳さんはこのまま悶々としているだけではいけないと思ったようで、最終的にはOKしてきました。
それで、雑誌に載っていたお見合いパーティーに、2人で行く事にしたのです。
パーティー当日は、着飾った2人の姿ありました。
お見合いパーティーは2人共初めてなのか、お見合い回転寿司が終わるとフリータイムでは椅子に座ったまま動こうとはしませんでした。
男性との会話に慣れていないのか、すぐにネタ切れになって、沈黙が続きました。
なので、2人に話し掛けた男性も、すぐに他の女性の方に行ってしまいました。
靖子「ねえ、絵美佳~」
絵美佳「何、どうしたの?」
靖子「もしかして、恭一君から貰った香水まだ持ってるの?」
絵美佳「うん、あるよ…」
靖子「ダメだよ~、そんなんじゃ」
絵美佳「でもさぁ…」
靖子「早く捨てて忘れないと!こっちに渡して!」
絵美佳さんは、ショルダーバッグの中から、渋々赤いハート型の香水を取り出すと、靖子さんが、
靖子「これは私が預かっといてあげる」
そう言って、香水を手に取ったその時に、2人組の男性が彼女達に声を掛けてきました。
ふとして靖子さんは、無意識に椅子の後ろにある棚板に香水を置きました。
今度ばかりは、2人共頑張ったので、男性との会話を冗談交じりに言う事も出来て、フリータイム前半戦の最後まで楽しい時間を過ごしました。
靖子「何だ、パーティーに出てみれば出会いはあるじゃない」
絵美佳「ただ、恭一君みたいな私のど真ん中のタイプの人に出会えるかは難しいけどね…」
靖子「ねえ、絵美佳~、今の左側の男性なんてどうかしら?」
絵美佳「悪くはないけど、タイプじゃないわ…」
靖子「じゃあ、この会場内で話してみたい男の人っている?」
絵美佳「うーん、でもまだ恭一君の影を引きずっているのよね…」
靖子「しっかりしてよ!暗い顔をしていたら誰も寄って来ないじゃない」
2人のいろいろな思想が入り混じってはいたものの、後半のフリータイムはまずまずに残り時間が僅かになってきました。
絵美佳「まあ、今日はこんなものね」
靖子「そうね、次はもっと頑張りましょうね」
手応えが無かったので、お互いにパーティーの感想を話し合っていました。
すると、2人に真っ直ぐ近付いて来る1人の男性がいました。
何と!その人は、誠司君でした。
そして、靖子さんの椅子の下に落ちていた香水を徐に拾い上げて、
誠司「ねえ、椅子の下に落ちていたけど君の香水?」
と、聞いてきました。
棚板に置いた香水が不安定な状態だったのか、いつの間にか靖子さんの椅子の下に落ちていたのです。
床が絨毯だったのも、香水が落ちた事に気付かない要因でした。
靖子さんは咄嗟に、
靖子「いいえ、それは私の物ではないです」
と、言うと、誠司君は、
誠司「そう、じゃあ運営に届けますね」
と言って、香水を上着のポケットに入れて向こうに行ってしまいました。
絵美佳「あっ、それは…」
そう言って、絵美佳さんが立ち上がりましたが、靖子さんがそれを阻止しました。
靖子「いい?もう忘れるのよ、分かった?」
絵美佳「う、うん…」
絵美佳さんは、持ち去られた香水に未練があったものの、取り返すのは諦めるしかありませんでした。
ただ、その逆恨みは完全に消えた訳ではなく、怖い顔をして誠司君を睨んでいました。
その後、誠司君は運営に香水を届けるのを忘れて、パーティーが終わるとそのまま帰ってしまったのです。
帰り道で誠司君が上着のポケットを探った時に、赤いハート型の香水がある事に気付きました。
それを、反省会と称した飲み会の帰りに、処分に困ってぼくにくれたという事でした。
確か、この時のパーティーでは3人共カップルになれずにショックを受けていたので、いろいろと忘れていた事があったのです。
「ピピピピ、ピピピピ、ピピピピッ!」
目覚まし時計の音が鳴り響きました。
この日はとても寝起きの悪い朝でした。
「う~ん、あの赤いハート型の香水には、過去にあんな思い出があったなんて…」
「それも、絵美佳さんとは実際に池袋のパーティーで会っていたなんて…」
そう思うと、今まで恐怖でしかなかった絵美佳さんが、段々と不憫に思えてきました。
身体に付いた香水の残り香がすっかり消えると、その後は新宿の雑居ビルと絵美佳さんに関する夢は見なくなりました。
ただ、最後に見た夢は、今までにない衝撃的な内容でした。
いつもの男3人で、最初に彼女が出来たのは誠司君で、ぼくと実君はまだ先の話になります。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。
きつねあるき
前書きにあった、予知夢を見る前の肩か背中に現れる手の形をした赤黒いアザは、実際に手を重ねてみると人の指と指の間隔とピッタリ合うので、薄気味悪いものでした。
それが現れる時は、電流が流れたような痛みを感じるのですぐに分かります。
自分は前々からこういう事があったり、それを人に話して嘘つきだと非難され、嫌な思いもそれなりにしました。
しかし、自己満足で小説として出す分にはいいんじゃないか?と、最近思った次第です。
書き終わったところで、何でこんな事が?とか、何で霊感が使えるのか?とか、いろいろと思われるかもしれません。
あなたがお見合いパーティーに出たと仮定して、連戦連敗していた時にサクラを見分けられる霊感があったらどうするでしょうか?
それで、パーティーに仲間と一緒に参加していたら連携するでしょうか?
それとも、単独で使うでしょうか?
それで、楽勝になるのでしょうか?
それとも、全く変わらないのでしょうか?
小説の中で考えると、そもそも男性3人の容姿が変わる訳ではないので、そんなには変わらないんじゃないだろうか?と、思いますね。
ただ、そんな霊感があったら、結局のところ乱発してしまうと思うんですよね。
霊感をそんなところにピンポイントで使うとは!と思われるかもしれません。
寝る前に、痛みを伴う謎の赤黒いアザが出るという事は、やはりそういう使い方がよろしくなかったという事なのでしょう。
続編についてですが、前編より数年後の事になります。
前編では夢の部分が少ないですが、続編ではかなりの部分を占めています。
霊感の部分は、現実から夢の中へと潜っていきます。
前編とは大分展開が変わったと思います。
途切れ途切れの夢で、あのジジッ、ザザザザーって音なんですが、あれは本当に頭が痛くなるんですよ。
特に、ザザザザーって部分が不快でけっこう長く続いていた時もありました。
そのせいで、けっこう寝起きで脂汗をかきました。
恋愛は、縁を切りたい恋人やご自分の親友までも貶めて、当人だけが幸せになるのを厭わないと成立しないものなのだろうか?
周りの人皆から祝福されるような恋愛でも、当人の周りの環境は少なからず変わりますよね。
それを由としない周りの人もいる訳ですが、最終的には当人にとって敵と味方が分かる訳で、味方との交流を深めていけばいいだけの話かもしれません。
恋愛または結婚に勝ち負けはないという人もいますが、皆さんはどうお考えでしょうか?
それは、恋人探しをすれば、それなりに思う事はあると思います。
最後に、皆様にとってより良い人と巡り会い、一日でも長く続くよう願いつつ、この辺で終わりたいと思います。




