愚者の贈り物
クリマスまえのさむいあるひ。
まゆちゃんは、ようちえんで さんたさんにおてがみをかきました。
「さんたさんへ。
びょうきがひろがるまえのような、ふつうのまいにちをください」
まゆちゃんは、いまのまいにちがイヤでイヤでたまりませんでした。
なつはあついのにマスクをして、ふゆはさむいのにてあらいをしないといけなくなり、たのしみにしていた おまつりもなくなってしまったからです。
たのしいことはぜんぶなくなって、もうイヤことしかもうのこっていません。
もう、こんなまいにちはもうたくさんです。
だから、まゆちゃんは、さんたさんにじぶんのほんとうにほしいものをおねがいしました。
――ふつうのまいにちをかえしてほしいな、と。
”
そして、クリスマスの日……。
さんたから、まゆちゃんにとどいたのは、マスクや てをあらうためのハンドソープ、そして、かぞくみんなであそべ、おとなもたのしめるおもちゃでした。
まゆちゃんはぷれぜんとをみて思いました。
わたしたちもたいへんだけど、びょういんのひとたちはもっとたいへんなんだから、
じぶんたちもがんばって、てをあらったり、ますくをしたり、かぞくみんなでいえにいて、
みんなでびょうきをひろめないようしたら、びょうきもおわって、さんたさんからじぶんがほしがったものがとどくのね、と。