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第6話 西の森

 さて、村を出られたわけだが、まさか追い出されて旅へ出発なんて形になるとは思わなかったなあ。

 三年前に魔法使いになって世界を旅するっていう夢を志したときは、魔法使いとしての実力を村のみんなに認めてもらって、歓声を浴びながら旅へ出るっていうシチュエーションを思い描いてたんだけど……。

 まあ世の中そう思い通りにはいかないって事か。


「でも、これからどうするかな……」


 お金もほとんどないし、宿もない。村の外のことだって本で読んだこと以外ほとんど知らない。

 あまりに急に冒険に出かけることになったもんだから当然だが、よろしくない状況ではある。

 だけど、悩んでいても仕方がない。もう前へ進むしかないんだ。


 とりあえず近くの町を目指すとするか。

 確か西の森を抜けたところにエルムの町っていう町があるんだったかな。エルムの町にはイノシシ肉を使った美味しいシチュー屋があるって聞いたことあるし、それを目当てに行ってみるとしよう。


 俺は西の森へと向かった。





 十分程歩き、俺は西の森へ入った。

 西の森にはゴブリンが出ると聞いたことがあるので、一応警戒しつつ進む。

 まあ別に出てきたところで普通に倒せると思うけど。


 しかしまあ、森って初めて入ったけど、まだ昼過ぎなのに薄暗くて少し不気味だなあ。

 そんなに広い森でもないし、早く抜けてしまいたいものだ。

 俺は時折辺りを見回しつつ足早に進んでいく。

 半分くらいは進んだかなと思ったその時だった。


「うおっ!!」


 ガサガサッと茂みが揺れたかと思うと、そこからいきなり馬が二頭飛び出してきた。馬は俺には目もくれず、物凄い速さで走り去っていった。ビビったー。心臓に悪いよもう。


「な、なんだったんだ……?」


 バクバクする心臓を押さえながらそうポツリと呟くと。


「うわああああ!! 助けてくれえええ!!」


 少し離れたところから男の叫び声が聞こえた。

 なんだなんだ? 声は馬が来た方角からだな。とりあえず様子を見に行ってみるか。



 茂みの奥の方に進むと、三人の商人たちがゴブリンの集団に襲われていた。

 商人たちの近くには馬車があり、おそらくゴブリンたちはその積み荷を狙っているようだ。

 あー、なるほど。さっきの馬二頭はゴブリンが現れてびっくりして勝手に逃げ出したんだな。それで足を失った商人たちは万事休すって感じか。


「そ、そこの少年!! 頼む! 手を貸してくれ!!」


 俺に気付いた商人の一人が助けを求めてきた。かなり切羽詰まってるようだ。まあ見捨てる訳にもいかんし、加勢するかな。

 モンスターと戦うのは初めてだけど、モンスターってやつのお手並みを拝見するとしよう。

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