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第21話 アリアの魔法

 呪いの森はリフ村から十分ほど歩いた位置にあり、すぐに辿り着くことができた。

 俺とアリアは早速中に入り、奥へと進んでいる。

 とりあえず俺の身に何か不幸が起こる前にミミちゃんを見つけ出したいものだ。


「アリアどう? ミミちゃんらしき魔力は感じるか?」


「はい、確かに感じます。魔力の感じ方的には、たぶんそこまで奥の方へは入り込んでないと思います」


「そうか。まあ子供の足じゃあんまり奥の方へは進めそうにないしな。よし、アンデッドに気を付けつつ、じゃんじゃん進もう」





 その後五分くらい歩いたところで、アリアがピタリと足を止めた。


「ん? どうしたアリア、急に止まって。ミミちゃんでも見つけた?」


「い、いえ。何かが近くで動いた気がして……」


「えっ」


 突然怖いことを言い出すアリア。やめてくれよ。心臓に悪いじゃないか。


「多分気のせいだと思うんですけ……」


 アリアが途中でしゃべるのをやめた。

 そしてアリアはある一点を見つめて固まっている。

 なんだ? 俺はアリアの視線の先に目をやった。



 二十体近くのゾンビが俺たちを見つめていた。


「キャーーーーーーーー!!」


 俺は女の子のような悲鳴を上げてしまった。人生で一番ビビったかもしれない。

 対してアリアは動きを止めはしているものの、俺ほどビビってはいないようだ。

 なんか俺、いろいろ情けなさすぎるな。とほほ……。


 ゾンビは俺の声に反応したのか、腐敗した身体をくねらせながら一斉に近づいてきた。

 うおお、気持ち悪い。



-----------------------------------

【名前】フォレストゾンビ

【年齢】???

【種族】アンデッド

【性別】男

【魔力】0

【攻撃力】900

【防御力】870

【魔法攻撃力】0

【魔法防御力】500

【敏捷性】200

-------------------------------------


 ステータスリングのおかげでゾンビのステータスが見えた。

 お? なんか怖い見た目の割にはあんまり強くないな。ビビっててもしょうがないし、とっとと倒してしまおう。

 俺が魔法を放とうとした時だった。


「ノエルさん待って下さい! ここは私に任せてください!」


 アリアが俺の前に出て、魔法の構えに入った。


「いきます! 『ホーリーアロー』!!」


 アリアがそう唱えると、複数の光の矢が高速で放たれ、フォレストゾンビたちを一掃してしまった。

 うおお、凄いな。これは光魔法じゃないか。

 光魔法は覚えるのにセンスがかなり必要って聞くけど、アリアはいとも簡単に使ったなあ。光魔法が得意なんだろうか。

 そうか。アンデッドの弱点である光魔法が得意だから、相性がいいって言ってたのか。


「やるじゃんかアリア。光魔法が使えるなんてびっくりだよ」


「えへへ。私のお母さんが光魔法が得意で、小さいころから真似してたら私も得意になっちゃいました」


 真似してたらって。そんなに簡単なもんじゃないはずなんだがなあ。

 俺、まだ光魔法は覚えてないし、今度コツを聞いてみよう。


「あっ! ノエルさん後ろ!」


「おっと!!」


 振り向くと後ろからフォレストゾンビが三体飛び掛かってくるところだった。


「この……! 『フレイムランス』!!」


 俺は咄嗟に炎の槍を放つ魔法『フレイムランス』を唱えた。

 炎の槍は見事にフォレストゾンビ三体を貫き、葬り去った。


「あー、びっくりした」


「ノエルさんもやっぱり凄いですよ。アンデッド系のモンスターって光属性の魔法以外の魔法はそんなに効かないのに、一撃で倒しちゃうなんて。それも三体も同時に」


「そ、そうか? 嬉しいこと言ってくれるなあアリアは」


 なんかアンデッドもあんまり怖く感じなくなってきたな。

 なんかもうすぐにミミちゃんも見つかって、何事もなく帰れそうな気がしてきたよ。


「よし、じゃあ先へ進もう」


「はいっ!」



 俺たちはその後も現れるゾンビやゴーストたちを見事な連携で倒し、順調に森の奥へと進んでいった。

 十五分程進んだところでアリアが口を開いた。


「ノエルさん、かなりミミちゃんの魔力が強く感じられるようになってきました。すぐ近くにいると思います」


 おお、それはいい知らせだ。さっさと見つけて連れて帰ろう。


「よし、じゃあ名前でも呼んでみるか。聞こえたら出てくるかもしれないし」


 そう俺が提案した時だった。


「キャーーーー!!」


 女の子の叫び声が響き渡った。


「まさか……ミミちゃんの声か!?」


「大変です! モンスターに襲われているのかも!!」


「行くぞ!!」


 俺たちは声のした方にダッシュで向かった。

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