間違えていた思い、僕の本音
これは僕の抱えていたトラウマの一つです。
一見幸せな家庭に見えても、子供は違った視点で見ているものです。
機能不全家族と言う言葉もありますが、あなたにも当て嵌まる事柄が在るのではありませんか?
み空さんとの勉強会、AAの回復の為のステップとして、棚卸しと言う作業がある。
商品管理などを行っている人には馴染みな言葉かと思われるが、平たく言うと、現在の在庫を洗い出し、経営状態を把握する為の作業だ。
これを人生に当てはめると、自分の抱えている悩みやトラウマ、思いなどを表に書き出して行くという事になる。
僕の人生の大きな出来事の一つに、両親の離婚がある。兄弟4人を抱えた母は苦労しまくったと思う。
母方の祖母や親戚も、お父さんをロクデナシと言い蔭口を叩く。不貞の末に僕らを捨てて二度と姿を見せなかった父を恨んでいた…
だが、本心は違った。
パンチパーマにガッチリしたガタイで格好良く、大きなステレオシステムで音楽を聞き、大きなアンテナを建てて無線をし、見上げるほど大きなトラックを乗り回すスーパーマンだった。
兄が池に溺れた時は直ぐに駆けつけて助け出し、僕がヘドロの池に落ちた時も直ぐに助けだしてくれ、2人で笑いながらシャワーを浴びた。
祖母の家から帰る際、間違ったバスに乗ってしまい、途中下車して泣く泣く帰った時にも迎えに来てくれて、迷子になって警察に保護された時も笑いながら迎えに来てくれた。
お父さんは、僕にとってはスーパーマンだった。お父さんが大好きだった。
誰にも言えずに、蓋をしてきた事実。僕はこの時、大粒の涙を流して泣いた。
両親が離婚して以来、お父さんと会える機会は数回あった。毎週のように父方祖父母の家に泊まりに行っていたのも、いつか会えるかもという思いも有ったからかも知れない。
祖父の葬儀でも会えず、最後のチャンスだった祖母の葬儀でも会う事は叶わなかった。
お父さんに会える日は来るのだろうか?
パンチパーマだった髪は、祖父のように禿げてしまっているかも知れない。
筋骨隆々だった身体は、ダルダルになっているかも知れない。
凛々しかったあの笑顔は、疲れ切っているかも知れない。
それでも、お父さんに会ってみたい。
僕がこの病気を克服した時、会ってみよう。
お互いに気まずいかも知れないし、話す言葉も少ないかも知れない。だけど、この時に気付いた気持ちは本物だし、伝えたい。
僕もスーパーマンに憧れたが、実際はお父さんと同じように、子供を置いて逃げ出してしまった。
こんな僕の事、お父さんは覚えてくれているかな…
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