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双極性障害

ゆらゆら揺れる気持ち。少し良くなり、少し悪くなり。

とっても良くなって、とっても悪くなった。


 僕は5回目の入院をした。


 12月、僕は再び閉鎖病棟に戻って来た。

顔見知りのスタッフも多く、ゆっくり休養出来そうだ。


 前回の入院から今回の入院までの間、僕はまたギャンブルをやってしまう。

 負けては腹を立て、当たっても苦痛。大当たりの瞬間だけを求め、僕は泥沼にハマってしまっていた。


 正直に先生に言った所、僕には新たな病名が付けられる。『病的賭博症』である。


正確には病気では無いのだが、その本質はアルコール依存症と全く同じである。病的賭博の診断は簡単だ。


嘘をついてギャンブルをする。

使ってはいけないお金をギャンブルに注ぎ込む。

辞めたいのに辞めれない。


 この3つだ。

もう少し細かくすると、ギャンブルは辞めたと言いながらギャンブルをしてしまったり、自分に嘘を付いてギャンブルにのめり込む。


生活費を注ぎ込んだり、借金をしてまでギャンブルに注ぎ込む。


何度も辞めようと思うのに、辞めようとしているのに辞められない。と言った所だろうか。


 もちろん僕には全て当てはまっていたし、本当に辞めたいと願っていた。


 幸いな事に、僕の入院している病院は、ギャンブルやアルコール依存症に関して有名な病院であった。その為、回復の為のプログラムを依存症病棟の患者達と受けれる事になった。


 プログラムでは、依存症についての勉強が行われ、夜になるとAAのミーティングやGAのミーティングに参加する事が出来る。


 ある日の勉強会、その時のテーマは「ギャンブルもしくは飲酒をやってしまう時」であった。

色々な仲間達が自身の体験を発表する中、僕の出番がやって来た。

「ギャンブルをやってしまう時は、勝った次の日と…」皆んなはウンウンと頷く。

「負けた次の日です。」だよね〜と、笑いが起こる。

 その勉強会では、共感があった。経験があった。挫折があり、希望があった。

仲間となら回復出来る。そう思っていた…


 12月24日。外泊届けを書いた僕は、パチンコ屋に居た。

また来てしまった…辞めようと誓ったのに…そう思いながらも、僕は辞める事が出来なくなった。

 あるARTのスロット、注ぎ込んだお金は2万円を超え、胃が痛くなって吐きそうになりながらも打っていた時、大当たりする。

あれよあれよと上乗せされた結果、閉店まで回し続ける。

 結果は16万円勝ち。大金が手元にあった。


WALKMANを買い、財布を新調し、サングラスを買い、時計を買い…。1週間も経たずに16万円は消えて行った。


 年も明けて元旦。病院で年越しをした僕は、朝食のお節料理を食べる。それから数日後…


TV番組でみた内容が、とても面白い。今思えば大した事は無かったのだが、何故か思い出し笑いが止まらなくなってしまった。

 気分は高揚し、楽しい妄想が僕の頭を支配する。妄想が止まらない。妄想が捗る。


 僕は、仲の良いスタッフに伝えた。

「妄想が止まらないです。小さな事が楽しくて、テンションが高いです!」ニコニコしながら。

 スタッフは、先生に伝えておきますと言い、少し困った顔をした。


 一月半ば、午後の休養度外出(14:00〜16:30)の時、僕はまたパチンコ屋に来てしまった。

 A+ARTのスロットで、当たっては飲まれ当たっては飲まれ…16時くらいだっただろうか。あと千円で辞めようとした時に、大当たりした。

ART特化ゾーンで大きくゲーム数が上乗せされ、ボーナスも順調に当たる。気付けば16時半。帰院の時間を過ぎても、辞められなかった。

 17時。僕の携帯に病棟から着信が入る。が、それを無視して打ち続けた。

 18時、母親の携帯から着信が入るが、同じく無視して打ち続け、22時40分。閉店時間を迎えて強制終了された。


 増え続けたメダルは一万枚に迫り、またしても大金が手に入ったのだが、その時に初めて後悔した。入院中に無断外出してしまったし、母親からの電話も無視してしまった僕は、このまま逃げ出してしまおうかと迷ったが、病院に帰る事を選ぶ。


 夜間出入り口に向かい、インターホンを鳴らす。宿直の職員に事情を話し、病棟に連絡してもらって迎えに来てもらった。


 スタッフに正直に話す。パチンコが辞められなかった事、辞められない事、辞めたい事…

その時の、スタッフから衝撃的な一言を言われる。

「その症状は、躁鬱病ですよ!」と…


 後日の診察で、僕の病名は変えらた。


『双極性障害 アルコール依存症 病的賭博』と…



誤字脱字や表現の指摘が御座いましたらコメントお願い致します。

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