仲間に
2ヶ月ほど経った頃、体調の良くなった僕は退院する事になった。
み空さんは結局、早期に退院して行った。
それから二人での新たな回復への日々が始まった。
希望に向かい、み空さんと回復を目指す。
回復は順調だったと思う。色々なミーティング会場へ向かい、自身の過去を話し、他の意見を取り入れた。
少しは楽になった。これを続ける事で、僕は病気を克服出来る。
一月程経った頃、僕は再び仕事へ復帰した。
体力は少し落ちていたものの、身体が仕事を覚えている。今度は大丈夫。今まで会社のみんなに迷惑を掛けて来たのだ、これから更に頑張って恩を返して行こう。僕は頑張った。
何故だろう…
いつもの朝、軽く朝食を食べて作業着に着替え、靴を履いた。
ドアノブに手を掛けるも、回せない。
何故だろう…
僕は外に出る事が出来なくなってしまった。
無理をした覚えは無い。確かに、仕事に復帰してからはだんだんと身体も慣れて行き、残業も進んでするようになれた。
み空さんとは順調だし、全てが順調な筈だ。
だが、ドアノブが回る事は無かった。
泣きそうになりながら、社長に電話する。
「どうしても外に出る事が出来ません。すみませんが休ませて下さい。」
社長は、数日休めと言ってくれた。
少し休めば体調は戻り、再び仕事を頑張る。
数日経った頃だろうか、仕事に行く直前、僕はおもむろに睡眠導入剤を1シート取り出す。
掌の無数の錠剤を口に運び、水で胃の中に流し込む。
そのままバイクに跨り、仕事へと向かった。
気付けば僕は自分の部屋で寝ていた。辺りは暗く、
室内には僕しか居ない。
記憶を辿るが、通勤の途中までしか思い出せない。スマホは持っているが、充電は無くなりケーブルは見当たらない。
フラフラした足取りで近くのコンビニへ向かい、モバイルバッテリーを買う。
充電された頃、母親から電話が鳴った。そこで詳細を知る事になる。
通勤の途中にあるコンビニ。そこに入った僕は気分が悪い、と言い残して倒れてしまったらしい。
店員は救急車を呼び、僕は救急病院へと担ぎ込まれたようだ。
病院から母親へと連絡され、やって来た母親は医師から告げられた。身体に異常は無く、恐らく睡眠導入剤が効き過ぎているのだろう。と。
母親は虚ろな僕を抱え、家まで送って布団に寝かせて帰ったのだと言う。
「薬が合っていないんじゃない?先生に言って、薬を変えてもらいなさい」大丈夫、オーバードーズはバレていない。
僕の2度目の自殺は、またしても失敗した。
その後、僕とみ空さんは、二人で話し合った。
二人で出した結論。それは、別れる事。
お互いが無理をしていたのだろう。自分の回復の為には、このままお付き合いを続ける事は辞めようと結論付けられた。
その日、僕達は友達に戻った。仲間に戻った。お互いの回復を願う、回復を目指す為の仲間に。
数日後、再び病院に来た僕は、先生に相談する。入院したいです。と…
僕は3度目の入院をした。
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