表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/24

新病棟

同じ病院ではあったが、病棟は新しく建てられた新病棟。前回の入院とは少し勝手が違っていた。


 消防法の関係らしいが、新病棟には喫煙室が無い。喫煙者は、休養度外出の際しかタバコを吸う事は出来なくなっていた。


 入院して2日目、早くも休養度外出の許可が出た僕は、10時に喫煙所へと向かった。


 み空さんにも連絡しないとな…。


 電話で話すのが怖かった僕は、LINEを送った。医師と話あった結果、再び入院してしまった事。新病棟の様子。これから回復に向けて、再び頑張る事。

 だが既読は付かず、返信が届く事は無かった。


 入院して3日目の休養度外出だっただろうか。

喫煙所で一服していると、聞き慣れた声が聞こえて来た。

「おいっす!」ヒロちゃんだった。

 ヒロちゃんから、衝撃的な事を聞く。み空さんが入院してしまったと。

 新病棟には二つ、急性期病棟があるのだが、僕の病棟の向かいにある病棟に入院してしまったらしいのだ。


 ヒロちゃんの話によると、病状が悪化してしまい、夜間に緊急入院したみ空さんは、着の身着のまま3日目なのだと言う。外出許可はまだ出ていないらしい。

これは同じ病棟に入院している患者からの情報らしいので、間違いないだろう。


 心配になった僕は、ヒロちゃんと共にその病棟へとやって来た。インターホンを鳴らし、病棟受け付けへと通される。

 此方の病棟は、廊下から二重扉になっており、二つの扉の間に受け付け窓口がある作りだ。


 対応してくれたスタッフは、前回の入院時にもお世話になった人で、僕やヒロちゃんの事を覚えてくれていた。

 スタッフにみ空さんの状態を聞いてみる。が、守秘義務だと言われ、入院しているのかしていないのかさえ教えてもらえない。3日間も同じ服で過ごしているはずだ。僕はみ空さんの家も知っているし、鍵を借りて着替えを取ってくるくらいは出来るはずだ。と、伝える。

 困惑した顔で、スタッフに告げられる。私も女性だから忍びないのだが、規則なのでどうする事も出来ないのだと…


 諦めた僕とヒロちゃんは、病棟を後にする。

入院しているのは確認出来た。不便はあるだろうが、僕には何も出来ないのだから、み空さんが安定して休養度外出が出来るまでは待つ事にした。

 ヒロちゃんにお礼を言い、み空さんは僕が入院している事を知らない筈なので、ヒロちゃんの知り合いの人に託けてもらうよう頼み、僕は自分の病棟に帰って行った。


 昼食後、部屋で歯磨きをしながら外を眺めてみる。窓の外には向かいの病棟のデイルームの一部がが見えた。み空さんの入院している病棟だ。

 見慣れた服が目に入る。み空さんだ。

大きく手を振ってみるが、気付かれる事は無く、み空さんは窓の陰に消えて行った。


 その日の夕食後。部屋で歯磨きをしながら向かいの病棟を眺める。

その時、数人の患者が突然立ち上がった。慌てた様子で奥へと走って行く患者やスタッフ。こちらには音は聞こえず、状況は掴めない。


 翌日の朝、朝食後にデイルームで寛いでいた僕に、スタッフから手紙が届いていると渡された。

病棟内では情報の発信や受信は制限されない。


手紙は、み空さんからであった。その手紙には、現在の状況と共に、今日外出許可が出た事、一人では不安なので、今日の午後に着替えを取りに帰るのを一緒に来て手伝って欲しい事が書かれていた。


 午前の休養度。中庭に出た僕は、み空さんを待つ。

誤字脱字や表現の指摘が御座いましたらコメントお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ