表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/24

引き篭もってしまったみ空さん。その環境を作ってしまっている僕。

 このままでは、み空さんも僕も、共倒れしてしまうのは火を見るよりも明らかだ。


 家に帰るのも嫌になっていった僕は、再びギャンブルへと走って行ってしまう。


 その始まりは、繁盛期に入って残業が続いていたある日、前工程の遅れから仕事が無くなり、早上がりになった時の事だった。

 そのまま帰るのも嫌だったし、だからと言って行く宛ても無い僕は、低レートのパチンコでも久々に打ってみようと思い、通勤路の途中のパチンコ屋に入って行った。

 古く寂れた店内は、設置台数も少なく人も少ない。店内を見回すも古い機種しか無いのだが、ある機種に目が止まった。


 そして数時間後。何故か20円スロットに座っている僕は、煙草を吹かしながらビッグボーナスを消化していた。

 当たりは軽く、メダルはドンドンと増え続け、気付けば二箱近く出ている。凡そ3万円相当だろうか。

 チラリと時計を見ると、時刻は午後7時。いつもなら残業が終わり、帰路に着く時間だ。


 早く帰らないと。そうは思うが当たりは軽い。打てば当たる、当たれば増える、増えれば回る、回れば時間は過ぎて行く。


200ゲーム回れば辞めて帰ろう。当たる。

100ゲーム回して辞めよう。当たらない。

150ゲームになれば辞めよう。当たらない。

200ゲームになれば辞めよう。途中で当たる。


 辞めようと思えば当たるのではなく、当たるまで回すを繰り返していた。


 時刻は8時を回り、帰宅時間を過ぎていた。どうしようどうしようと悩んでいた時、携帯電話に着信が来る。み空さんからだった。一気に冷や汗が流れる。ヤバイ。どうしよう。ヤバイ。

着信が切れて直ぐ、今度はメールが届いた。帰宅しない事を心配する内容だった。

 どうしようと悩んだが、僕は返信を打つ。

「突発な残業で、もうちょっと遅くなる!10時までには帰るから待ってて!」

嘘を付いてしまった。バレたらヤバイ。怒られる。呆れられる。どうしようどうしよう。

 胃が痛くなりながらも辞められないスロット。

 僕は泣きそうな顔で回し続けていた。


 10時を回った頃、ようやく辞めてバイクを走らせ、人気の少ない路肩に停め、み空さんに電話する。

「今終わったよ〜!疲れた!遅くなってごめんね!またコンビニで弁当買って、直ぐ帰るよ!」

罪悪感を抱えながら、いつもの道を帰って行く。


 僕の財布には、現金が二万円増えていた。

誤字脱字や表現の指摘が御座いましたらコメントお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ