塔に囚われた少女 あるいは 青褪めた怪物
掲載日:2017/09/16
少女は塔の上から景色を眺め、馬に乗った二人の騎士がやってくるのを待ち続ける。
町の外れ
つやつやとした
若草色が目に入る
涼しい風
馬車を停め
道を訊くのは
遠い町の人
欄干に釣り竿
雲は流れ
止まることはない
ただゆっくりと
ゆっくりと
遠くはない
近くもない
すぐそこにある
眺め
塔の上から、少女は望む
いつか、二頭の馬が
黄色い砂を立てながら
この身を救いに来ないかと
塔の上から、少女は望む
塔に住みつく青い涙を
勇敢な、二人の騎士が
追いだしてはくれぬかと
けれど、彼方の丘からは
救いの使者は見えてこず
代わりに哀れな足音が
ゆっくりと
ゆっくりと




