~彼らは如何にしてそのおばかな境地に至ったか~
「っというわけで、異世界創造計画を実行すればモッテモテの薔薇色ライフを「無理です、嫌です、面倒くさいです」な゛ん゛で゛そ゛ん゛な゛こ゛と゛い゛う゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!゛!゛!゛!゛!゛?゛?゛?゛?゛」
「いや、ですからね邪神さん。いきなり異世界だのハーレムだの女騎士だの石●だの箱●だのケ●●ーだの●魔●だの意味不明なこといわれましても寿司職人みたいに合点承知!っていうと思います?「思います!」・・・ああ、邪神さんってそういう人でしたねそうでしたね」
邪神さんはいつもこうだ、工事現場のカラーコーン(先端が光るタイプのやつ)を被った変態の、いや変態だからか日常的に奇行やら妄言やらを関西の芸人の漫才のように耳にタコが出来るくらい吐きまくる。今日だって、平日の昼間の某ファミリーなチェーン店に呼び出されてすぐこれ、周囲の目なんかまったく気にしないストロングに腐った精神にはまあ、その、正直やってられない。
「ホーショー君はすぐにムリ、イヤイヤ、まったく邪神として恥ずかしく感じますよ・・・もっとチャレンジ精神を養わないと、この高度な情報化された現代社会の時代に取り残されちゃいますよ?」
「てか、そのホーショー君って変に伸ばす呼び名止めてもらえません?鳳翔ってちゃんとした名前があるんで、昔某事件と関係ないのにからかわれた思い出すんですよ。それと現代社会と異世界ハーレムになんの関連性があるんですかねえ?」
「あ、聞きます?聞いちゃいます?」
ウキウキ気分がおもいっきりにじみ出た返事が返ってきた、この手の反応は長丁場を覚悟しなければならない。
「(聞かないとすぐすねるくせに)そりゃ聞きますよ、こっちだって仕事の最中に呼びだれてたんですから、もちろんちゃんとした理由があるんですよね?」
「もちろん、ありますよありますとも。・・・実はですね」
「うん」
「すごい」
「うん」
「ひま」
「ころすぞ」
「ひまなんですよ?」
「ひまだからどうしたんですかね?」
「え?」
「え?」
「え?ってまさか、そんな、ばかな、ありえない。まさかホーショー君がこんな血も涙もない人物だなんて・・・、この自分が作り上げた会社を、五十年間育て上げてきたワタシの会社を!昨日謂われもない罪で追い出されたこの哀れな邪神に対して!!よくもそんな暴言をほざいたものですねええええええええ!!!」
※ちなみにこの邪神、埼玉県の某市で不動産会社を経営していたりする、邪神って何だ。
「いや、邪神さんそんなこと一言も喋ってくれないじゃないですか、なんで追い出されたんですか?まーた変なことしたんでしょ?前回も邪神さんの娘さんからなぜかオレが怒られたんですからね、父に変なアダルトサイト見せたんでしょって」
「今回は前回のようにそんなことしてません!ただ、ですね」
「うん」
「ほら、ワタシって自宅用のパソコン、ストリー●キングじゃないですかフルオープンのガバガバじゃないですかウイルス君ウェルカム状態じゃないですか」
「うん」
「でっ、急な仕事の書類をそのパソコンで作りましてUSBに保存して会社に持っていったらですね」
「なんか、大体予想できちゃうんですが」
「顧客の個人情報漏れちゃったんですよ、五千人分くらい」
「馬鹿でしょ?そりゃ、会社追い出されますよ」
「ど゛う゛し゛て゛そ゛ん゛な゛こ゛と゛い゛う゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!゛!゛!゛!゛!゛?゛?゛?゛?゛か゛わ゛い゛そ゛う゛だ゛と゛お゛も゛わ゛な゛い゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!゛!゛!゛!゛!゛?゛?゛?゛?゛た゛か゛が゛こ゛じ゛ん゛じ゛ょ゛う゛ほ゛う゛で゛し゛ょ゛う゛!゛!゛!゛!゛!゛?゛?゛?゛?゛」
「うるせえ!!まわりの迷惑考えろや!!!」
この高度な情報化された現代社会の時代とか偉そうにいった傍からこれ、まあある意味やってることは邪神そのものなんだろうけど。
「んで邪神さんはこれからどうするのよ?」
「はあっ、はあっ、でっですね邪神としてはこの心が《ピュア》で《善良》な《邪神》を会社から追い出すようなこの腐った心情の人間の蔓延した資本主義社会を変革するために」
「ために?」
「とりあえず、その辺のネット小説みたいな異世界エロハーレムに世界を改変しようかなって」
「欲望丸出しじゃねえか!心が《ピュア》で《善良》な《邪神》はどこ言った!そもそもオレ必要ないだろ邪神さん!」
「いあいあ、いやいや邪神ですよワタシ?OK?」
「OK!!っじゃなくてだなオレ一般人よ一般人。そーんな肉●、じゃなくて欲望丸出しの計画に協力するとおもってんのかオラァ!?」
「だって、しょうがないじゃないですかワタシの知り合いの中で一番非現実的なのがホーショー君なんですから、ね?」
「邪神さん、オレをなにか幻想的存在だと勘違いしてない?空飛ぶスパゲッティモンスターじゃないのよオレ?」
「えー、だってホーショー君の家庭の事情を聞いてると誰だって絶対そうおもいますって、ファンタジー生命体だって」
まったく、邪神さんときたら困ったもんだ。まさか、ごく普通の一般家庭代表であるこのオレの対してそんなありもしない妄想を抱いていたなんて・・・。やっぱ頭にカラーコーンを被ってるような変態だからこうなっちゃたんだろうな、うん。
「少なくとも、たいした家庭じゃないですって。ただ、父親が日本有数の呪術団体の構成員だったり、母親が宇宙海賊だったり、五人いる兄妹全員が行方不明か連絡が取れない状況に追い込まれてるってだけです」
「・・・やっぱファンタジー生命体じゃないですか!!!」
邪神さん、あんたよりも現実的生命体だよ