第2章 A Strange Voice
こんな感じで自分の狂った本性を、なんとか隠してこれた。
俺が初めて人を殺したのは今年の3月だ。人を殺したい欲求が、爆発しそうになった。そして、俺は常人では思いつかない考えに至った。
ク ズ は 人 じ ゃ ね ー よ な ぁ 、 ボ ク が 殺 し て も 問 題 無 い よ ね ??
今年に入ってすでに4人の連続殺人犯を殺したが、最近殺ったやつの顔以外、全部忘れた。
は は っ 、 い や ぁ 、 そ れ に し て も 、 あ の 顔っ て い っ た ら 、 そ り ゃ も う 痛 快 だ っ た よ 。な ん せ 、 ボ ク が や つ を 殺 そ う と し た 時 、 ボ ク に な ん も 悪 い こ と し て な い の に 謝 っ て ん の ! だ か ら 、 必 需 品 の ナ イ フ を ケ ツ の 穴 に ぶ っ 刺 し て や っ た よ 。 そ し た ら 、 今 度 は 、 泣 い て 謝 っ て ん の 。 強 姦 し た 上 に 殺 し た 3 人 の 名 前 を 連 呼 し て 。 気 付 い た ら 、 そ い つ の 内 臓 が 至 る と こ ろ に 散 乱 し て い た ね 。 い や ぁ 、 ユ カ イ ツ ー カ イ ♪
ま、どうせあいつが捕まったら死刑確定だったし、首吊って殺されるより、自分が殺した人と同じ殺され方のほうがましだ、と思う。
「・・・・ぃ、おい!」
「んぁ?」拍子抜けた返事をしてしまった。
「今、俺の話聞いてた?」
「もう一回言って」
「だーかーら!例のあのキラ☆キラ?がまた事件起こしそうなんだよ!なんでもうちの隣県で、また殺人事件あったらしいぜ!これは絶対、キラ☆キラの出番だろ!成敗してくんねーかな」
「・・・・・・・(検討しておく)。」
「無視かよ、ミノル」
懲りずにキラキラ言ってる、このアホの名前は荒木嘉人。俺が唯一、心から話せる、高校の時からの親友で、俺と同じ大学の経済学部である。
「はー、楽しいキャンパスライフも今年が最後かー」
嘉人と俺は大学4年生。来年はそれぞれ、自分の道を歩いて行く。
「ミノルは、就職どうすんの?」
「・・・弁護士を目指してる」
俺は法学部だ。この大学の法学部は、県内でもトップレベルの難易度だったが、勉強に困った事のない俺は、難無く合格することができた。弁護士を目指しているのは、嘘じゃない。法学部には、弁護士を目指している人が多かったし。
ま 、 法 を 熟 知 し て い れ ば 、 完 全 犯 罪 も 成 立 か も じ ゃ ん ? ? 弁 護 士 と 殺 人 の 、 二 足 の わ ら じ だ な ぁ 。 は は っ 。
「・・・黙れ」
「ん?なんか言った?あっ、才藤センパーイ」
ベンチに座って、なんとか解剖学みたいな本を読んでいる、メガネをかけた、強面だけど、見るからに頭の良さそうな彼。名前は才藤英樹だ。医学部に浪人して合格したらしい。今は、3年生。だけど、俺らの2つ年上になる。
「ん、ミノル、嘉人、行こっか」
顔に似合わず、口調は穏やかである。キャンパス内では大体、嘉人と才藤先輩と俺は一緒に行動している。イツメンってやつだ。
「才藤センパイは卒業したら、やっぱりお医者さんっすか?」
「うん、ドイツ留学するつもりなんだ」
医者を目指すのだから、才藤先輩の家は病院かと最初は思ったが、違うらしい。まあまあ大きな会社の社長の息子らしい。そうじゃなけゃ、浪人なんてできないか。
「才藤センパイん家の会社ってどんな感じっか?」
「まあ、このご時世、色々あるんだよ」
この前、俺が似たような質問をしたが、会話が成立しなかった。なんで、教えてくれないのか。
コンビニでバイトを終えて、深夜の静けさの中、いつも通りの道を徒歩で帰宅する。ここ数日、自分の50メートルくらい後方に人の気配がしてならならい。先週、心霊番組を見たせいだと、自分に言い聞かせた。
家に着く。
は ぁ 、 つ ま ら な い ク ズ を ぶ ち 壊 し た く な っ て き た 。 良 い 素 材 が 無 い か 、 N E W S で も 見 る か ぁ 。
━━S県で、今日午前11時頃、○○○公園で男性の下半身が発見されました。警察は身元の特定を急ぐとともに、同様の事件が3件続いていることから、同一犯の可能性があるとして、捜査を━━
ああ、これか。今日、嘉人が言ってた連続殺人犯か。
キ タ キ タ ♪
「なあ、ミノル。俺なりにキラ☆キラの研究したんだ。そしたら!ルールを見つけたんだ!」
「興味あるな(お前が知ってどうする?)」
「まず!連続殺人犯しか殺さないのは有名だよな?その中でも、3人殺したやつしか殺さないんだよ!そして!3人目の遺体が発見された2日後に成敗!ってわけ」
「・・・・・マニアか、お前は」
「かっけーよな!」
こいつはたまに、鋭い所がある。こいつの推理は、当たっている。俺は、3人目の遺体が発見された2日後、つまり、明日殺る。
い よ い よ 明 日 だ ね ぇ 。 今 回 は 、 上 半 身 と 下 半 身 を ぶ っ た 斬 る や つ だ ろ ? ワ ク ワ ク す る じ ゃ ん 。 は は っ 。 ま た 、 ネ ッ ト で 俺 が 話 題 に な る じ ゃ ん !
「・・・黙れ」
は は っ 。
明日は、講義を休んで、入念な準備をするか。
コン、コンッ
講義をサボって、準備をしていると、ノックが鳴った。大家さんかな、と思ったが違った。
「さっきから、お前の部屋から変な音聞こえんだよ!うるせえからやめろ!」
「・・・すいません」
ボ ク の 邪 魔 を す る な 。 せ っ か く パ ー テ ィ ー に 向 け て 、 ナ イ フ を 研 ぎ 研 ぎ し て た の に 。 ま た 邪 魔 し た ら 、 殺 し て も 問 題 無 い よ ね ぇ ?
「・・・・・・・・」
は は っ 。
成敗まであと10時間。