第4話記録
この教会総本山は、内部から破壊された事が分かってから、さらに何か情報がないか全員であたりを調べていった。
「うーん、こっちには何もないな。」
「レイン、こっちも何もないわ。」
「こっちも同じだよ!」
「ダメだ、こっちも何もない。」
みんなで探しているが、なかなか情報が見つからない。
流石に年数がたっているだけあって、何も残っていないのかもしれないな。
「あー、なんかあった!」
ルナがいきなり叫んだ。
全員でその声のした方に向かった。
そこには、地下へと続く階段があった。
「これは、もしかして。」
「たぶん、そうだろうな。」
過去の2つの封印も地下にあったから、たぶんこの先にも同じものが存在するんだろう。
「慎重に進んでみるしかないですね。」
「いや、ここは私とルードで行ってくるよ。」
「アレスさん?」
「私達なら安全に行けるからね。」
「そうだな、先に調べてきた方がいいな。」
そういうと、ルードさんとアレスさんの2人で階段を降りて行ってしまった。
「レインさん、お二人で行ってしまいましたが、大丈夫ですか?」
「ジェイド、大丈夫だと思うよ。」
「そいなんですか?」
「とにかく今は待つしかないさ。」
俺達は、仕方なく2人が戻ってくるまで待つしかなかった。
「遅いなー、ルナ飽きてきたよ。」
「ルナちゃん、我慢しよ?」
「ぶー、じゃあ何か探してる。」
ルナが待っているのに飽きてしまったらしく、そこら辺を探し始めてしまった。
「もうルナったら、私が見てます。」
ユフィーがルナに付き添ってくれた。
それからしばらくたっても、まだ戻ってこないので、いい加減心配になって様子を見に行こうとすると、
「はぁー、ようやく戻ってこれた。」
「思ったより深かったな。」
「2人とも無事ですか?」
「おう、レインここの一番奥にそれらしい場所があったぞ。ただ扉が閉じていたけどな。」
「扉が閉じていたんですか?」
おかしいな。
他の場所は最初から開いていたような気がしたんだけどな。
「ああ、ちょっと開きそうになかったな。それと、途中の部屋でとんでもないのを見つけた。」
ルードさんは俺にノートを手渡してきた。
「これは?」
「中を見てみろ。」
言われて中をみると、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
誘導実験メモ
・・・・・・
私の魔獣にも高度な知能が存在するという考えが正しければ、何らかの手段によって操ることができるかもしれない。
・・・・・・
魔獣達は一体何を基準に人々に襲いかかってきているのだろうか?
この謎さえわかれば私の計画は成功するだろう。
・・・・・・
いよいよ私は、魔獣を操作する事に成功した。
これで上層部も私が正しい事を理解してくれるだろう。
・・・・・・
やはり魔獣を一匹操るぐらいでは限界があるか。
いや、最強の魔獣を生み出してそいつを操れば全てが解決する。
・・・・・・
最高の気分だ!
どうだ私の最高傑作は、実に素晴らしい。
私の指示に従って、他の魔獣を駆逐できている。
・・・・・・
なぜだ、突然指示を聞かなくなってしまった。
何が間違っていたんだ。
仕方ないこいつは処分するしかないな。
・・・・・・
全てが終わりだ。
処分はできなかった。
まあ、騎士団が対応するだろうから、次を生み出すとしよう。
今度はもっと慎重に調整しないとだな。
・・・・・・
これが最後の記録だ!
上層部のやつは1人も許さない。
私の才能を認めず、私を異端だと決めつけてきた。
私は罠を仕掛けこの場から離れる事にした。
被験体のタートルノックが一体あれば十分だろう。
・・・・・・
ボーデル・ロンバート
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「これは!」
「レイン君、ここで魔獣の実験をしていたようだよ。」
「それはわかりますが、この記録はあまりにも馬鹿馬鹿しいじゃないですか!魔獣を操るなんて。」
「けど、心当たりあるだろ?」
「ええ、最悪ですけど。」
ここにきて、元教会にいた人間が敵にいるなんて、しかもそいつが魔獣を操れるなんて、覚悟はしていたけどあまりにも酷いな。