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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
七章 帰郷
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第5話日記


「すっかり埃だらけになってるな。」


「ここがそうなんですか?」


「ああ、そうだ。」


やはりかなり時間がたっているために、家の中は埃がすごかった。


「少し掃除していいか?」


「手伝いますよ。」


俺とジェイドで家の中を掃除していった。


「だいぶ汚れていますね。」


「そうだな。俺は両親の部屋を掃除してくるよ。」


「わかりました。」


俺は両親の部屋へと移動していった。

両親の部屋も埃がすごかった。

俺は両親の部屋に入るのは、そういえば入るのは初めてだったな。


ここには、本棚やタンスや両親のベットがあるくらいだった。

俺は部屋の中を順番に掃除をしていった。

掃除をしていくと、本棚のところで他の本とは違い表紙のない黒い本を見つけた。

それを手にとって中を何気なくみてみると、それは父さんの日記だった。


俺は、それをベットに座って読んでみることにした。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


◯月△日


今日は俺とメアリーの念願の子供が生まれた。

名前をどうしようかかなり悩んだ。

悩んだ上でレインと名付けることに2人で決めた。

意味は人が生きるには、水が必ず必要だ。

その水をたくさんの人に分け与えるように、優しさをみんなに与えられるような子になるように、レインと名付けることにした。

やっぱり子供は可愛いな!

この子がどういう風に成長をしていくのか楽しみで仕方ない。


◯月△日


レインが初めてハイハイをした。

一生懸命な姿を見ていると、何が何でもこの子を助けてあげたい気持ちが出てくるな。


◯月△日


初めて俺をパパと呼んでくれた。

レインの運命には親父が予言したような、辛いことが待っているのかもしれないと思うとなんとかしたいな。

みんなに協力をしてもらわないとだな。


◯月△日


ルードの情報で、各地に不穏な動きがあるようだ。

用心のためにも、色々と手を打っておこう。


◯月△日


レインの成人の日まで、後少しになってきた。

あの予言まであと少しになったか。

しかし、きっと大丈夫だろう。

今のレインはもう1人ではないからな。

それに、もしもの時はメアリーと一緒に逃せばいい。

それで、俺が足止めをすれば、きっと未来は変えられる。


◯月△日


多分これが最後の日記になるかもしれない。

ただなんとなくそう感じる。

朝から嫌な予感しかしないからな。

もしものためにここに、少し記録を残しておく。

レイン、この日記が運良くお前に届くと願ってこれを残すよ。

今のお前はどんな成長をしているんだ?

俺の期待通りなら、きっとリリーちゃん以外にも惚れられているんだろうな。

まったく羨ましい限りだよ。

だからこそ、馬鹿な選択を絶対にするんじゃないぞ。

きっとこれをレインが読んでいるとすれば、俺は馬鹿な選択をしたはずだ。

お前を助けるためと、勝手に自分の行動を正当化して、死んでいるんだろうな。


だからレイン、お前は俺のようになるな。

大切な人を守りたいなら、自分も生きて共に守りあうんだぞ。

自分を守れない奴は、誰も守れなくなるからな。


レインお前は、将来どうなっているのだろうか?

お前が立派になった姿が見れないだろうことが、俺の一番の後悔だろうな。


我ながらこの内容はひどいな。

レインに向けて書きたいことが次から次に出てきて、なかなかまとめられないな。

だから次で最後にしよう。


レイン、俺はお前がどんな結果を手にしようと、お前のことを誇りに思うよ。


お前を守りきれないであろう俺を許してくれ。

レイン、俺たちの大切な宝物、たとえ肉体を失い魂すら消失しようとも、俺はお前を愛しているよ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


日記はそこで終わっていた。

俺はやっぱり父さんの事をちゃんと知っていなかった。

あの時父さんは、こんな事を思っていたのか。


本当にいまさらだよ。

悔しいな、ただ悔しい。


「レイン?」


「リリー、どうしてこっちに?」


「お父様達と合流できたからよ。それより大丈夫?」


「いや、今は1人になりたいんだ。」


俺が答えると、リリーは俺のところに近づき抱きしめてきた。


「レイン、今1人になるのはダメよ。全部話して?」


「でも。」


「でもじゃないの!1人で溜め込んじゃダメ。」


抱きしめる力をましながら、リリーは俺に言ってきた。

そうだな、1人で抱え込めばきっと俺は選択を間違えてしまうかもしれない。


「リリー、俺の父さんの事なんだが聞いてくれるか?」


「ええ、聞かせて。レインのお父様はどんな人だったの?」


俺はリリーに自分の知っていた父さんの事と、日記で知った父さんの事を話して言った。


そうだよな。

両親の知らない事があるなら、これから知っていけばいいんだ。

この事件が全て片付いたら、この世界を旅して父さんの生きてきた軌跡(コード)をたどるのもいいかもしれないな。

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