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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
七章 帰郷
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第4話帰郷と秘密


「すっかり変わってしまったな。」


「そうね、レイン。」


俺達は今故郷であるジルド村に到着をした。

そこは俺達の住んでいた頃とは、すっかり変わってしまっていた。


「ルードさん、すみません。少し村を見て回っていいですか。」


「私は、両親を呼んできます。多分家にいると思うので。」


「ああ、ジェイドとライナ。それぞれについて行ってくれ。」


俺とリリーは、それぞれの目的を達成するために、みんなと離れて行った。

ジェイドは俺と共に、ライナはリリーと一緒に行動することになった。


「それじゃあ、みんなすまないがちょっと離れるよ。」


「また、後でね。」


俺達はそれぞれの場所へと、向かって行った。


「ここもすっかり変わってしまったな。」


「そうなんですね。」


「ああ」


いろんな場所を見て回ると、あの襲撃どれだけひどかったのかがよくわかった。

父さんとよく遊んだ場所は、荒地へと姿を変えていたし、ユーリさんがいた教会も見る影すらなくなってしまっていた。


俺の家の場所に近づくにつれて、どんどん破壊の後はひどくなっていっていた。


そしてあの日、父さんと別れた場所にきた。

あの時父さんは、どんな気持ちで俺と母さんを逃したのだろうか?

今となっては聞くことができないのが、悔しいな。


俺達は家の場所に行く前に、父さんが向かった場所へと行った。


「これは!」


「ここなんだな。」


その場所は、他の場所よりはるかにひどかった。

地面には大きな窪みができているし、そこらかしこに戦闘の跡が残っていた。


「レインさん、この場所は?」


「たぶん父さんが最期に戦った場所だと思う。」


「レインさんのお父さんがですか?」


「ああ、俺は父さんの実力は知らないんだ。いや、実力だけじゃないほとんど何も知らないんだ。」


「そう・・なんですね。」


目の前の光景を見ると、ますます強く思うな。

俺は父さんのことわかっているつもりで、何1つちゃんとわかっていなかった。

俺の事をどれだけ強く思ってくれていたのだろうか?

あの時どれだけ強い覚悟でここにいたのだろうか?

もっと早く気付いていたかった。


今更強くそう思う事になるなんて思ってもいなかった。


「レインさん?」


「すまない。少し感傷に浸ってしまったな。」


「いえ、私もその気持ちはなんとなくわかります。」


「そういえば、ジェイド達も俺と同じだったな。」


「ええ、とは言うものの、ここまで酷くはないですし、私には妹もいましたから。」


「そうだな。ミリーが一緒だったな。」


「はい、今では仲間もたくさんいるし、何よりレドが仇を討ってくれましたから。」


「それもそうだな。」


「レインさん、みんながいないので1つ聞いてもいいですか?」


「なんだ?」


「私は最初奴隷に落ちた時、仇を討てた後は死んでもいいと考えていました。しかし、ルードさんもレインさんも俺達を集め仲間意識を持たせ、生きる事の意味をくれました。」


「いや、ルードさんはともかく、俺は違うよ。」


「いえ、そんな事ありません。私はあの時グレンを助けに行ってくれた時、その後死んでもおかしくない状態のレインさんを見て、私も覚悟をしました。一生あなたについて行くと!」


「俺が進んでいる道は、間違っているかもしれないぞ。現に村を襲ったやつと話がしたいと言っていたのに、戦って倒している。」


「ええ、わかってます。」


「これからも、同じ事をすると思うぞ?」


「けど彼らをほっておけば、私達と同じ者が沢山でてきますよ。」


「いつ終わるのかもわからないぞ。」


「そうでしょうね。」


「それでもか?」


「それでもです。」


そういえば、ジェイドとこうして話し合うのは、初めてだったな。

いつもは、他のメンバーのまとめ役に回ったり、密かに護衛についてくれていたからな。

ジェイドが俺の事をこんな風に思っているなんて考えていなかった。


「レインさん、いつからですか?」


「何のことだ?」


「私はあなたを信頼しているので、打ち明けます。私の固有スキルは、“観察”です。だから体の事はわかっています。」


!!

そんな固有スキルがあるのか!

それに、体の事がわかるって、あれか?怪我が治りにくいって事か?

あれにどんな原因があるんだ?


「ジェイド、どういう事だ?」


「レインさんの体は、前の時よりゆっくりと悪くなっていますよね?まるで呪いのように。」


!!

そうか!

これがそうだったのか!

アイリス様が精神世界で言っていた事は。

確かに慎重に使わないと危険だな。


「ジェイド、この事は?」


「誰にも言ってません。ルードさんにもです。」


「ありがとう。今はまだ詳しくいえないんだ。」


「いつかは教えてくれるんですか?」


「ああ、近いうちに必ず話すよ。」


「・・・・・・わかりました。」


「ありがとう。」


俺達はそんな会話の後に家に向かって歩き出した。

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