第2話情報交換
「まずは教会に行った方がいいですかね?」
「だろうな。」
俺たちはヘイブル王城を出発して無事シルフィーナへと戻ってきた。
そこで、俺たちは敵であったイワンから聞いた情報を、ユーリさん経由で爺ちゃんに伝える事にした。
シルフィーナの中に入り、ユーリさんがどこにいるのかわからないために、俺とルードさんで話していたのだった。
「レイン兄さん、それなら僕は探し物していていいですか?」
「グレン、探し物って?」
「硫黄と硝石ですよ。」
そういえば、グレンは言っていたな。
何ができるのかは、出来上がってからのお楽しみらしいけど。
一体どんなものができるのだろうか?
「わかったよ。ただ他に誰か連れてけよ。」
「それなら、レドが一緒に来てくれます。」
「俺も盾を新調しないとなんで。」
レドも今回の一件でだいぶ落ち着いてきたな。
はじめは、あまり喋らず今回では、ユフィーと一緒で少し暴走していたからな。
「まあ、もう大丈夫だと思うけど、2人とも気をつけろよ。」
「それは、最近怪我ばかりしている、レイン兄さんのほうですよ。」
「そうだな。」
「ぐぅ!」
そうなんだよな、馬車の荷台でも話していたが、最近俺はいつやったのかわからない怪我が多いし、何故かなかなか治らないんだよな。
「わかったよ!俺も気をつけるから、そっちもな。」
「わかりました。では、また後で!」
「グレン、用が済んだら教会でな!」
「そうですね!了解しました。」
そうして、グレンとレドは別行動をとりはじめた。
「それならレイン、私達女の子組もお店巡りしていていいかしら?」
リリーもそう言ってきた。
まあ、確かにミリーとルナには、つまらない話になるだろうし、リリーとユフィーだけだと心配だからレンとライナも一緒の方がいいだろうな。
俺は確認のためにルードさんを見ると、ルードさんは頷いてきた。
「わかったよ。グレン達にも言ったけど、用が済んだら教会に集合だから。」
「わかったわ。それじゃあ、行こうかしら。」
リリー達も店のある方へと歩いて行った。
「一応、私とバルドで護衛についておきますよ。」
ジェイドはそういうと、バルドを連れてリリー達にバレないように後を追って行った。
「結局教会に行くのは3人になりましたね。」
「人数が少ない方がいいだろうから、ちょうどいい。」
「そういえばギギはどこも行かなくていいのか?」
「俺っすか?特に用がないんでいいっすよ。」
「ならいいんだけど。」
そのまま、俺とルードさんにギギの3人で教会へと向かう事になった。
教会に着き中に入ると、ユーリさんは直ぐに見つかった。
「ユーリさん!」
「おや?レイン君じゃないか!どうしたんだい?お祈りかい?それともお告げを聞くかい?もしくは、私にハグをされたいのかい?」
「いや、全部違いますよ!てか最後のはないです。」
「それは、残念!それでなんのようなんだい?」
「ここではちょっと。」
「ふむ、なら奥に行こうか。」
俺たちはユーリさんの案内で教会の奥へと連れて行かれた。
「うん、ここなら大丈夫だよ!それで。」
「レイン俺から話そう。ユーリあの地下の物についてだ。」
「ほう、聞きましょう。」
ルードさんがあの地下にあったのは、邪神の封印だった事、それの解除のために暗躍しているもの達があと4人いる事を先に伝えた。
「地下のは、やはりそうでしたか。ところでルード、あの亀もどきと戦った場所の事覚えてますか?」
「忘れるわけないだろ。」
「なら、あの場所の近くの洞窟奥に同じものがあったのは?」
「初耳だな。」
「でしょうね。教会でも一部しか知らないですからね。」
「まさか、あの亀もどきも封印の影響か?」
「それはわかりません。私の調べた結果でも封印の解き方は不明です。」
「それは仕方ないだろ。今は解除よりもう一度封印する方法を探してくれ。」
「もちろんそれもやってますよ。それで話とは、それだけですか?」
「いや、本題はこれからだ。」
ルードさんは、次に敵が狙っている場所が、元教会総本山である事を教えた。
「・・・・・・また厄介な場所を狙いますね。」
「何かあるのか?」
「あそこが元になった訳があるんですよ。」
「どういう事だ?」
「地震が頻繁に起こる上、地割れも起きやすくて危険なんです。」
「そんなになのか?」
「ええ、酷い状態らしいです。しかし、それが本当なら危険ですから、大司教様に相談をしてみます。」
「ああ、頼む。俺達も用事が済んだら向かうつもりだ。」
「用事ですか?何か他にあるんですか?」
「ユーリさん、用事があるのは俺ですよ。」
「レイン君の用事ですか?」
「ああ、父さんの過去を調べようと思って、一回故郷に戻ろうと考えたんです。」
「そうですか。ガイル団長の。確かにそれはいいかもしれませんね。それより、レイン君怪我が多いみたいですけど、どうしたんですか?」
「いやちょっと最近集中不足で。」
「手当てしようか?」
「リリーにしてもらったから大丈夫だよ。」
「それならわかりました。私はこれから準備してアストラ王城に向かいますよ。」
「なら俺達も途中まで一緒に行くよ。ルードさんいいですか?」
「ああ、いいぞ。」
こうして俺達は故郷に向かうまでユーリさんも一緒に向かう事になった。