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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
六章 ヘイブル王城編
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EXTRAー3買い物の恐怖

ブックマークと評価ありがとうございます!

時間軸は6章の第4話の後になります。


「いいかレイン、女性の買い物は時間がかかるんだぞ!」


不意に昔父さんが言っていた事が、頭の中に浮かんできた。

というのも現在俺は、リリーとミリーと一緒にここシルフィーナで旅に必要な物の買い物にきていた。


そもそもこれはヘイブル王城に向かうことが決まった時に、リリーと決めた事だった。

まあ、俺としては久々にリリーと2人っきりで行くもんだと思っていたのだが、なぜかミリーも一緒に行くみたいでついてきていた。


「なによレイン、買い物は何人かで行った方が楽しいじゃない?」


「レインお兄ちゃん一緒に行こうよ!」


そんな会話で一緒に行くことが決まった。

俺はこの時、買い物と言う名の試練の恐怖を理解していなかった。


買い物は最初に食料品のところに行った。


「うーん、長持ちするものがいいわよね。干し肉系や、香辛料系、後はパンとか少しは果物系も必要よね。」


「リリーお姉ちゃん、お米はどうするの?」


「どうしようか?少し買っておこうかしら。レインはどう思う?」


「まあ、少し買っておいた方がいいと思うよ。ルードさんやジェイドがパンより米派だからね。」


「そういえばお兄ちゃん、いつもご飯食べてるね!」


「そうね、それなら少し買っておきましょう。」


俺たちはご飯の時は、それぞれパンかご飯かを選んで食べていた。

ほとんどのメンバーは、その時のおかずによってどちらかを選んでいるのだが、ルードさんとジェイドだけは常にご飯を食べていた。


「さてと、野菜の新鮮なのを選んでいきましょう。」


最初にお米を買った後、次に野菜の場所へと向かった。


「これはヘタを見てこっちみたいのが新鮮で、この野菜は芯の形で選ぶのよ。」


「リリーお姉ちゃんわかりました!これはどこで判断すればいいの?」


「ああ、これね?これはここの部分の間隔が狭いものがいいのよ。ちなみにこっちの場合は・・・・・・」


リリーって食べ物の買い物にこだわりがあったのか。

新鮮な野菜の見極め方なんて、どこで知ったんだろうか?

それにしても、ミリーはよくこの話に耐えられるな。

俺はもうどの野菜をどうやって見極めるか覚えてないぞ。


それからだいぶたってようやく食料品の買い物が終わった。

あの後も、香辛料の見極めや、新鮮な干し肉の選び方などを、リリーはミリーに1つずつ丁寧に教えていたけど、あんな大量な情報をミリーは覚えられたんだろうか?


「ちょっとレイン、ここのお店見ていい?」


「リリーなんの店なんだ?」


「雑貨屋よ!ミリー見にいきましょ!」


あれ?

俺、店見ていいか聞かれていたよな?

完全無視されたあげく置いていかれたよ!

俺は急いで2人の後を追った。


リリーとミリーが行った雑貨屋は、髪留めやアクセサリーなどがたくさんあった。


「ねぇねぇ、ミリーこれとか可愛くない?」


「リリーお姉ちゃん、こっちとかどう?」


「それもいいわね!あっ!こっちはどう?」


「それもいいよ!あー、こんなのはどう?」


「うーん、私はこっちの方がいいかな。」


「えー、リリーお姉ちゃんそれは微妙だよ。」


「そうかしら?いいと思うんだけどな。じゃあこれなんかはどう?」


ダメだ。

俺にはどれもおんなじように見えてくる。

とくに、今リリーが持っているのは、形がどっちも同じだよな?

しかも色も同じようだけど、どこか違う部分があるのだろうか?


「あら?レインいたのね!ちょうどよかったわ。こっちとこっちならどっちがいい?」


リリーが見せてきたのは、両方とも同じものだよな?


「うーん、こっちかな。」


とりあえず右手に持っていた方を指差した。


「ほら、やっぱりこっちだったでしょ。」


「リリーお姉ちゃん本当だ!」


「じゃあレインこれとならどっちがいい?」


「えーと」


俺はその後も、何十回とどっちがいいのかの質問責めをうけつづけることになった。


ようやく解放されたのは、俺たちの帰りが遅いと探しにきてくれたグレンのおかげだった。

もう少し遅かったら俺が限界をむかえるところだった。

俺は買い物をする時は、とりあえず雑貨屋がないことを確認しておこうと心に誓うのだった

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