表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
六章 ヘイブル王城編
79/180

第16話団欒


レドがイワンとの戦闘に勝ち、イワンを倒すことができた。


「レド?」


「レインさん、復讐って虚しいんですね。」


「そうだろうな。」


「この人が本当に悪人であれば、また別だったんですかね?」


「どうだろうな。」


俺とレドがそんな会話をしていると、


「な!」


「うそ!」


「何ですかこれ?」


「ありえない。」


ルードさん達の声がしてそちらを振り向くと、今しがたレドが倒したイワンの死体が煙をあげて、あっという間に灰になって消えてしまった。


「ルードさん、これは?」


「憶測しか言えないが、イワンは命を辱められていたといっていただろ?それはもう死んでいたのではないか?」


「それは死んで操られていたって事ですか?」


「だから憶測なんだよ。今となっては知る手段がないからな。」


ルードさんの言っている事は一応わかる。

けどそれが本当なら彼の人生はあまりにも残酷だったのではないだろうか。

望まない虐殺をさせられたり、単独で無理な襲撃をさせられたり、唯一自分で願えたのが騎士としての死だなんて、あまりにも救いがなさすぎだ。


俺の表情から感情を読み取ったのかルードさんは俺に、


「気持は理解しても、けして憐れむなよ。奴は奴なりに望んだ結果なんだから、俺たちがとやかく言う資格はないさ。」


確かにそうなんだろうな。

だからこそ、俺はきっとこの先も彼の事は忘れないだろう。

周りをみると、ルードさんも含めみんな同じ気持ちのようで、複雑そうに彼の死体の後を見ていた。


しばらくして、俺たちは他のメンバーが残っている部屋に戻る準備を始めた。


まずは、イワンの使っていた剣をどうするかで、話し合いの結果レドがもらう事になった。

次に白骨化していた女性だが、イワンの言っていたことが正しいのであれば、おそらくユフィーが言っていた王様の正妻なんだろうな。

まあ、確認の為の所持品の指輪を持っていけばいいだろう。

違っていればいいんだけれど、やはり気が重いな。


それらが終わり、ようやく俺たちは合流するために行動を開始した。


「次は元神殿総本山か、後でユーリに伝えないとだな。少しぐらい余裕があればいいが。」


「ルードさん、そこに向かう前に俺とリリーの故郷によっていいですか?」


「何かあるのか?」


「いえ、ただ少し父さんの事を調べたいんです。」


「なるほどな、まずは全員で話し合ってからだな。」


「わかってます。」


俺は今回の件であまりにも父さんの事で知らない事が多すぎた。

なので一度住んでいた家の、父さんの部屋の中を調べて少しでも昔の父さんの事を知ろうと思った。

それにリリーの両親が一足先に帰って、父さん達の埋葬などをしてくれているので、俺自身のケジメのために墓参りをしておきたい。


そんな事を話していると、あっという間にリリー達が待っている部屋にたどり着いた。


「ただいま、無事に片付いたよ。」


「レイン、みんな大丈夫?」


「ああ、全員無事だよ。」


リリーが部屋に入ると、すぐに話しかけてきてくれた。

部屋の中はてっきりユフィーと王様が一緒だったので、ギスギスしているかと思ったが予想に反して明るかった。


「リリー、俺たちがいない間何かあったの?」


「まあ、ちょっとしたすれ違いが治ったのよ。」


リリーの簡単な説明では、ユフィー達を後宮から追い出したのは、王様がユフィー達の身の安全の為だったらしい。

そこらへんのことを、いない間に互いに言い合って満足をしたみたいだ。


「ユフィー、もう大丈夫なのか?」


「レインさん、はい!私はもう大丈夫です。」


俺の質問にユフィーは、笑顔で答えてきた。

そうかユフィーはもう大丈夫なのか。

あとは、ルナだがこちらはもう暫くかかるだろうな。

そうだ、あの指輪の確認があったんだった。


「王様すみません。これの確認してもらっていいですか?」


「儂にか?どれ見てみよう。」


俺は白骨化した女性の死体から手に入れた指輪を王様に渡した。


「これはどこで手に入れた?」


俺は真実を伝えるべきか悩み、ルードさんを見ると首を横に振っていた。


「地下で見つけました。」


「では、この持ち主は?」


「すでに白骨化していました。」


「そうであったか。」


「その指輪の持ち主は誰ですか?」


「儂の正妻だ。」


「そうでしたか。」


「覚悟はしていたさ。」


やはりそうだったのか。

呪い殺されレイズになった事は伝えなくてよかった。


「して、お前達はこれからどうするんだ?」


「全員と話し合って決める予定ですが、最終的には元神殿総本山に行く予定です。」


「何故か、聞いてもいいか?」


「はい、ここを襲った奴の仲間が次はそこを狙うらしいので。」


「ふむ、今回の件に関係しているのか?」


「はい。」


「ならば深くは聞くまい。まあ、1日くらいは休んでいってくれ。マリアの事もあるからな。」


王様の見ている方を見ると、王女様とユフィー、ルナが仲良く話していた。

そちらを見ていると、ルードさんが近づいてきた。


「レイン、そうさせてもらおう。どっちにしろ俺たちも話し合わなきゃいけないからな。」


「そうですね。」


そして、俺たちはヘイブル王城に一泊する事になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ