第10話決意
王様の治療を終えて改めてルードさん達と話をしていった。
「外の魔獣は、一通り片付いたが、場内には一匹も入ってないなんておかしいな。」
「ルードさん、それに例の男がここにいましたよ。」
「やはり、いたのか。たたかったのか?」
「すぐに逃げられましたよ。」
「奴の目的はわかってるか?」
「わかりません。ただ、王様の奥さんが1人いないらしいです。」
「本当なのか?」
「ユフィーによるとです。」
「詳しくはこの2人の意識が回復してからだな。」
俺とルードさんは、簡単に情報交換わしたが、あまりにも情報不足で全く何もわからない。
とくに、魔獣が集まってきているのに、城下町までしか暴れていなかった事、あの男がなんの目的があってここに襲撃をしたのかが不明だな。
このままここにいても仕方ないので、俺たちは王城の比較的破壊されていなかった、使用人の部屋に2人を運びベットに寝かせた。
そこをしばらく拠点として、二人一組で情報収集に動く事になった。
拠点にはリリー、ミリー、レド、グレン、ルナの5人が残り、ジェイドとレンで再び後宮を調べ、ギギとライナで王城の内部の再捜索、ルードさんとバルド、俺とユフィーで城下町を調べる事になった。
「それじゃ、行くとするか。」
「ええ、わかりました。」
「レイン、それにユフィーちゃんも気をつけてね。」
「ああ、わかってるよ。」
「了解しています。」
リリー達に見送られながら、俺とユフィーは城下町へと移動していった。
「それにしても、だいぶ想像していたより被害を受けたみたいだな。」
「本当にそうですね。」
俺とユフィーは城下町を見て真っ先に出た感想はそんな言葉だった。
なんせほとんどの民家は全壊しているし、所々に兵士の死体が倒れている。
俺とユフィーはその死体をできる範囲で、丁寧に埋葬をしていった。
無事な人達は何処かに避難をしているのだろうか、探しても怪我人1人も見つからない。
そうこう城下町を2人でぶらついていると、一軒の家の前でユフィーがたちどまった。
「ユフィー?」
「レインさん少し寄っていいですか?」
「ああ、構わないけど。」
「ありがとうございます。」
そういうとユフィーは、とくに損傷のない家の中へと入っていった。
俺もユフィーの後について中にはいっていく。
中は少しほこっていた。
しばらくの間、誰も住んでいなかったのだろう。
ユフィーは、何かを探しているようで、いろんな場所の引き出しや戸を開けて中を確認していた。
「ユフィー、何を探しているんだ?」
「すみません。すぐに済むんで。」
「いや、別にゆっくり探してかまわないよ。」
そう返事をすると、ユフィーは相変わらず部屋中を探していた。
それからしばらくたち、どうやらユフィーの探し物が見つかったらしい。
「すみません、お待たせしました。」
「探し物は見つかったのか?」
「はい、ありがとうございます。」
「なんだったのか聞いてもいいか?」
「・・・・・・そうですね。レインさんには、話しておこうと思います。」
「辛いなら別に後でいいんだよ。」
「いえ、これは私に対してもけじめになりますから。」
それから俺とユフィーは、話をするために埃の積もっている家を軽く掃除をして、テーブルの向かい同士に座り、話をする事にした。