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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
六章 ヘイブル王城編
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第9話傷跡


ユフィーの治療と人質になっていた女性の治療をすませ、全員で現状を確認していた。


「で、この女性は誰なのか知っているのかユフィー?」


「・・・・・・はい、一応知っています。」


「教えてもらえるか?」


「・・・・・・この国の王女様のマリア様です。」


「そうか。」


どうやらユフィーは、それ以上は話したくないらしく黙ってしまった。

それにしても肩に担いでいたのが王女様って、逆に言えば王様はどうなっているのだろうか?

これは、ルードさん達と合流する前に、調べる必要があるな。


「ひとまず王様が無事か調べてから、ルードさん達と合流しようと思う。」


「俺もそれがいいと思う。」


「僕も賛成です。」


「それがいいわね。」


「私もそれでいいと思うわ。」


「レインお兄ちゃん賛成です。」


「・・・・・・私が王様のいそうな場所を案内するわ。」


その後まだ目を覚まさない王女をレド、グレン、ミリー、リリーの4人でこの場に残りながら守り、俺とユフィー、ライナで王様の安否の確認をする事になった。


「それじゃあ、いってくるよ。」


「レイン、それにユフィーとライナも気をつけてね。まださっきの人が何処にいるかわからないから。」


「ああ、わかってる。」


「了解してますわ。」


「はい。」


リリーに俺たちは返事を返してその場を後にした。

それから俺たちは城内の謁見の間や、王様の控え室、私室などをみて回ったが、王様はそこにはいなかった。


「・・・・・・後は、後宮だけです。」


後宮ってあれか、昔ユーリさんが教えてくれたが、王様の奥さん達が住んでる場所か?


「そこにいってみよう。」


「わかったわ。」


俺たちが後宮にたどり着くと、そこが建物の中で一番損傷がひどかった。

入り口からして、激しく壊されていた。


「無事な人を探そう。」


「ええ。」


「了解よ。」


ひとまずは3人で手分けをして、まだ生きている人がいないか探す事にした。


「それにしても、何処もかしこもひどい有様だな。」


軽く周りを見渡しても無事な場所を見つける方が大変だ。

やはり、こうして見て回っても、見つかるのはすでに息を引き取っている人ばかりだな。

そういえば、魔族って言っても姿は獣人よりも、人族に近いんだな。

見ただけでは、判断ができないほど見た目は似ている。

そんな事を考えながら生きている人を探していると、


「そんな!しっかりしてください!」


ユフィーの叫び声が聞こえてきた。

急いで声がした方に向かうと、そこにはユフィーと、傷だらけな男の人がいた。


「ユフィー、その人は?」


「この人が王様です。」


「ライナそうなのか?」


「私は直接会ったことはないけど、遠目で見た姿と一緒だわ。」


どうやら王様であっているらしい。

それにしても、このユフィーの反応はもしかして・・・・・・いや今はその事については、後回しでいいや。

俺はすぐにその王様の状態を確認する事にした。


「レインさん、この人はどんな状態ですか。」


「正直このままだと危険だな。ライナすまないが、リリー達と合流してルードさんを見つけてきてくれ。」


「わかったわ。後で説明してね。」


最後は俺にだけ、聞こえる大きさでいい、すぐにきた道を戻って言った。


「なあ、ユフィー。今回はグレンの時と違って間に合ったから良かったけど、次やったら怒るからな。」


「・・・・・・ごめんなさい。自分でもわかってます。過去にけじめをつけたつもりだったの。けどいざ目の前に現れるとどうしてもダメだったの。」


「深くは聞かないよ。いつか話したくなったら話してくれればいいよ。」


「レインさん、ありがとうございます。」


俺はユフィーに、1人で先に行ったことは、軽い注意で終わらせた。

そして今悩んでいることは、多分王様と王女様の事だとは、わかっているが無理に聞き出さず本人が話してくれるのを待つ事にした。


「それにしても、王様以外は全員ダメだったか。」


「レインさん、それが奥様が1人いなかったんです。」


「?俺やライナが探していた場所にいたんじゃないのか?」


ユフィーがいう奥様の1人は多分俺かライナの探していた場所にいたのだろう。

見つかったとしても、残念ながら死んでいるかもしれないが。


「いえ、あの人は部屋からは出ませんから。」


「?知っている人なのか?」


「はい、マリアの母親です。」


やはりユフィーは、王女様と知り合いなんだろう。

なんとか隠そうとしているが、時々普通に呼び捨てにしているぐらいだしな。

しかし、母親がいないとはどういう事なんだろうか?

そういえば、あの男は王女様を担いで何処に連れて行こうとしていたんだ?

なんとなく嫌な予感がするな。


「レイン待たせた。」


ちょうどその時ルードさん達が現れた。

その後ろにはどうやら意識が戻ったらしく、王女様も一緒にきていてユフィーをみると、


「ユフィーお姉様!」


いきなりユフィーに抱きついた。

てか、ユフィーがお姉様って、そういう事はユフィーとルナは王族なのか?

なんかますます謎が深まった。


「レイン、悩んでる暇があるなら、治療を手伝え!」


俺はルードさんに言われ、王様の治療を手伝う事にした。

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