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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
一章 ジルド村の日常
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第5話完全包囲

教会での勉強が終わると時間的には、昼過ぎくらいになっていた。

俺はリリーと他愛のない話をしならがら今朝の約束通りリリーの父親であるアレスさんに会うことになった。


リリーの家に向かっている時の話としてはもっぱら教会での事で、


「なあ、リリー今日は話って何処までわかった?」


「とりあえず“恩恵”の話はなんとなくわかったぐらいかな。他の話はいまいちわからなかったわ。」


「だよなー、あまり考えても世界の成り立ちとか興味ないからだめだな。」


「私も、“恩恵”には興味あるけどそっちは全然。」


「それにしても来年の今頃じゃないと“恩恵”をもらえないのはちょっと不満だな。」


「それは仕方ないわよ。ユーリさんも言ってたけどある程度歳をとった後じゃないと危険なものもあるんだもの。」


そんな会話を続けていた。


しばらくしてようやくリリーの家が見えてきた。

そして家の前には、リリーの父親のアレスさんが腕を組んで立っていた。

家に近づくにつれてアレスさんも俺たちに気づいたらしくこちらに手を振っている。


「やぁレイン君待ってたよ!それとリリーおかえり。」


「どうもおじさん。」


「お父様、私はレインのおまけですか?」


リリーは口を尖らせながらアレスさんに文句をいっていた。


「ハハハ、リリーそんな事はないよ。それよりヘレンが昼食の準備をしているから、手伝ってきてくれるかい?」


「お母様が?まぁ今は騙されてあげるわ。」


そう言い残してリリーは家の中に入っていった。


「じゃあレイン君少し話をしようか、まだ昼食ができるには時間があるから中ではなく歩こうか。」


アレスさんは俺の肩に手を回して家から少し離れた場所に俺を連れていった。


目的の場所につくとアレスさんは俺と向き合う形で振り向き、


「予想しているだろうけど、単刀直入にいうよ。レイン君、リリーと結婚してくれるかい?」


アレスさんはふざけたり茶化したりなく真剣な表情で俺に言ってきた。

なので俺も真面目に思っている事を口にした。


「俺はリリーが好きだから自分から言いたいと考えてます。それは間違いないです。それより何故俺の両親や他の人たちもそうだけどそんなに結婚をいそがせるんですか?」


そう言うとアレスさんは俺の肩に手をおき


「レイン君それは君たちがもう直ぐ成人になり、冒険神の加護を手に入れるだろうからさ。まぁ君も家に帰れば話を聞くだろうが、“恩恵”の種類によってはつらい運命が待っているかもしれない。そんな時に絶対に味方になってくれる存在は必ず必要になってくる。

何故両親じゃ駄目なのか疑問に思うかもしれない。それは簡単でいつまでもずっとそばには居られないからだよ。様々な事によって別れの時がきてしまうからね。それにたいして君とリリーは離ればなれになる時があろうとも必ず互いを見つけだしまた一緒に歩んでいける。まぁわたしの勘なんだけどね。」


「はぁ、勘ですか。でもいいんですか?」


「結婚がかい?もちろんリリーには言ってあるけど、今回里帰りした時に教会の総本山に連絡のとれる支部に結婚の書類を提出するつもりだよ。」


「なんか俺だけ当事者なのに置いていかれてる感がすごいんですけど。」


「諦めてくれ。もう君の両親にも許可をもらっているからね。」


おそろしいことに、完全に外堀を埋められてしまった。

どうせなら自分でしたかったのに。

俺はうなだれながら


「了解です。」


「すまないね!・・・・・・急がないと間に合わないかも知れないから。」


「えっ!何かいいましたか?」


「ハハハ、何でもないよ!これからもよろしくレイン君。」


そこでアレスさんとの会話が終わり俺の家ではなく、リリーの待っているアレスさんの家に連れていかれてこれから3日後に里帰りする時の計画と、リリーの両親がいる前でリリーにプロポーズさせられる地獄を味わった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


another side


レインが幼馴染のリリーちゃんにプロポーズをした夜。

父親である俺ガイルは、リリーちゃんの親父であるアレスと呑んで話していた。


「まったく、レインにはショックだ!俺を置いて結婚しちまうなんてな。もう立ち直れない。」


「何冗談いってる。今回の件はお前がやったんだろ!それにあの話は本当なのか?いまだに信じがたいのだが。」


「確実だろうな。あの人の予言は外れないよ。良いことも悪い事も・・・・絶望的な事も。」


「何故そんな事が言いきれる!外れるかもしれないだろ!!それに今回結婚を早める事でずれたじゃないか。」


「いやそうでもないだろうよ。一番の問題はレインの受け取る“恩恵”だからね。もし予言通りだったら・・・レインには辛い思いをさせてしまう。あいつを壊れないようにするにはリリーちゃんが必要だよ。」


言い終えると俺は手元にある酒をいっきに呑んでアレスに向き頭を下げ


「もしもの時はレインを頼む。」


俺にはもうこうするしかない。

レインが受け取る加護が予言通りになってしまえば俺はたぶんそばに居られないだろう。

その時はリリーちゃんや目の前の友を頼るしかない。


「ふん!らしくないな。お前が最期まであがいたなら考えてやる。」


「それは心配ない!なんせ俺はレインへの愛情はリリーちゃんよりはるかに上だからな!」


「馬鹿いうな。」


その会話を最後に後は二人して酔い潰れるまで飲みまくった。


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