EXTRAー1追ってきたもの達
時系列は四章と五章開始前になります。
2017/8/22 3000PV突破しました。
いつも読んでいただきありがとうございます。
another side リリー
大司教様と一緒にレインのいるシルフィーナを私は目指していた。
道中は魔獣の危険もあまりなく順調に進めて、数日間で目的の場所にたどり着く事ができました。
「ここに儂の孫がいるのじゃな?」
教会の前に着くと大司教のサイアスさんがそう呟いていた。
私も最初聞いた時には驚きました。
レインのお祖父様が教会の大司教だなんて知りませんでしたから。
ただ私の両親は知っていたらしいですけど。
それから大司教様を先頭に教会に入っていくと、すぐに神父様が近づいてきました。
「お久しぶりです。大司教様、それにユーリ副団長も。」
「おいおい、私はもう副団長じゃないよ。それよりレイン君はまだここにいるのかい?」
「それが・・・・・・」
私達をみて神父様は、話を聞かせていいのか迷っているようでした。
「かまわんよ。身内のようなものじゃ。」
「かしこまりました。少し前にこの街の時計台付近で戦闘があったらしく、レイン君は重体でこちらに運ばれてきました。」
「レインが!大丈夫なんですか?」
私はレインが重体と聞いて思わず大声で叫んでしまいました。
「あっ!すみません。」
「いえ、大丈夫ですよ。レイン君の状態なんですが、わからないと言うしかないんです。」
「どういう事じゃ?」
「外傷も内部の損傷もないのに重体なんです。」
「なんじゃそれは?」
「精神攻撃のせいなのか、はたまた全く知らない方法で攻撃を受けたのか不明なんです。」
「むぅ!それは後で調べなくてはの。」
うーん。
私としては、レインが今重体という事さえわかればいいのだけれど、レインのお祖父様は他に気になるらしいわね。
「あれ?お前達は!」
声がした方を向くと、そこにはルードさんが全身包帯だらけでいました。
「よ!しかし派手にやられたみたいだなルード!」
「うるせぇよ!ユーリこそお前こっちにこれるほど暇じゃないだろ?」
「残念だな!これるほど暇なんだよ。」
すぐにルードさんとユーリさんでそんな言い合いが始まってしまいました。
今知りましたが、お二人は仲がいいのでしょうか?
するとお父様が、
「2人ともじゃれあってないで、現状を教えてくれ。」
「そうだった!すまんアレス。」
ルードさんは、それから今までに起きた事で知っている事を説明していってくださいました。
私もある程度は知っていたけど、ルードさんの説明はそれよりも酷いものでした。
レインは話してくれていないらしいのですが、どうも両親のうちメアリーおば様は、目の前で殺されてしまっているかもしれないらしいです。
そんな状況の時に、近くに居れなかったなんてとても悔しい。
そして今レインの目的は表面上は、仇を見つけ出し何故襲ってきたのかを、聞きたいという事らしいのですが、実際に仇の1人とあったら冷静さをなくしてしまいそうになったらしい。
そして今はその時の事が原因らしく、眠ったままになっているそうです。
「その、ルードさん。レインに会えますか?」
「あっても寝たままだぞ?」
「構いません!場所を教えてください!」
私がすごい勢いでたずねると、ルードさんは観念したように、レインのいる場所を教えてくださいました。
「ありがとうございます!お父様、お母様レインの様子を見てまいります!」
私は居ても立っても居られずに、その場所からレインのいる場所へ向かいました。
その時のルードさんが、何か言っていたようですが私は気づきませんでした。
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another side ルード
俺は部屋で安静にしているのに飽きて、暇つぶしも兼ねてグレンのいる場所に行こうと教会内をぶらついていると、ユーリやアレス達を見つけたので声をかけた。
そのあとはレインのいた村で起きた事から今日までにあった事を教えていった。
それを言い終わると、
「その、ルードさん。レインに会えますか?」
リリーがそう聞いてきたので、一応レインのいる場所を教えた。
「ありがとうございます!お父様、お母様レインの様子を見てまいります!」
そう言い残してレインのところに向かってしまった。
俺はあわてて、
「やべ!今レインの部屋には獣人の子がいるからな!」
一番大事な奴隷の話を忘れていたので、急いで伝えようとしたが聞こえていなかったのかいってしまった。
「あれ、やばいか?」
俺はアレスに聞くと、
「まあ、アレだ!なるようになるさ!それより俺たちにもその話しっかり教えろ!」
それから俺たちはしばらく大人のみで、情報交換をする事になった。
まあ、レインの部屋が平和である事を祈っておくか。
あと1話か2話が番外編になる予定です。