第4話王国騎士団
One day side メアリー
「なんで私たちこんな所にきてるのかしら?」
「仕方ない。うちのお姫様が言い出した事だからな。」
「それを諌めるのがあなたじゃない!」
「それは、無理だな。」
私たちはアストラ王国所属の騎士団っとはいうものの、様々な騎士団から引き抜かれた部隊です。
私は王国騎士団の王都守備部隊所属だし、話している人、アレスは王国騎士団の近衛部隊所属です。
ではなぜ今一緒にいるのかといえば、その原因は王国の第四王女であるヘレナーレ様にある。
ヘレナーレ様はどこで知ったのか、今とある街の近くに災害級の魔獣であるグランドウルフは出現した事にたいして、討伐隊として自らが選んだ者達を連れて行くと王様に直談判したらしい。
てっきり王様は許さないだろうと思ったら、面白そうだという理由であっさり許可してしまった。
その結果が今にいたる。
「災害級討伐に王女様を向かわせちゃって大丈夫かしら?」
「おいおい!逆だよ。災害級だからこそ王族が討伐隊を率いている事が必要なんだよ。」
「なんでよ!」
「危険な魔獣は国のしかも王族の指揮によって討伐されたとなれば、国民は今の王族に感謝などをするだろ?」
「結局は今の王様も子供を道具として使うのね。」
「そりゃ仕方ないさ。国の中の安定無くして、外の安全を確保はできないさ。」
「あなたはだからヘタレなのよ。」
「それは言わないでくれ。」
やっぱりいつの世も王族なんて嫌なものね。
まあ私とアレス、それに第四王女のヘレナーレ様は、騎士団所属の時からの付き合いだからいろいろ苦労してるのはわかるけど。
さらにはアレスがヘレナーレ様にベタ惚れなのも知っている。
「あなた達なんの話ししているのかしら?」
「ヘレナーレ様!ただアレスがヘタレって話していただけですよ。」
「おい!メアリーそれはないだろ?」
街に近づいてきたためか、私たちの会話にヘレナーレ様も参加してしばらくは雑談をしながら街の中に入っていった。
「おい!きいたか?またガイル団長がやったらしいぞ?」
「あの人は今度はどんな魔獣を倒したんだ?」
「なんでも討伐対象の魔獣を一人で訓練のおまけに倒したんだってよ!」
「毎度のことながら流石だな。」
街の人がそこらかしこでそんな会話をしているのが聞こえてきた。
討伐対象の魔獣を一人で倒すのがそんなにすごいのでしょうか?
せいぜい単独で倒せるんなら中級かよくて上級くらいじゃない!
私たちはこれから挑むのはその上の災害級よ。
「ここの騎士団は、確か教会の聖典騎士団だよな?」
「そのはずよ。正直単独で倒せるくらいの魔獣でこれなんてたるんでるわね。」
「だな、ヘレナーレ様。」
「私もきいてました。直ぐに教会に行って忠告いたしましょう。」
その後は誰が付き添いでいくのかを騎士団で話し合い、その騎士に直接文句を言いたい私とアレスが付き添う事になり教会に向かいました。
「お初にお目にかかります。私はヘレナーレと申します。この者達はアレスとメアリーでございます。」
教会につき、ヘレナーレ様がそう挨拶をする。
すると協会側の目の前にいる人たちが挨拶してきました。
「これはヘレナーレ様遠路はるばるありがとうございます。わたしはサイアスで、こちらが。」
「俺は聖典騎士団団長のガイルだ。」
「おま!ごほん。副団長のユーリです。」
なるほどこの人たちが騎士団の者達ですか。
ならば早速この人達の根性を叩き直してあげましょう。
「すみません!ガイルさんあなた達は騎士団所属として恥ずかしくないんですか?」
「え?俺?」
「そうです!一人で魔獣を討伐した程度で満足をするなんてありえませんよ!」
「ごめん。話が見えないんだけど?」
「今から私達と決闘してください。」
「はい?別にいいんだが、ちゃんと説明してくれ。」
なんですかこの人は!
自分のしている事が恥ずかしくないのでしょうか。
信じられません!
ヘレナーレ様とアレスを見ると、2人も同じようでガイルという人を睨んでいた。
「はあ、団長何したんですか?」
「いや俺は何もしてないだろ?」
「私に聞かないでくださいよ。とにかく決闘でもなんでもいいんで、とっとと済ましてくださいよ。今回のアレの後始末があるんで。」
「何行ってるんですか?あなたもですよ!」
この副団長も他人事みたいに、同じ騎士団なのに酷いものだわ。
「とりあえずえーと。」
「メアリーよ。」
「そうそうメアリーさん、とりあえず教会の外でやればいいか?」
「ええ、かまわないわ。」
私たちは教会の外で決闘をする事に決まったのでした。