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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
五章 家族の過去
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第3話魔獣


「さてと何から話していくべきかな。話すべき事が多くて少し迷うな。」


サイアスさんはそういってきた。


「では、ガイル団長の過去からがいいんじゃないですか?」


「そうだな。そうしよう。」


ユーリさんはサイアスさんにそう話しかけ、サイアスさんは俺たちに父さんの話をはじめた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


One day side ガイル


「グルルルル!」


「おいおい!これはまた大物だな。」


今俺の前には、巨大な狼型の魔獣がいた。


「グァー!」


「おせーよ!」


俺に飛びかかってきた魔獣を、俺は固有スキルの加速(アクセル)を使い、魔獣の右前足を持っている剣で斬り飛ばし背後に回る。


「グギァー!」


「なんだ弱っちいな!」


魔獣は痛みで蹲っていて動きそうにないから、トドメとして首を斬り落とした。


「いっちょ上がり!それにしても最近ここいらにも、魔獣が増えてきたな。しかもこいつは災害級のクラスか!」


今倒した魔獣を改めて観察をしてみると、普通の魔獣と異なっていて異常に発達しているのがわかった。


この世界では魔獣がいるが、そいつらは全部危険度によってランク分けがされていた。

存在しても脅威にならない初級。

人に被害を出す中級。

討伐隊が結成される上級。

騎士団が派遣される超級。

国で対処が必要といわれる災害級。

こんな風に分けられている。


俺が今倒したのは、本来中級の分類に入るものなのだが、その姿は異常に発達していたので多分災害級なのだろう。

もっとも俺の固有スキルの加速にかかれば、どんなクラスの魔獣でもミスらなければ、確実に倒す事ができるからな。


「団長〜!どこですか?」


やべぇ!

俺は今、教会の聖典騎士団の新人の訓練でここにきてたんだった!

ちょっとヤバイ気配がしたから、思わず1人で飛び出したのがユーリにバレたら説教だな!

何とかしてこの場を誤魔化そうと考えていると、


「やっと見つけましたよ団長!目を離すと直ぐこれなんですからって!何ですかこの魔獣??」


「いや〜、それは何ていうかいたからとりあえず倒したって感じだな!」


バレたので仕方なく開き直ることにした。


「なにちょっと買っちゃったみたいなノリで魔獣倒してるんですか!新人の訓練なんですから、危険を先に排除しちゃダメじゃないですか!」


「いや、よく見ろこいつ災害級だろ?」


「はあ?ってこいつ手配中のグランドウルフじゃないですか!災害級だろ?じゃなくて災害級ですよ!」


「やっぱりか!しかし弱かったぞ?」


「そりゃ団長の固有スキルならそうでしょうけど、普通はかなりの人数で倒す魔獣ですよ!」


相変わらずユーリは大げさなやつだ!

そう今話している相手は、副団長のユーリと呼ばれているやつだ。

親父の策略で聖典騎士団の団長は俺として、どんな事が起きても対処できるユーリを副団長につけてきやがった。


「はあ、これを報告するなんて頭がいたい。」


「頑張ってくれよユーリ。それより新人はどうしたんだ?」


「全員もうじきくるだろ。」


ユーリは頭に片手をあて頭を振りながらそう答えると、


「団長〜!副団長〜!ようやく追いつきましたよ。」


俺たちのところに4人の完全装備した男達が、肩で息をしながらやってきた。


「全員お疲れ!道中危険はなかっただろ?」


「団長、流石に中級クラスでも、数が多くて大変でしたよ!それに途中で副団長も、私についてこいって無茶言うし死ぬかと思いましたよ。」


全員がそんな風に俺に報告をしてきた。

しかし中級で手こずるとは後で模擬戦で鍛えないといけないな!


「団長ところで、それなんですか?」


「うん?ああ、こいつか?雑魚魔獣だ!」


「んなわけないだろ!グランドウルフだぞ!」


「グランドウルフって災害級じゃないですか!団長と副団長で倒したんですか?」


「いやこの団長(バカ)1人で倒した。今日はこれを回収しなきゃだから訓練はここで終わりで撤収だ。」


「り、了解です。」


全員でなんとかグランドウルフの死骸を運びながら拠点の街へ帰っていった。


「おい!あれ見ろよグランドウルフじゃないか?」


「災害級を討伐してきたのかよ。」


「流石聖典騎士団の団長の部隊だな!」


街に入るとグランドウルフなんていう魔獣を運んでいるためか、至る所から人の話し声が聞こえていたが無視をして親父の待つ教会にいった。


「ただいま帰還しました。」


「うむ、ご苦労。してどうだった?」


「訓練で隊の問題点が見つかったので、後ほど改善していきます。」


「そうか他に何かあるか?具体的には入り口のあれについて。」


「とくには。」


「とくには、じゃないだろ!大司教様こいつ単独でグランドウルフを討伐したんですよ!」


なんだユーリそんな事は大司教様である俺の親父もわかってるだろ。

そう思いながら親父をみると盛大に顔を引きつらせながら、


「ガイルお前またか!」


「いや弱かったから倒したんだよ。」


「いや別にそれが悪いんじゃない。はあ、災害級の魔獣がなんなのかわからなくなった。」


「災害級は図体がでかい魔獣だろ?」


「ガイルお前は、だまってろ。」


なんだよ親父、俺はとりあえず魔獣倒したのはまずかったのか?


「ガイル、それにユーリ。あれを倒すために儂たちの騎士団とは別に国の騎士団を送ってきてたんだよ。」


「それなら安心ですね!まだ多分あそこにいるから!」


「ガイル見てきたのか?」


「大司教様確実にこいつの勘ですよ。」


失礼な!

災害級にしてはさっきのやつが弱かったから、強いのが別にいるだろうと考えただけだろ!


「失礼します。王国騎士団第2部隊到着しました。」


入り口からドレスを着た女性と、その両隣に男性と女性が一人づつこちらに近づいてきた。


「お初にお目にかかります。私はヘレナーレと申します。この者達はアレスとメアリーでございます。」


女性はそう名乗った。

あれ?ヘレナーレってこの国の王女様じゃなかったっけ?

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