第3話幼馴染
いつも通りの出来事を見ながら急いで朝食を食べ、教会に行く支度をしていると玄関から
「おばさま、レインはおきてしまってますか?」
「残念ながら、ガイルが起こしてしまったわ。」
「またおじさまに先をこされてしまいましたか。」
「大丈夫よ、つぎはガイルを埋めておくから安心して!」
「おばさま!ありがとうございます。」
「何いってるのよ、私の将来の義娘じゃない。」
「お義母さま。」
何故だろうまたしても俺の事なのに、完全に当事者を無視して外堀が埋められていっている。
というか、父さんつぎはついに埋められるんだ。
頑張れ父さん!
まぁ今母さんと会話しているのが幼馴染のリリーだ!
俺の家族とは、生まれた時からずっと一緒だ。
最近は母さんの影響が強いのか、俺に猛烈な勢いでアプローチしてきているし、村規模でみんなして俺たちをくっつけようとしてきている。
別に俺自身リリーの事は好きなので問題ないのだが何か急ぐ理由があるのだろうか?
そんな事を思いながらまだおそろしい計画を立てている2人に近づいていき
「リリーおはよう!」
俺がそう挨拶するとすかさず
「あら、レインおはよう。結婚式はいつにする?今?それともすぐ?それとももう?」
「リリー、それ全部いっしょだし。」
「レインの恥ずかしがりなんだから。」
「それはひとまず置いておいて、もうじき教会に行かないとユーリさんに怒られるよ。」
「それもそうね、・・・・ヘタレ。」
「うん?何かいった?」
「いいえ、なにもいってないわ。」
なんとかリリーを説得?できたが最後になんかボソッといったような
「ほら、あまりここでいちゃいちゃしてるとガイルがヤキモチやいて邪魔してくるわよ。」
母さんが俺とリリーをはやく行くようにいってきた。
実際だいぶゆっくりしていたので少し急がないとまずいかもしれない。
「じゃあ母さん、いってきます。」
「おばさま、いってきます。」
2人で挨拶をして家をでて教会へと向かう事にした。
「あっ、そうそう父様が後でレインに話があるって言ってたよ。」
「え!おじさんが?何のはなしだろう。」
「もうじき私達の家族が毎年の恒例の里帰りをするからその事じゃない?」
「そういえばそんな時期か。」
リリーの家族は、毎年決まった時期にこの村の外のアストラ王国にある街に住んでいる、おじいさんとおばあさんに会いに行っているらしい。
ちなみに俺の場合は過去に父さんに聞いてみたときは、
「ねぇ、父さんうちにはおじいさんとおばあさんっていないの?」
「レイン、ついにこの質問がきてしまったか。」
父さんは、いつになく真剣な表情で腕を組み少し空を見上げた。
しばらくして俺の両肩に手をおいて、
「よく聞くんだレイン。」
俺は次の言葉をまった。
「いままで秘密にしていたのはすまない。じつはな・・・・。」
そう言って父さんは手にさらに力をいれていった。
そして父さんの背後には笑顔の母さんがたっている。
いつきたのかもわからいけど笑顔が怖い。
「レインお前のじいちゃんとばあちゃんは・・・・二人づつ存ざぐはぁ!」
何かを言いかけて父さんは母さんによって殴り飛ばされた。
「レイン、おじいさんとおばあさんはちゃんといるわよ。ただここからかなり遠い場所に住んでるからリリーちゃんのところと同じ様に簡単にいけないのよ。」
母さんはそう説明して殴られてのびている父さんの片足を掴んで引っ張って部屋にひきずっていった。
その後その部屋からは
「ぐはぁ!がはぁ!ちょっまっギァー!」
そんな悲鳴がしばらく聞こえ続いていた。
なんだか家族の会話を思い出すたんびに父さんは、なんだかんだで母さんにボコボコにされてるな。
その後もリリーと二人で他愛のない会話をしながら歩いていると教会にようやくついた。
教会の扉を開けて建物の中に入っていくと
「やぁ待っていたよ!レイン君リリーちゃん!今日も二人でいちゃいちゃしながら来やがって!マジありがとうございます。」
変人神父が土下座してきた。




