第6話招待状
結局昨日はグレンが忘れ物を取りに教会に戻ると言った後、俺たちと合流する事がなかったので、今日はグレンを全員で探すことになった。
「グレンの奴はありえないっす!レインさんやルードさんに迷惑をかけてるっすよ!」
「ギギの言う通りだ。」
朝からギギとレドは、グレンの行動に怒っていた。
「まあ、あいつの気持ちもわからなくはないが。」
「そうね。こればかりは駄目ね。」
ジェイドとユフィーは、気持ちはわかるものの行動には怒っているらしい。
他のみんなも差はあれど同じようだった。
「まずはグレンを探し出すのが先だな。」
ルードさんは、そういって行動の方向を決めた。
確かにまずはグレンを見つける事が大事だな。
それからは、効率よく探すために何人かずつにわかれて、街の中を探す事になった。
おれは、ミリーとレンと一緒に探す事になり、準備をしてから宿をでた。
「それにしてもグレンは何処にいったんだろうな。」
「レインお兄ちゃん、グレンお兄ちゃんは鼻がいいから、きっと匂いを追っていったと思うんだけど、私だと鼻よくなくて追えなくてごめんなさい。」
「私もそこまで鼻よくないから無理だわ。」
「こればっかりは仕方ないよ。」
獣人にも向き不向きがあるらしく、グレン以外は匂いを追跡する事ができないらしい。
それ故にしらみつぶしに、街を探すしかなかった。
「しかし、早く探し出さないと、グレンが危ないかもしれない。」
「レインお兄ちゃん、きっとそうだよ。」
「絶対1人で村を襲った人を探してるよ。」
きっとそうに違いないだろう。
この街に入ってからずっと悩んでいたみたいだったから。
もう少し話していればよかったかもしれない。
「それにしても何かてがかりでもないものかな?」
「まったくないみたい。」
駄目だ!
探し出そうにも、何処に向かったのかそのヒントすらなくて、どっから手をつけるべきなのかわからない。
3人でそんなふうに考えていると、
「お兄さん達、ちょっといいかな?」
この街の住人なのか?
知らない男性が話しかけてきた。
「何か用ですか?」
「この手紙を渡して欲しいと頼まれてね。」
「え?誰からですか?」
「あっちの女性からだけど?」
その男性の指差した方を見るが、そこには誰もいなかった。
「あれ?おかしいな、さっきまで居たんだけどな。とりあえず渡したから。」
男性はそう言い残して去っていってしまった。
おれは手紙の封筒に名前でも書かれていないか表と裏を確認するが、手紙の封筒にはやっぱり何も書いていなかった。
仕方なく封筒から手紙を出して読んでみることにした。
親愛なる器様へなの!
あなたの面白いペットは預かったなの。
返して欲しければ、この街のはずれにある時計台に来いなの!
来なければペットは処分するなの。
あまり遅いと処分しちゃうなの。
手紙にはこんな事が書かれていた。
そして手紙と一緒にグレンのギルドカードが入れられていた。
「くそ!ミリー、レンすまないが急いでこの事を他のみんなに伝えてくれ。俺は先に行って様子を見てみる。」
「レインお兄ちゃん、わかりました。1人で無茶しないでね?」
「私も急ぎます。全員が揃うまで待っていてよ。」
「ああ、ミイラ取りがミイラになったら意味ないから、時計台の近くで待っているよ。」
俺とミリー、レンはその場でわかれて、それぞれ行動を開始した。
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another side レジーナ
さてさて私は今ゲームの準備中なの!
とても幸運な事に、以前失敗して手に入れられなかった器を見つけてしまったなの。
あのお方は、別の器を手に入れたので今となっては、邪魔なものなの。
だから私は見つけた以上とっとと処分をするなの。
「ううぅー。」
「うるさいなの!餌は黙ってるなの。」
器を見つけるきっかけになったペットがうるさいので鞭で打ってやったなの。
そしたら静かになったので、スッキリしたなの。
「これでバッチリなの。」
ようやく準備完了なの!
招待状も渡したし、歓迎の支度も終わったし完璧なの。
後は到着を待つだけなの。
それにしても、イワンは封印の破壊が終わったら、相変わらず無言ですぐに帰ってしまって付き合いが悪いなの。
まあ、私1人の方が楽しめるから構わないなの。
ああ、早くきて壊してやりたいなの!