表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
四章 VSレジーナ
43/180

第5話無謀の代償

another side グレン


僕はシルフィーナに到着して、教会に向かう途中で、僕たちの村を襲った人物と同じ匂いがしてきた。


「な!この匂いは!」


おもわず声を出してしまった。


「どうしたんだ?」


ルードさんが僕の声に反応して聞いてきた。


「あ!すみません。その村を襲った奴の匂いがしたもので。」


僕はその匂いにどうしても怒りがこみ上げてきた。

それをなんとか抑え込んでいると、


「グレン、気持ちはわかるが教会に先にいくぞ。」


「・・・・・・わかりました。」


理屈では僕もわかっている。

今、この匂いをたどって、その人物を見つけ出した所です何もできずに負けてしまう。


けれど僕の感情では、今すぐ追いかけて奴を殺したい。

他のみんなはどう考えているのかわからないけど、僕はチャンスさえあれば絶対に見つけ出してやる。


そんな事を考えていると、いつの間にか教会についていた。

ルードさんとレインさんが神父様と何か話して、それから神父様がギルドカードを取りに奥へといってしまった。


「しかし、全員“恩恵”が貰えるかためすんですか?」


「まあ一応な。人族と獣人では成人の年齢が違うらしいからね。」


ジェイドとレインさんがなんで僕たちみんな、像に祈りを捧げるのか話し合っていた。

なるほど、成人の年齢が違うのなら、僕も固有スキルが手に入れられるかもしれない。


その後、神父様がギルドカードを持って戻ってきた。

それをみんな受け取って、1人づつ像に祈りを捧げていた。


僕も無事に祈りを捧げると、ギルドカードに固有スキルが現れた。

僕の固有スキルは錬金術(アルケミスト)だった。

僕はこのスキルを知っていた。

僕の一族はみんな似たような固有スキルを手にしていたためだ。

だから多分、僕のも材料さえあれば道具を作り出せるスキルだと思う。


僕は、戦う事は苦手で訓練の時でも、自分で罠を仕掛けたりしてそこに誘導するといった事をしてきた。

この固有スキルは、僕にとっては相性が最高だ!

これで絶対奴を追い詰められる。


みんなが終わった後は、神父様に案内されて談話室で、今回の襲撃の詳細を聞いた。

途中でレインさんが襲撃者の特徴を、詳しく聞いていたみたいだったけど、僕はどうやって奴を探すために、みんなと別れるかを考えていたためあまり話を聞いていなかった。


神父様との話が終わると、外はもう夕暮れになっていた。

今日はこの後神父様の紹介してくれた宿に泊まる事になり、場所の説明を聞いた後みんなで移動することになった。


移動している途中で、やはり匂いがしていたため、どうしても感情が抑えられなかった。

これは裏切り行為だとわかっていたが、やっぱり我慢することができなかった。


「あっ!すみません。僕教会に忘れ物したみたいです!」


とっさに嘘をついてしまった。

レインさんや他のみんなは、忘れ物を1人で取りに行こうとする僕を心配して声をかけてくれた。

僕は一緒に行くよと、いってくれたレインさんに1人で大丈夫といいその場をあとにした。


みんなと別れてからは、ひたすら匂いを追いかけて街を徘徊して行くと、どうやら匂いの元は、街のはずれの方からしてきているみたいだ。


僕は強く匂いがする街はずれの古びた時計台の前まで来た。

間違いない、奴の匂いが一番強い。

時計台には、施錠されているドアがあったので、奴はきっと中にいるのだろう。


僕はドアに手をつき、昔父さんがやって見せてくれたように固有スキルが発動するか、ドアが瓦礫になるイメージを思い浮かべた。

するとドアは光った後、イメージ通りになっていた。


ドアの奥には地下へと続く階段があったので、慎重に降りていく。

階段を降りきると、真っ直ぐな通路があり、同じように進んでいく。

どのぐらいの距離があったかわからないけど、しばらく歩いて進むと目の前に変な模様の扉があった。


ここまでずっと奴の匂いが続いていたので、多分この奥にいるのだろう。

僕は時計台のドアと同じように、この扉を開けるため手をつくと、扉がいきなり音を立てて開き始めた。


「あれあれなの?思っていたのと違う奴が封印を解いてくれたなの!」


「・・・・・・」


声が聞こえ振り向くと、初めてみる女の人と、奴がいた!


「お前が僕たちの村を襲ったせいで!」


僕は奴の姿をみたら、怒りが爆発してしまい殴りかかった。

目の前の奴は、僕の拳を簡単にかわしてしまった。

それでも僕は意地になり、なんとしても殴ろうと暴れていると、


「もう、じゃまなの!」


「うぐっ!」


前しか見えていない僕に、もう1人が鞭を振るって来た。

避けることができずに直撃してしまう。


「もう!封印を解いたんだからじゃまなの!」


鞭をくらってうずくまった僕に容赦なく追撃が振るわれた。


「まったくなの!」


何度も何度も鞭を振るわれ身体中が痛い。

僕は動くことも、体を庇うこともできず、ただ鞭を振るわれ続けていた。


「あれあれなの!面白いもの発見なの!」


僕はもはや何をする事もできない状態なってしまった。

何度も打たれている時に、気づかずにギルドカードが飛び出していたみたいだ。

女の人はそれを拾って書かれていることを見て笑っているようだった。


「運がいいなの!お前は餌になるからまだ生かしておくなの!」


「・・・・・・・」


「あれなの?意識失っちゃったなの?まあいい、早速餌を使って邪魔な元器を処分するなの!」


女の人がそんな事を言っているのが聞こえたような気がしたが、僕はそこで意識がなくなってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ