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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
四章 VSレジーナ
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第4話襲撃者

ジェイド達全員が像に祈りを捧げたところ、ミリーとルナ以外は固有の“恩恵”を受け取ることができたらしい。

どんな固有スキルを受け取ったのかは、主従関係にあっても秘密にするらしく俺も彼らがどんな恩恵を手に入れたのかはわからない。


まあ、ギルドカードや恩恵の話はその程度で、いよいよこの街に来た本当の目的。

つまりこの街が襲われた事について神父様から話を聞く事になった。


「数日前に起きた襲撃についてかい?話すのは別に構わないのだが、まだ危険な事には代わりないよ?」


「ああ、それでもその時の事を聞いておきたいんだ。」


「そうかい?なら談話室で話をしようか。」


神父様はルードさんの返事を聞くと談話室に俺たち全員を案内してくれた。

談話室は結構広く、全員が中に入ってもまだ余裕があった。

みんな好きな場所に座り、神父様の話を聞く事にした。


「あの時は突然だったんだ。いきなり大きな音が町中に響いてきて慌てて外を確認してみたら、街を守るための外壁が一部とはいえ破壊されていたんだ。騎士団の人達なんて大慌てで確認しにいっていたよ。ただ問題があったのがその破壊された場所には、1人の女性がいたらしいんだ。」


「女性がいたんですか?」


俺が聞くと、神父様は頷いてから、


「ああ、そうなんだ。いたのは変な服を着て両手に鞭をもった女性だったらしいんだ。私は結局直接は見ていないんだが、怪我をした兵士達がいっていたよ。」


それだけだと奴らの中の女かどうかわからないな。

まて、たしかあの時特徴的な喋り方をしていたはずだ。

その事を神父様に聞いてみる。


「すみません。その人喋る最後に“なの”なんてついていませんでしたか?」


「よく知ってるね。誰か別の人にでも聞いたのかい?」


「まあ、そんなところです。」


これで確定した。

シルフィーナを襲ったのは、俺の村を襲った奴らで間違いない。

しかし変だな。

奴らはゲーム感覚で俺の村は虐殺されたのに、この街では確か死者は出ていないはずだ。

そんな事を考えていると、


「まあ、その女性はかなり暴れ回った後なんでもなんか駄目だったらしくて、ぶつぶつ文句を言いながら、この街を出ていったらしいんだ。おかげで死者は出なかったものの、怪我人の数が多くてまいってしまったがね。」


なるほどな奴らが優先するほどのことといえば、邪神に関することなんだろうな。

駄目で去ったのならまた戻ってくる可能性があるんだろうな。

ルードさんをみると、俺と同じ結論に達したようでこちらを見て頷いた。


その後は襲撃の後の警備体制や、場合によっては外壁が修理できるまで魔獣対策で俺たちも街に滞在中は協力してほしいと頼まれた。


「かなり話し込んでしまって申し訳ない。」


外はすっかり夕暮れになっていたため、ルードさんが神父様に詫びた。


「いえ、こちらこそ。それにレイン君、また君の父親の話をしましょう。」


「ええ、ぜひおねがいします。」


そう挨拶をして、俺たちは教会を後にする事にした。

今日は神父様の紹介してくれた宿に泊まる事になってその場所に向かっている途中で、


「あっ!すみません。僕教会に忘れ物したみたいです!」


グレンがそう言いだした。

なんでも大切な加工道具を忘れてしまったらしい。

みんなで一緒に取りに行こうか言うと、1人で大丈夫だし宿の場所もわかるのでいいとだけいって急いで着た道を戻っていった。


その日夜遅くなってもグレンは戻って来ることはなかった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


another side 教会


レイン君達が帰ってから私は久しぶりに大司教様に連絡をとった。


「ご無沙汰しています大司教様。」


「ああ、君か珍しいな何かあったのか?」


「いくつか耳に入れておきたい情報があります。」


「どんなことだ?」


「1つは最近こちら側の村が何者かによって連続で襲撃されました。この街も含めてです。」


「なるほど、しかしそれだけで連絡をよこした訳ではないだろ?」


「はい、襲撃した者は封印を解こうとしているようです。」


「わかった。こちらでも対策をしておこう。」


「ありがとうございます。もう1つは、ガイル団長の息子さんに会いました。」


「!!本当か?無事だったか?」


あれ?なんで大司教様が慌てるんだ?


「ええ、剣聖と行動を共にしてましたので、しかしガイル団長も鬼ですよね。息子さんに剣聖と旅させるなんて。」


「聞いてないのか?」


大司教様は変な質問をしてきた。

聞いていないとはなんのことだろうか?


「息子は、ガイルは殺されたんだ。」


「は?」


「息子の暮らしていた村が襲撃されて、今のところ襲撃時に村にいた者は、ガイルの息子以外全員死んでる。」


なんと言うことだ!

あの団長が殺されたなんて悪い冗談にしか聞こえない。

しかし、大司教様が言う以上本当のことなんだろう。


「してガイルの息子はまだそこにいるのか?」


「はい、しばらく滞在するらしいです。」


「そうか。儂も会って話したいことがあるから、なんとか足留めしておいてくれ。」


「了解です。」


それで連絡は終了した。

しかしガイル団長を殺したのはどんな奴なんだろうか?

そういえば昼間レイン君は、この街を襲撃したものの事を詳しく聞いてきていたが、まさかなそんな事はないだろう。

私は明日の炊き出しなどの準備をするためにその場を後にした。

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