終章悪夢
another side 闇
「どうやらレジーナかイワンはうまくやっているみたいだな。」
私は満足気にライケル達にいった。
私の力の封印が無事に解かれたのを感じたからである。
しかしまだ封印前のように、強大な力は使えないのは変わらないのでまだ計画を実行には移せない。
それにもう1つの封印が解けたとしても、まだ残りの3つの場所がわかっていないのでさらに時間はかかるだろう。
しかし今の私はついに目的に近づけた事により機嫌がいい。
せっかくだから眷属にかけている制限を緩めてやって、奴ら3人の反応でも楽しませてもらうか。
さてどんな表情を浮かべるのか、拝見させてもらおう。
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another side ???
あれ?
私は今まで何をしていたのだろうか?
突然意識がはっきりしたもののその前の記憶が思い出せない。
ただ私の手には血塗れになっている剣が握り締められていた。
更にはあたり一面に、人と認識するのがやっとなほど損傷している死体がたくさんあった。
状況が全く飲み込めずにしばらく呆然としていると、
「父ちゃん達の仇だ!」
いきなり獣人の子供が私に斬りかかってきた。
私は動揺して反応が出来ず、攻撃を受けるだろうと冷静に考えていると、体が勝手に動きその子供を斬り殺してしまった。
「何故だ?何故私は今の子供を殺した?」
私は自分の行動が信じられずに思わず叫んでしまった。
それに今の行動でもう1つ理解したくない事を理解してしまった。
それは、ここの死体の山を作ったのが自分であるという事だ。
何故そんな事をしたのかすら分からないしわかりたくもなかった。
状況を整理する為自分が覚えている事を思い出していく。
私は確か国に忠義を誓った騎士だったはずだ。
そしてその国で剣の腕を見込まれて、近衛騎士団に入り王のために、この身を捧げた。
しかしその国は、邪神の侵略によって滅ぼされてしまい、私は王を逃がすために、城に残り邪神とその眷属達と戦った。
結局は多勢に無勢、眷属を1人仕留めたのがやっとで私はそこで息絶えたはず。
そうだ!
私は一度死んでいるはずなのに何故今生きているんだ?
いったいどうなっているのだろうか?
そんな事を考えていると、
「どうしたのなの?」
背後から声をかけられた。
そして振り向くとそこに居たのは、私が最後に戦った相手の1人である女性がいた。
何故私に話しかけてきたのだろうか?
疑問に思っていると、
「1つ目の封印の解除終了なの!急いで次の場所に行くのなの!下準備は終了してるなの!」
この女はいったい何を言っている?
私が何の封印を解いた?
それに次の場所とは何なんだ?
頭の中がパニックになっている。
その為か、突然それは聞こえてきた。
「どうだ今の気分は?最高だろ?」
何だ?
「クックックッ!私だよお前が最後に戦った相手だ。」
!!
何だと!
「あの後からお前は、私の眷属として働いてもらっているのだよ。実に優秀で助かっている。」
私が邪神の眷属として、この惨劇を生み出しているだと?
「どうだ?守ろうとしたものを壊す気分は?」
ふざけるな!なんて屈辱だ!
私は自決しようとしたが、体が全く動かない。
「安心したまえ、お前の意識のみを目覚めさせただけで、そのほかは全て私が支配させてもらっている。これからは自らの体がおこす行動を楽しんでくれたまえ。」
その声を最後に聞こえなくなった。
邪神め!悪趣味な事をしてくれる!
私の体なのに何も出来ないなんて、こんな屈辱他にない。
頼む!誰でもいいから私を止めてくれ。