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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
三章 新たな仲間と決意
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第7話野営準備

いよいよ村の外での、キャンプという名の一週間訓練づけが始まってしまった。


ルードさんの企画だけあり、ほとんどのものが現地調達になっている。

唯一寝る場所だけが、男女別のテントで寝れるだけで寝る為の道具もなしだった。

ちなみに俺とルードさんはテントすらなしだ。


今はまだ宿の部屋の中で、これからの事をルードさんが話しているところだ。

獣人達には俺やルードさんの事を、主人ではなく自由に呼んでいいといってある。

そもそも誰かにご主人様とか呼ばれたことがないので、違和感しかないので普通に呼びやすい名前で呼んでもらった方がしっくりくる。


ルードさんが持ち出したルールは、一週間は村の外での生活を体験してもらい、その後に俺たちに付いてくるかは、個々の判断にまかせるということだけだった。


その後に俺たちはテントの道具と、身を守る為の武器のみを持って村の外に行くことになった。


「さてと、村から程よく離れたし、近くには川もあるからここら辺ていいだろ。」


「ルードさん、ここ街道から外れて完全に森ですけど?」


「それがどうした?」


村から離れた森の中で俺とルードさんはそんな会話をしていた。

その後にルードさんの説明により、今回この場所を選んだ理由は、実際野宿をするような場合に街道近くでは、盗賊に襲われる事があるからだそうだ。


そこからはテントを張るために、周りの雑草や木を取り除いていった。

その後全員でテントを張り、役割を分担して川から水を汲む班と、狩りをする班にわかれて行動することになった。


水汲み班は俺、ミリー、ルナ、グレン、バルド、ライナの6人。

狩り班はルードさん、ジェイド、ユフィー、レド、レン、ギギの6人でそれぞれ行うことになった。


「レインさん、水汲み用の道具はこんな感じですか?」


「グレン流石だな。助かるよ。」


俺たち水汲み班は、水汲み前に道具を作成中である。

何故ならこの場所に来る際、道具は武器とテントのみで料理道具もその他道具も一切無いから、木を切った物をグレンが加工してくれていた。

やはり物作りが得意とだけあって、水汲み用の桶や貯めておく用の入れ物をすぐに作ってくれた。


「それじゃあ、水を汲みに行くけど、最初はグレン、ルナ、ライナすまないがここに残っていてくれるか?」


「なるほどね。わかったわ。」


「えー、何でルナお留守番なの?」


「僕は、皿などを作っておきます。」


ライナは、野営に関する危険を知っているのだろう。

戦闘は苦手なのに了承してくれた。

ルナは一緒に行きたかったのか、不満を漏らしながらも一応残ってくれるようだ。

グレンはまだまだ道具が足りてないので、残って色々作っておいてくれるようだ。


「ありがとう、それじゃあ急いで行ってくるよ。」


俺と、ミリー、バルドで川に向かう事になり、道具を担いで歩き出した。


しばらく歩いていると、


「レインさん、何で三人と別行動にしたんですか?」


「逆に聞くとバルドは、何でだと思う?」


「うーん、わからないです。」


「ミリーはどう?」


「レインお兄ちゃん何でです?」


バルドは、どうやら気になるらしくずっと考えている。

ミリーは、昨日の一件から俺をお兄ちゃんと呼びすごく懐いていて、今も俺の左手と手をつないでいる。


「バルド答えは簡単だよ。野営の場所を決めてテントを立てたのに、誰もいなければ魔獣などに壊されてしまうかもしれないからだよ。」


「ああ、そっか!そういう危険があるのか!」


「ふあー、すごいのです!」


二人は感心していたが、昔俺もバルドと同じ質問をルードさんにして教えてもらった。


その後は、何事もなく水汲みは終了した。

後は狩りの結果を待つだけなので、料理に必要な道具を、みんなで相談して作っておく事にした。


「鍋どうします?」


「グレン何かいい案ある?」


「流石に木で作っちゃうと火にかけると燃えちゃいますからね。特に思いつかないです。」


「石で作るのはどうかしら?」


「ライナさん、肉とか焼くための平らなのは、何とか作れるかもだけど鍋は僕には無理だよ。」


「へぇー、石で肉とか焼けるのか?」


「バルド君そうなんですよ!平らにした石を下から火で熱して、その上で焼くと美味しくできるんです!」


グレンは、料理にこだわりがあるのか、いきなり熱く語りはじめた。

ていうか、グレンって料理できるのか?


「なあグレン、肉料理について語ってるけどお前料理できるの?」


「レインさん、僕は肉を焼くのだけはうまいですよ!」


なるほど焼くのだけはできるのか。

それなら俺もできる気がするが、たぶんそれは料理とは呼ばないだろう。

そんな事を心の中で思っていると、


「レインお兄ちゃん、温めた石を木の鍋に入れるのはどう?」


「ミリーちゃん!ナイスです。ルナもその考えに賛成です!」


「確かにミリー、それはいいかもしれない。グレンどうだ?」


ミリーの考えは確かにできると俺も思った。

グレンにたずねると、グレンはなにやらブツブツとつぶやきながら、しきりに木を確認していた。

それが終わると木を自分の足元に置き、


「レインさん何度か試さないとだけど、いけると思います!」


俺たちはそれから水を汲んだ川にいき、手ごろな石を集め綺麗に洗って持ち帰り、グレンが作った木の鍋に水を入れ、石を温めたのを入れて大丈夫かを確かめた。


これは実に大変で、まず火をつけるのにひと苦労あった。

次に熱した石を掴む道具作りも大変だった。

それらを解決しても木の鍋の底の厚さを調整するのに、何度石が貫通した事か。

何度も繰り返す事でなんとかかんせいできた。


「よし、後は狩りの成果を待つだけだな!」


俺たちはしばらく雑談をして過ごす事にした。

主に得意な事や苦手な事についてをワイワイと話し合った。


「すまんな待たせた。」


結構たってからルードさん達が戻ってきた。

何故だろう?

ルードさん以外やつれた顔していた。

狩りの成果は上々でイノシシの魔獣を仕留めてきてくれた。

さらには兎にツノが生えたラビットホーンや蜂型であるキラービーの巣もある。


「今回は調味料ないから、基本焼き料理ばかりになるな。」


ルードさんはそう言った後、武器を洗ってくると、狩りをした者達を連れて川に行ってしまった。


「・・・・・・料理するか。」


残った俺たちで料理をする事になった。

魔獣は全部ちゃんと血抜きをされていたので、すぐに解体に取り掛かった。


「解体は、私に任せて。」


ライナはあっという間に魔獣を全部解体してしまった。

その後は、ライナ以外料理の知識がなかったため、ライナの指示に従って料理をしていった。


結局ほとんどが焼き料理になってしまい、せっかく作った煮込み用の道具は使われなかった。


全員が集まりできた料理を食べていると、


「そうだ!明日から訓練始めるからな。」


ルードさんは、そう告げてきた。

あれ?今日のは訓練じゃなかったのか?

俺以外の全員が首を傾げていた。

それがわかったのか、ルードさんは、


「今日のは野営の訓練で、明日からは戦闘訓練だからな!」


獣人達は、かなり驚いていた。

俺は明日に備えて早く寝たいと考えていたら、


「そうだ!レインお前は俺と一緒に、今日は不寝番な!」


はあ?

明日から訓練なのに、俺に不寝番をしてからルードさん式の訓練を受けろと?

今から明日の事を考えると胃が痛い。

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