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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
三章 新たな仲間と決意
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第1話防衛本能

ここは何処だろうか?

俺は今よくわからない空間?をただ1人で立っていた。

周りは一切景色がなく、何処までも暗闇が広がっていた。

少し歩いてみたが、結局この光景は変わることがなかった。


どれぐらいそうしていたのだろうか。

それは前触れなく突然聞こえた。


「初めましてかしらね。」


なにもない空間から、淡い金色の髪を腰のあたりまで伸ばした女性が現れた。


「あなたは、だれですか?」


「私の名前はそのうち分かるわ。」


「俺あなたと会ったことありますよね?」


「さあ、どうかしら。」


どうしてだろうか?

この女性に会うのは、初めてではないような気がするのだが、いつ会ったのか全く思い出せないし、聞いても教えてくれなかった。


「それじゃあ、ここは何処なのかは教えてくれますか?」


「それはいいわよ。簡単に言うとここは貴方の精神の中よ。」


「精神の中?」


「そう。貴方は此処に来る直前、何が起きたか覚えているかしら?」


「ここに来る直前?」


ここに来る直前何が起きたか思い出そうと考えてみる。

えーと村で何が起きたはずなんだが、記憶に靄がかかっていてハッキリしない。


「やっぱり!防衛本能が働いているわね。少しやわらげてあげるわ。」


女性は俺に両手をかざすと、そこからあたたかい何かが俺の中に入ってきた。

するとさっき記憶にかかっていた靄が少しはれてきた。


そうだ!村が襲われたんだ!

その後俺と両親で逃げようとしたら、父さんが残って俺と母さんで、ヘイブルに向かったんだ。

それから・・・・・まただ!また記憶に靄がかかっている。


「焦らないで。ゆっくり少しづつ思い出していって。」


今度は女性はアドバイスしてくれるだけだった。

その言葉通りゆっくり考えていこう。

母さんとヘイブルに向かったのは確かだ!

その後は、ヘイブルの村にたどり着いた記憶がないから、多分何か起きたはず。


何が起きたんだ?

えーと村が襲われた以上追っ手がいるはずだから追いつかれたのか!


その後どうしたんだ?

駄目だ全く思い出せない!

俺が頭を抱えてうずくまると、


「やっぱり初めてだと、相手がどんな人物でもこうなってしまうものね。けれどね残酷なようだけど、貴方にここで目を背けたり、心が折れてしまったりしたら困るのよ。だから。」


女性はまた俺に両手をかざしてきた。

それによって強制的に思い出させられてしまった。


俺は、俺と母さんは、追っ手に追いつかれ戦ったが、俺が弱く油断をしたせいで、父さんと約束したのに母さんを守れなかった。

それだけじゃない!

その後きた奴らによって、村人全員が殺されたことを知った。

そこには父さんも含まれていた。


そして俺は怒りから“恩恵”の固有スキルが覚醒して、その力を使って敵を、相手の人間を殺・・し・・・た。


「うわー!」


俺はその場でうずくまり、力の限り叫びまくった。

俺は初めてこの手で、人を自らの意思で斬ったんだ!

そう考えるだけで心が痛い。

その時の感触がよみがえり、その場で吐いてしまった。


「貴方は優しすぎるのね。けどねあの時貴方がしなければ、もっと辛い運命が待っていたのよ。」


「もっと辛い運命?」


「そう、邪神の器としての運命が。」


器って確か村を襲ってきた奴らが言っていた言葉だ。

その後女性は俺の背中をさすってくれながら説明をしてくれた。


いわく、邪神は本来封印をされているはずだったが、何が原因かわからないが一部その封印が解かれてしまい精神体として復活してしまった。

その状態では長く存在できないため精神体を保つための肉体が必要。

そのために選ばれたのが俺ともう一人いた。

今回の襲撃はその器の確保のためだった。

そしてその途中で俺はスキルの暴走をし、もう一人は確保されてしまった。

それによって奴らは撤退していった。


なんて事だ。

俺のせいでみんな死んでしまったって事なのか。

俺はうつむき心を閉ざしかけると、女性は優しく俺を抱きしめた。


「貴方は沢山の人に愛され生きて欲しいと願われたの。それを忘れて心を閉ざさないで。それに貴方にはまだ貴方を想ってくれている人がいるでしょう?」


そうだった!

リリーが生きているんだ!

一緒に生きると誓ったんだ。


「ふふ、大丈夫そうね?」


「はい。」


人を殺したのは未だに罪悪感があるが、それに囚われて生きる事を辞めてしまうのは、俺を生かすために死んでいったみんなの気持ちやリリーとの約束を裏切る事になる。


これからも同じ事があるかもしれないがもうこんな風にはならない。


「それじゃあ、本題に入りましょうか。」


そう女性は告げてきた。

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