表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
二章 災厄の訪れと決断
25/180

第11話災厄の後

another side ルード


村へと向かう途中、俺は変な男のせいでだいぶ時間を取られてしまった。

そのために急いでいた。

変な男以外ではいきなり襲われることもなく順調に進む事ができた。


結局は予定よりも3日遅くに村につくだろう。

これはガイルに文句を言われてしまうな。

そんな事を考えていると、村の入り口が見えてきた。


村の入り口に近づくにつれて、血の匂いが濃くなってきているのに気付き急ぐと、そこには凄惨な光景が広がっていた。


まず目に入ってきたのは、おびただしい量の血が地面に広がっていて、その上に原型をほとんどとどめていない死体があちらこちらにあった。


「一体何が起きたんだ?」


思わず口からそんな言葉が漏れてしまうほどに残酷な景色だった。


このままこの光景を見ていても仕方ないので、俺はひとまずガイル達の家に向かう事にした。

道中やはり死体しかなく生存者は一人も見つかっていない。


やがてガイル達の家の前に着いたので急いで中を確認する。


「おい!ガイル、メアリー、レインいるか?」


しかし返事はなかった。

次にアレス達の家に向かい同じように声をかける。


「アレス、ヘレン、リリーいるか?」


こちらも返事がなかった。

後は可能性として残っているのは、村の裏側に向かう道のみである。

その道に向かうと二つの方向に道があり、一つはヘイブルの村に行く道、もう一つは村の入り口に戻る道である。

俺はどちらを行くか迷いながらひとまず村の中を探しきる事に決めそちらの道に進んだ。


しばらくすると最悪な光景が目に入ってきた。

それは目の前に爆発したような凹みがあり、そこの中心にガイルと知らない男が互いの胸を貫いた状態でいた。

急いで近づき確かめると、すでに二人とも息絶えていた。

状況から見てガイルは最後の忠義を使ったんだな。


最後の忠義は己の命を代償に一人を確実に道連れにする“恩恵”であった。

ガイルお前がそこまでしなきゃならない相手だったのか。


俺はガイルの死体から剣を抜き横にしてやった。

本当なら弔いをしっかりやってやりたいが、ガイルがこんな事になっているという事は、レインとメアリーを探さなきゃいけない。


「すまないガイル。俺が遅れたあまり。」


実際はその場に俺がいても何も変わらなかったかもしれない。

しかし俺はそんな事を思わずにはいられなかった。


その後ヘイブルの村に向かう道を急いで進んで行く。

やがてかすかに血の匂いがしてきたので用心して進んで行くと、三人倒れているのが見えてきた。


近づいて行くとまずは男が倒れていた。

見た目外傷が1個もないのに不思議な事に絶命していた。


次に女性が仰向けになっていたので近づいてみると、


「メアリー!」


くそ!今度はメアリーかよ!

外傷はほとんどないが心臓を貫かれたらしく胸の傷が背中にまで達していた。


残りの一人はうつ伏せに倒れているようなので近づいてみると、


「レイン!しっかりしろ!」


そう、レインだった。

口から血を吐いたようだが体には目立った怪我がないようだ。

呼吸を調べてみると弱々しくだがちゃんとしていた。


「よかった。レインだけでも無事でいてくれて。」


それにしても男2人は何者なんだ?

調べなきゃいけないな。

ひとまずはメアリーの死体をガイルの隣に運んでから、レインを連れてヘイブルの村に向かう事にするか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ