第4話手詰まり
俺の“恩恵”の固有が何もわからない事が発覚してから数日が過ぎていった。
今日は毎年のおなじみになった、リリーの家族が里帰りをする日になった。
今年は去年と違い、ユーリさんは何か急な用事ができたらしく先に村をでていった。
しかも今回は長くなるらしく代わりの神父が来るらしい。
正直ユーリさん以外の神父が来るのは初めてでもあるので楽しみでもある。
「レイン行ってくるね。何かあれば指輪で連絡してね!」
「わかってるよリリー、気をつけて。」
そんな簡単な挨拶をしてリリーたちは村から出発していった。
見送りも終わって特にする事がないので家に帰る事にした。
それにしても今年は、ルードさんが村に来るのが遅いな。
いつもならリリーたちが里帰りする前日までには村に来ていたのに。
仕方ないから少しは固有についてでも色々調べてみるか。
家について中に入り暇してる父さんにはなしかけた。
「ねぇ父さん、父さんはどんな風に固有を使えるようになったの?」
「俺か?俺の場合は名前からして分かりやすかったから、意識せずにできてしまったから参考にならないぞ。」
「だよなー、一体どうすれば使えるんだろう。」
「こればかりは、焦らず気ままにやってくしかないな。」
「はぁー」
固有を発動させる為の方法もわからずお手上げ状態だ。
気分転換に話題を変える事にした。
「そういえばルードさんってまだ来ないの?」
「いや、連絡ではもう着く頃なんだがな。今だになんの連絡もよこしやがらない。」
「なんかあったのかな?」
「どっかで道草でもしてるだけだろ。」
「そうなのかな〜」
他にする事もないので俺は仕方なく剣の鍛錬をする事にして家をでた。
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another side ガイル
正直今の状況はあまり良くない。
この村はもともとレインとリリーちゃんを守る為に作られた村だ。
村人のほとんどが元騎士だった連中を引っ張って来た。
リリーちゃん達が里帰りする時には、一部の村人が護衛として一緒についていってしまうため、ルードを呼び寄せていた。
ルードは俺がまだ現役の騎士だった頃からの友であるだけあってすぐに了承してくれた。
なんだかんだで彼奴は昔から仲間思いだったからな。
ただ今回は珍しくルードが連絡をよこさない事が非常に気になって仕方ない。
あの預言の事が頭にちらついてきてどうも気になる。
何も起きなければいいのだが。
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another side ルード
最悪だ。
わけのわからない奴に襲われてから一日ぐらいがたった。
ムカつく事にまだ戦闘中である。
「いい加減あきらめろよ!」
間合いをはかりながらわずかな隙を見つけては斬りかかっているものの、奴は難なく躱してはそのままカウンターをしてきて、それを間合いを取ってかわすの繰り返しをしていた。
「何か喋ったらどうなんだ?」
「・・・・・・・・」
「てめぇの目的はなんなんだよ!何故俺に襲いかかってきてるんだ!」
「・・・・・・・・」
「ちぃ、だんまりかよ!」
くそ!こっちは一刻も早く先に進みたいってのに、俺との相性が悪い敵さんだよ。