第15話 団長の実力
another side ロウ
「加勢します!」
俺は短槍で先ほどレインさんと話していた人を襲おうとしていた人物の喉を貫いた。
「君は!すまない、だいぶ俺らの中にも邪神教がいたみたいだ。加勢するはずがこのざまだ。」
「こっちはレインさんとユーリさんがなんとかしてくれて、今こっちと合流しようとしています。」
俺は敵の攻撃を短槍で全てを受け流し、カウンターで身体の致命傷になる部分を的確に貫いていった。
「ほう、かなりの腕前だな。ぜひうちの騎士団に欲しいな。」
騎士団団長の確かカウベルさんだったな。
俺と話しながらも武器はハルバードで同じく敵を確実に仕留めていっていた。
「残念ながら俺はレインさんに忠誠を誓ってますので。」
「なっはっは!やっぱりそうか!その強さは誰かの力になりたい為にひたすら磨いてきたものだからな!」
「わかるんですか?」
「当たり前だ!私だってサイアス様に捧げている武だ!見れば同じかどうかわかるな!」
「ならなんでこんな状態なんですか?」
「痛いこというな、今回は無理矢理実行したせいで上からだいぶ混ぜられたんだよ。」
「いろいろと教会は面倒ですね。」
しかし、だいぶ仕留めたはずなのにまだかなりの人数がいるな。
ここは仕方ないスキルを使って一気にカタをつけるべきかな?
「よし、後は任せな!小僧のスキルは今奴らに見せるべきじゃない!」
俺のしようとした事がわかったのか、カウベルさんは俺がスキルを使わないようにいって、代わりに自らのスキルを使おうとしていた。
「よく見ておけ!これがたった一点のみを鍛え上げた武の極みだ!」
カウベルさんはそういうと剣を鞘に戻し抜刀の構えを取りじっとしていた。
「!!まずい!団長のアレがくるぞ!全員回避に集中しろ!」
「小僧は俺の後ろにいろよ?間違えて斬ったらシャレにならないからな。」
騎士団のメンバーは全員が盾やスキルで守りを固めたり、射程があるのか安全な場所に移動していっていた。
そしてカウベルさんは剣の柄を掴むと、
カチン!
「えっ?」
剣を鞘から出していないのに、剣を鞘に納めた音が響いた。
いったい何が起きていたんだ?
俺が前方を確認すると、敵の全員が上半身と下半身で切断されバラバラになって倒れていた。
「はあ、小僧が来てくれたおかげで敵の人数が減ったから一気に片付けられた。」
「いったい何が?」
「いっただろこれが武の極みだ。」
やはり団長と呼ばれているだけあって、強さは次元が違うのか!
それにしても、斬撃が一つも見えなかったなんてどんだけの速度に達していたのだろうか?
「それよりも、急いでユーリ達に合流しないとだな。」
そうだった!
俺は安全の確認のために、先行して応援にきていたのだから片付いた今は合流しなくちゃだな!
「急いでレインさん達のいる場所に案内します!」
俺たちがレインさん達が待機している場所に移動を開始しようとした時だった。
ズドーン!
ズドーン!
ズドーン!
「なんだ今の音は?」
カウベルさんが俺に聞いてきた。
今のは確かユーリさんがレインさんの兄弟に作らせたっていう爆弾の爆発音だよな?
しかも三連続で聞こえてきていた。
まさか敵は味方を犠牲にしても、俺たちのことを追跡してきているのか?
彼らはどれだけ狂っているんだ!